Tatikawa
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あ、倒れる。そう思ったときにはもう地面が近づいてきてお腹になにかがっしりとしたものが回った気がした。
次に目を覚ますとそこは見慣れた医務室の天井が広がっていて、すぐそこには見知ったくせがつよい髪の毛がそこにあった。
「よぉ、起きたか?」
「…私」
「模擬戦やって、トリオン体から戻った瞬間バタン、だ。
体調悪いなら初めから言えってんだ」
こつん、と硬い指が額にあたる。
太刀川は再び丸椅子に腰掛け私を見下ろす。
そうだ、大学の授業が終わってそれから本部に行く途中で近界民にちょうどあたったからそのままトリオン体になったんだ。
もともと朝から体調悪いとは思ってたけど…。
「…」
「ほれ」
「なに、これ」
「なにって、お前にとって今一番大事なもん」
にやりと笑いながら差し出してきたのは色付きのビニール袋。
その中にはなにか入っているらしいが…。
起き上がってそれを受け取ると軽い…、中を見てみるとようやくそれが何かわかった。
「これ、どうやって手に入れたの」
「国近が空気読んでくれた。できる部下を持つ隊長は幸せだ」
「そんなものを平然としてあなたが渡すことに対して私は疑問を覚える」
「なんだよ、恥ずかしいか?nameちゃんかわいいな」
「…言い返す元気もないわ」
女の子にとって大切なもの、月一にくるそれ。
国近ちゃんはなんとなく察したのか…。あとでお礼言っておこう。
それと一緒に、男にこういうものを託すことに対して釘もさしておこう。
だけど、国近ちゃん…こいつにそんなの託すかな…。
「そう怒るなって。
国近が渡すって言ってたのを俺がぶんどってきたからな」
「やっぱりあんたが悪かったんだな」
まあ大体想像がついた。
持ってきてくれたことには感謝しよう。
そのままベッドから降りようとしたらまた頭がくらつく。
こんなにひどいのは久しぶりだ…。
「貧血、ひどいんだろ?」
「…まあね」
「先月はそうでもなかったじゃん」
「…一応聞くけど、どうして知ってるわけ?」
「そりゃ俺nameちゃんも彼氏だから」
こうやって軽口たたく男を私は何人も見てきた。
何人も見てきて、何人もこの手で殴ってきた。
でも
この男だけは
「…あんたには負けるわ」
「お?なに?リベンジマッチ?そりゃ本調子になってからのほうがいいんじゃねぇの?」
一度も私はやれたためしがない。