Jin
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「楽しかったーっ!!」
「次二次会行く人ー!!!」
まだ未成年の私たちは居酒屋ではお酒は飲めない。
まあ、成人一歩手前ということもあって結構夜更けまで遊んでる子たちも多いのだが…。
私は腕時計で時間を確認すると一番近くにいた友達に声をかけた。
「私はこれで」
「えー、nameいっつもそうじゃん。今日くらいは遅くまで遊ぼうよ」
「残念、私は明日朝一で防衛任務があるんです」
「そっか、name防衛機関だったね。忘れてた」
「すごいよな、family。防衛機関に入ってたなんて知らなかったよ」
「時々休んでたのはそれが理由だったんだな」
防衛機関の存在が公になって、学校でも認められ始めたのはここ数年のことだ。
4年前より以前になるとまだまだ防衛機関の存在すら世間では知らなかったことだ。
そのあとも認められるまで時間がかかったけれど、大規模侵攻から早4年。今となっては普通のこと。
特別早退などが認められなかった私の学生時代はそれはもう大変な時期だった…。
「なあfamily、遅いし俺が送って行ってやろうか?」
「え?いいよ、別に大丈夫」
「そういわず、な?」
顔は覚えてるけど、名前までは覚えていないようなクラスメイトに腕を取られそうになったとき、そっと横からさらうかのように私の腕をとった人がいた。
「大丈夫だよ、俺がちゃんとnameと一緒に帰るから」
「迅、どうして?」
「へ?なに、family彼氏がいたのか?」
「うっそ!!nameそんな話しなかったじゃん!!」
「しかもその服防衛機関の隊員?」
青いジャケット、特徴的なサングラスを頭へと押しやってるそのいつものスタイルに口元には笑みが浮かんだ。
「どーも、実力派エリートの迅悠一です、以後お見知りおきを」
「nameの彼氏ですか?」
「もちろん、そうだよ。同棲もしてるんだ」
「ちょっと!!!」
迅の言う同棲とは少し語弊がある。
玉狛支部に所属しているnameは、大規模侵攻で家を壊されそのまま支部に住み着いた。
つまり、支部で暮らしてる迅とは一つ屋根の下にいるわけだが、別に二人の家というわけではない。
「一緒に住んでるってのは間違いじゃないだろ?」
「そりゃそうだけど…」
「へーすごい!!結婚式には呼んでね!!」
「じゃあねname!!またごはん一緒に行こう!!」
迅の手に引かれるままに、そのままその場を後にする。
すっかり夜も更けて、街頭だけが光るそんな道を二人の歩く音だけが響いていた。
警戒区域へと差し掛かると、街頭すら光ってなくてただただくらい道を歩く。
「迎えに来るなんて思ってなかった」
「うん、そうだろうね。俺も最初は行くつもりなかったんだけど」
ほら、と言葉を濁す迅。
隣にいる迅を見上げると頬を指でかきながら少し苦笑いをしている。
「さっきの男」
「ああ、さっきの人?」
「さっきの男と一緒に帰る未来がすこーし見えたからな」
「…つまり嫉妬?」
「だな、かっこわりー俺」
眉を下げ笑うその姿にとてもうれしく感じた。
ぎゅっと手を握り返すと次は目を少し丸くさせる。
ころころ変わるその表情がとても好き。
「うれしい」
「…nameはストレートだから困るときがある」
「なに?私言いすぎ?」
「いいや」
俺もうれしい。
嫉妬なんてめんどくさいもんだと思ってたんだけどなぁ。
でも実際に見てみたらやっぱり嫌だって思ってきたんだよ。
来て正解だった。
「やっぱりnameの隣はこの実力派エリートじゃないとな」
「その一言で台無しなんだよなぁ」
「あれ、俺泣いていい?」
ちょっとふざけたような言い方をしてるけど、そういうところが迅らしくてちょっと笑った。
迅は誰にでも優しい、誰にでも声をかけるし特に女の子のお尻を触ってるところはよく見る。
見かけたところで制裁を行ってるのは私だけど。
でも、そんな迅が私なんかのために嫉妬してくれるというのは、言い方は悪いかもしれないけどちょっと気分がいい。
「迅」
「何?name」
「今度は二人でごはん食べに行こうか」
「いいね、そうしよう」