Jin
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「よぉname、ちょっといいか」
「あなたがくるときは、大体本当に面倒事を運んでくることが多いからいや」
「とか言って、最後にはついてきてくれるんだよな。nameは」
「…はぁ」
大きなため息をつくと、校門前で立っていた男迅悠一はにやりと笑った。
そのまま迅の隣を歩いていると、回りの生徒たちがざわざわとし始めるのがわかる。
そうそうに立ち去ろうとした時だ。
一つの女子グループに声をかけられる。
「familyさん、その人彼氏?」
「えー、familyさんってそういうの疎いと思ってたけどやっぱりやってることはやってるんだね」
どうして私の名前を知っているのか考えたら、ああ…米屋や出水と同じクラスの女子たちだ。
時々私が業務連絡の時に二人に声をかけるのが気に入らないんだろう。
このあるごとになにかと突っかかってきていたなとふと思った。
そんな私の様子を見てか、迅はきょとんとした顔をしながら足を止める。
「name、友達?」
「そう見えるんならあなたの目は本当に腐ってるんじゃないかと思うわ」
「ふーん…俺はnameに楽しい学校生活を送ってほしいなーって思ってたんだけどな」
「…」
「でもまあ、これも学校ならではなのかもなぁ」
再び歩き始めた迅は私の隣にならんだかと思うとそのまま私の手をとる。
いつもはそんなことしないのに、大きな手はいつも変わらない、優しく、少し豆のある男の人の手だった。
「ちょっと!!!」
「言わせたい奴には言わせておけばいい、それにあながち間違いでもないんだしな」
「っー…」
間違いではない、確かに迅の言う通りだけれども…。
『お、君がfamilynameちゃん?』
『…誰?』
『おっと、警戒心丸出し…。俺は実力はエリート迅悠一、よろしく~』
『…思い出した、最近太刀川さんのライバル』
『俺のこと知ってたんだね』
『有名でしょ、一部では』
『ふーん、で早速なんだけど、name』
玉狛に転属しない?
「明日学校に行ったらなんて言われるか…」
「いいじゃんいいじゃん、かっこいー彼氏がいますーって言っとけよ」
「調子に乗るから言わない」
「お?俺がかっこいいっていうのは否定しないんだな」
「あなたのそういうところが嫌いよ」
「俺はお前のそういうずばずば物言うところが好きだよ」
否定できない自分に腹が立つも、実際この男はあの防衛機関の顔ともいわれている嵐山准とよく似ているのだからイケメンと呼ばれる部類には入るんだろう。
だが実際は嵐山さんのように爽やか青年ではない。
暗躍が趣味というだけに、人のことをよく見ているし、実際のところ頭の中で何を考えているのかよくわからないことだって多い。
「かわいいなぁnameは」
「で、用件は何」
「そうやってー、クールぶったってだめだからな。顔真っ赤だぞ」
「うるさい」
迅は、大概一人で動くことが多い。
S級隊員、ソロで動く実力だってある。
だから、こうして迅が私を頼ってきてくれることがうれしいし、なにより迅が迎えに来てくれたことがうれしい。
「…で」
「そうせかすなよ、かわいい彼女と下校デートがしたかっただけだって」
「嘘つき、どうせ最近さがわせていたイレギュラー門の解決についてでしょ」
「…俺なんかよりnameのほうがサイドエフェクトもってるような気がするなぁ。第六感のサイドエフェクトーとか」
「大体噂で聞いてるわ、近界民を玉狛に入れようとしてるとか、その子がブラックトリガー持ってるとか」
「…全部お見通しってことか」
やっぱり、という感じに迅を見上げると、まいったまいったといいながら自分の頬をかく迅の姿があった。
「頼みにしてるからな、name」
「…」
ニコリと笑う迅。
きっと惚れたほうが負けだというのはこのことだろう。
私はこの人のこの笑顔に弱い。
「あんまり巻き込まないでね、それでなくても出水や米屋で十分なんだから」
「ははは、俺もnameと同い年に生まれたかったなぁ」