Tatikawa
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「あー、どれにする?」
「…なにしてるの?」
「ん?」
スーパーのお菓子コーナーでしゃがみこみ、近くの子供とお菓子を選んでいる大きな体をした男を見つけた。
その男、太刀川慶は間違いなく私と一緒にこの店に来たはずなのについたとたんいつの間にか消えていた男だ。
一通り回り終わり、彼の姿を探しいていて見つけた場所がお菓子コーナー。
まあ、彼らしいといえば彼らしいのか。
見ているのはどうやらチョコレート味にするかキャラメル味にするか迷っているらしかった。
「おおname、お前はどっちがいい?」
「どっちも買えば?」
「ダメだぞー、甘やかしたら。ここはどっちか一つにしなさいっていうところだ。
なぁ少年」
「へんなの」
くすくすと笑いながらも彼のいうとおり一種類だけ選び籠の中へと入れる。
やっと彼も立ち上がると私が持っていた籠を持ってレジのほうへと進んでいった。
私が買い物にでると言ったら、必ず彼はついてくる。
今日だって任務明けで眠たいくせに、私が荷物を準備した途端に自分も準備し始めたのだから驚きだ。
まあ、準備と言っても彼はほとんど手ぶらであるが。
「持つよ」
「え、いいよ。このくらい大丈夫だよ」
「いいって。女に大きな荷物持たせてたら俺が指さされる」
「…へんなの」
同い年のはずなのに、どこか子供でどこか男らしい彼にいつも私は振り回される。
彼はボーダーの中でも「とっぷのせいせき」なのだとか。
ボーダー隊員じゃない一般市民の私にはよくわからないのだけれど、きっとすごいこと何だと思う。
同時に、彼がエリートだというボーダーとはいったいどんな組織なのだろうとも…。
こんなこと考えると彼に失礼なのだろうけど。
「…ねぇ太刀川」
「ん?」
「太刀川って子供だけど、時々かっこいいよね?」
「それどういう意味だよ、俺喜んでいいのか?」
「うん、時々男前だよ、太刀川」
「…お前は素でそういうことをいうからかわいいんだよなぁ」
あいてるほうの手でよしよしと大きな手が私の頭を撫でる。
ああ、こういうところが「とっぷ」の成績なのだろうか…。
「…ちゃんと家探したんだ」
「え?」
「二人で暮らす家」
私の両親は4年前の大規模侵攻の際に亡くなってる。
三門市を離れてもよかった、でも両親との思いでが多く残ってるこの場所を離れる気にもなれず、今もここに住んでる。
そんな一人になった私を支えてくれたのが太刀川だ。
学校が同じで、ボーダーに入ったという太刀川の存在は知ってた。
知り合った理由も、太刀川の宿題を手伝ったことが始まりだったけど、いつの間にか太刀川が私の大切な人になっていたことに変わりはない。
「まあ、警戒区域の近くだから少し物騒かもしれねぇけど…」
「…」
「それでも、そこで俺の帰りを待っといてほしい」
もし、俺が帰ってこなくとも。
「自分勝手で悪いけどな」
「…」
そっと手を握られ、指を絡める。
顎鬚を生やして、どうしようもなくダメな彼だけど…。
彼がからめてくれた指に、自分の指へ力を入れる。
「!!」
「どんな家か楽しみ」
「…ありがとな」
「なにが?」
「いーや、なんにも」
今度は、私が彼を支えてあげたい。
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