Jin
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うちの姫が本部で相手をぼっこぼこにしてるらしい、迅、お前迎えに行ってきてくれないか?」
ボスの一言で、俺は大きなため息をついた。
「うちの姫」つまり、玉狛支部所属の-familyname-は所謂「旧ボーダー時代」からいる古株だ。
俺の同期、といっても過言じゃない。
nameは才能があった。言ってしまえば、戦うための才能が。
俺たちだって切磋琢磨して、能力を磨いてきたけど、nameのそれは「天賦の才」と言っても過言じゃなかった。
もちろん、本人だって努力していたし、それも俺だって認める。
でも、それは
『戦闘体活動限界、ベイルアウト』
「来たか」
「どうもー、風間さん。あーりゃりゃ、二宮さんもやってたの?」
「あいつのあれをどうにかしろと前にも言われていただろう」
「…んー、昔からその気は合ったのかもしれないけどね」
「やっぱりバケモンだよあいつ」
ぼそりと、すみのほうでC級隊員が会話しているのが耳に入ってきた。
nameは強い、それはもう小南と匹敵するぐらいの強さだ。
俺の予知だって簡単に覆してくる。
問題視されているのは、nameの破格の強さではない。
「やってることは間違っちゃいないんだけどなー…」
「みれたものじゃない、趣味が悪い」
「ランク戦をして、あまりの怖さにやめていった」こんな話は最近よく聞く話だ。
それもこれも、nameとランク戦した奴ばかりだ。
何度も言うが、nameは強い。問題なのは
「俺でもあれは嫌だ」
トリオン切れまで甚振るかのように四肢を切り落とした後、ゆっくりと見物するのだ。
じっと、どう反撃しているのか待っている。
トリオン体だ、反撃の仕様はいくらでもある。でも、彼女の「強さ」はそれを許さない。
あえて恐怖が残るように、もう二度と自分に歯向かうことができないように、完膚なきまで叩きのめす。
「趣味が悪い。急にふらっと現れてこれだ。よく見張っておけ」
「そんなこと言ってもねぇ、風間さん。nameってばいつもふら~ってどっかにいくんだよ?」
「お前もふらふらどこにでも行くだろうが」
「俺は暗躍だから」
ま、そういってもいいわけにはならないんだが…。
逆に太刀川さんなんて、nameの強さにしか目が入らないから、nameがふらりと現れたという情報を聞くとどこからでも駆け付ける。さすがに任務中は駆け付けられなかったけど。
二宮さん相手にそんな「遊び」はできなかったんだろう。name自身大きなダメージを負っていた。
「…迅」
「ごめんねェ二宮さん、手間取らせちゃって」
「もう少し早く来てたらお前に任せてたが、いい訓練にはなった」
「迎えに行ってやれ」と言い残して去っていく姿は一つ上とは思えないほど大人だ。
二宮さんが文句を言ってこないところを見ると、今日は納得できる理由があるのかもしれない。
さてと、自分の仕事をしますか。
「name、なにしてんの」
「迅」
ああ、不機嫌。こめかみが引くついてるのが遠目からでもわかる。
女版影浦、と言われているのも納得だ。
ベッドに腰掛けていたnameの隣に腰かけ、しばらく黙る。
nameは沈黙が嫌いだ、そのうち自分から話始めるはずだ、とゆっくり待っていると
「私はお飾りらしいわ」
「うわー、ご愁傷様」
「玉狛支部の、お飾り隊員、お金で解決したお嬢様。ノーマルトリガーではなにもすることができないから、玉狛に所属しているんだって」
「あー、うん」
「私の師匠も、大したことないって」
これだ、「最上さん」のことになると、nameは見境がない。
ボーダーのトリガーは安全を重視してる。何があっても死なないように、日々改良してる。
ベイルアウト機能もその一つだ。
でも俺たちは知ってる、戦争がどんなものか、死がどんなものかということを。
ああ、だから二宮さんが止めに入ったのか。これ以上彼女のことを勘違いする人間がいないように…。
nameの行動がいいものではないことは俺だってわかってる。
でも、nameがそういう行動をとるときは、なにか理由があるんだということも知ってる。
「…ボスに言われて迎えに来たんだ」
帰ろう、name。
戦うことを理解し、死を誰よりも悲しむnameは時々ふらりと現れて、命について考えさせる。
いつか、みんながnameみたいに考えれたら、もっと違う未来に進んでいくのかもしれないな。
「あの殺人狂みたいな戦い方は辞めなよね、最上さんが悲しむよ」
「考えてみる」
「その返事、何回目?」