Jin
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ねえ、未来が見えるってどんな感じなの?
ふと、彼女が言った言葉を思い出した。
今思えば彼女は自分のサイドエフェクトがどんなものかわかっていたんだろう。
だからあえて俺にそんな質問を投げかけたんだ。
実際俺は彼女の未来が見えなくて目を丸くさせたし
そんな俺を見て彼女はしてやったりといった顔をしていた。
彼女が俺の大事な人になるまで時間はそうそうかからなかった。
もともとサイドエフェクトが使えなくて気になってたし、それに加えて俺好みの性格。
好きになるなというのが無理なくらいだった。
だからこそ、今はサイドエフェクトが使えないことがときどきもどかしい。
もし彼女に危険がせまったら?
もし彼女が危ない橋を渡ろうとしていたら?
もし彼女が
死んでしまう未来になっていたら?
「迅」
「っ!!!!」
はっと目を開けると、そこには彼女の姿があった。
いつの間にか寝ていたんだろうか。
窓の向こう側は真っ暗で、部屋の中も真っ暗だ。
ソファーの向こう側にある机にはピザやらなんやらのゴミがたくさん乗っていた。
ああ、そうか。今日は玉狛支部でパーティーだったんだ。
みんなが一人、また一人と部屋に戻っていくなか、なかなか部屋に戻る気にもなれずにここで過ごしてたんだっけ?
「よぉname。今何時だ」
「…今ちょうど2時回ったところ」
「そうか、ずいぶん長いこと寝てたな」
「…」
よっこらせ、とソファーから体を起こすとじっと床に座っていたnameが俺を見上げてくる。
少しきりっとした目はとても鋭く、暗い部屋の中でも間違いなく俺のほうを見ていることがわかった。
「どうした、name」
「ひどい顔してる。何か見えたの?」
「…いや、なにも見えなかった」
「?」
「なんも見えなかったんだよ」
そう、彼女がこの先どうなっていくかさえわからない。
俺はそれがとても怖くてたまらなかった。
見えないことが当たり前なのに、それが怖くてたまらない。
そっとnameへと手を伸ばし、頭をなでる。
するとその手にすがるようにnameも頭を押し付けてくるものだからたまらない。
猫みたいだと思うのは俺だけじゃないはずだ。
「name」
「うん」
「name」
「なに?」
「俺から離れていかないで」
「うん」
大丈夫だよ、迅。
膝立ちになったnameの肩へと額を押し当て、俺はすがるようにnameの背中へと腕を回す。
ああ、時が止まってしまえばいいのに。
未来も、過去も関係ないのに。
無慈悲に時間は進んでいく。
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