Kazama
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ことを終えて、布団にくるまったまま横になっていた。
相手はベッドに腰掛け私に背を向けている。
その背中に赤い筋がところどころに入っているのをみて、少し恥ずかしくなる。
「…」
「どうした」
「ううん、なんでも」
「なんでもないということはないだろう」
肩越しに振り返ってきた風間はnameに対してそう声をかける。
nameはというと風間に言われたように別になにも考えずその背中を見ていたわけではなかったため、少し言葉を濁すことしかできなかった。nameが言葉を濁すことは別に珍しくない、nameが思っている以上に風間はnameのことをよく理解していた。
ぎしり、という音を立てながら、再び彼女の隣に横になると次はnameが背中を向けた。
何もない、真っ白な背中。
そっとその背中に手を伸ばし、胸前まで腕をやる。
「…」
「お前の悪い癖だ、ため込む前に言え」
「…私が汚い女だって知ってるでしょ?」
「それはどういう意味でだ」
「いろんな意味で」
勝てば官軍、その通りだと思っていたし、nameの戦い方もそれに倣っている。
トラップを駆使した戦い方は一見卑怯に見えなくもないが、そこにたどり着くまでの緻密な策は彼女の頭脳があるからこそのもの。
今となってはトラッパー兼攻撃手という異色のポジションについている。
その一方で、彼女が男をとっかえひっかえにしているというのも風間の耳には当然入ってきていた。
それも風間と付き合う前の話だ。今となっては全く別のもの。
「昔の話だろう。俺は過去のことをとやかく言うつもりはない」
「…私、男に背中を向けてばっかりだったんだなーって思って」
ふと、考えてみた。
男と一緒に寝て、一緒に横になって眠りについたことがあっただろうか。
そのままことを終えてすぐにベッドに腰掛けて着替えて、その場を後にした記憶のほうが多い。
今、風間が私に背中を向けた時、風間は別にどこかに行こうとしていたわけじゃないのに、なんだかとても寂しく感じだ。
「私がずっとしてきたことは、相手にとってとても寂しい思いをさせていたんじゃないかって、そう思ったの」
私は捨てられる前に捨ててやる、そうその時は思っていただけだったのに。
私の行動が、彼らに別れを言わせる原因になっているとは思っていなかったんだ。
初めてだった、男の背中を見たのは。
「風間だって、身長は低いのにやっぱり男の人の背中をしてた」
「身長は低いというのは余計だ」
「うん、ごめん」
私はこんなに悲しませるようなことをしてたんだ。
そう思うとなんだか悪いことをしたような気になって、今少し落ち込んだ。
そういったnameに対して、風間は眉間にしわを寄せる。
そのままnameの肩をつかみ上へと向かせると、nameの上へと乗り、見下ろすような形をとる。
さっきまで嫌というほど取っていたポジションだ。
「確かに、今までのことに対して反省するのはいいことだ。そう思う」
「うん」
「だけど、男がいる前で前の男の話をされると少し腹が立つ」
「…風間も人並みに嫉妬するんだ。知らなかった」
「お前は俺をどういう風に見てるんだ?」
こてん、と傾げる21歳。
21歳には見えない、というとそのまま唇をふさがれどんどんと深いものになっていく。
離れるころには息もあれ、顔も赤くなっていたはずだ。
口と口をつなぐ銀の糸がとても嫌らしく見えた。
「これでも見えないか」
「ううん」
大人って感じがするよ。
背中に回すとやっぱり、男の人って感じがする。