Tatikawa
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「familyの作った飯が食いてぇなあ…」
情けない顔をしていたと思う。
もう2か月年ほど見ていなかった彼女の顔をみた瞬間出た言葉だった。
案の定彼女はぽかんと口を開けていたし、向こうはもしかしたら俺と別れたと思ってるのかもしれない。
ただ、言い訳させてくれるなら俺は一度だって忘れたことはないし、お前以外の女をこの一年抱いてもいなかった。
遠征先は最悪だった。
緊急脱出の機能もないその場所で、何人か大きな怪我を負った奴らもいた。
向こうの人間を手にかけることだってあった。
そんな中、一人の女を見つけた。
たぶん彼氏だろう亡骸を抱えながら涙をためて、睨みつけてくるその姿をみてふとfamilyのことを思い出した。
あいつ、今何してんだろう…。
ここ2か月くらいあってなかったなぁ…。
遠征が決まってから、訓練の毎日だったし模擬戦とかもばんばんしてたし…。
大学にもちょこちょこしか行ってなかったな。
というよりも、familyはボーダーじゃないから遠征の話なんかできないし…。
あいつ、今俺がなにしてるかも知らないんだよな。
あいつは俺が死んだって聞いたらこうやって泣いてくれるんだろうか。
その女には手を付けずそのまま背中を向けた。
少し離れると大きな声を上げて泣く女の声が聞こえる。
戦うのは好きだ、だけど、こういうのは嫌いだ。
「太刀川君?」
「っ!!」
気づけばfamilyを自分の腕の中へと入れ込んでいた。
ぎゅっと、まるで子供が母親に抱き付くかのような感じだった。
たぶんそれは間違ってない。
あったかいfamilyの体、冷たい俺の体。
すっと沁みわたってくる感じがした。
「おかえりなさい、太刀川君」
俺よりも細くて、弱々しい腕が俺の背中に回った。
「今日はシチューを作ったの、あっためたらすぐに食べれるから早く家に入ろう」
そうだ、ここはfamilyの家の前だったんだ。
遠征から帰ってきてぼーっとしながら歩いていて、気付いたらfamilyの家に来ていてインターフォンを押した。
家にも帰らず、familyのところに来たんだ。
「…name」
「なに、太刀川君」
「name」
「どうしたの?」
ああ、俺はきっと何があってもこいつのところに帰ってくるんだろうなぁ。