すれ違いと不信と執着
「…そういうわけで、お前らはこれからGOT7としてデビューすることになった」
デビュー?…デビュー?!
嬉しすぎる。こんな日が本当に来るなんて!
「ついては、えーと…。マーク、JB、ジャクソン…の3人は、『あれ』を持って夜8時に俺の部屋に来るように。」
「あれ」?「あれ」ってなんだよ一体…
「ジニョンヒョン、今マネヒョンが言ってた「あれ」ってなに?」
僕はよく理解できずにヒョンに聞いた。
「あー…。まだヨンジェは知らなくて大丈夫だよ」
ジニョンヒョンはそう言って僕の頭を撫でた。
そういう言葉が聞きたいわけじゃなかったのに…。
「ヨンジェヒョン、『あれ』ってなんだろうね?」
ユギョムも聞いてきた。やっぱり僕たちには知らされてないのかな、
「僕たちまだ子供だから教えられてないのかな?」
ベンベンも知らないみたいだ。
「ねぇ、じゃあさ、今夜8時、3人でマネヒョンの部屋に行ってみない?」
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夜8時。
マネヒョンの部屋が少し開いてたから、僕たちはそこから覗いて見た。
マネヒョンと、マークヒョン、ジェボミヒョン、ジェクスンヒョンが真剣な面持ちでなにか話している。
「お前ら検査の結果の紙、ちゃんと持ってきたか?」
マネヒョンが話し始める。
「マークは結果なんて見なくても分かってたわ。…正直言ってキツいんだよ。今までどんだけ我慢してきたことか」
「ほんとだよ!俺はジェボミヒョンとは違うけど、俺でさえキツいんだよ?なんとかできないのマークヒョン?」
「自分でコントロールできないし…。でも最近カメラマンとかにも変な目で見られるんだよ、なんとかしないと…」
なんとなくしか聞こえないけど、いい話ではなさそうだった。
僕たち3人は目を合わせて、つまらないという結論に至ったのでそのまま部屋に戻った。
「第一よ、ベータの俺でさえあてられる香りなんだぞ?カメラマンが反応しない方がおかしいだろ!」
「まぁジャクソン落ち着けって。でも正直、マネヒョンもマークの香りはやばいですよね?俺と同じアルファでしたよね?確か」
「…。マーク。かなり効く薬は一応あるんだが、副作用があるらしくて…。アイドルのお前が服用していいのかが不安だ。
番でも作ればいいんだがそんな簡単にはなぁ…」
ガタンッ。
「誰だ!…ドアの外に誰かいるのか?」
大事な話を聞かれたとジェボムが焦った。
ドアがゆっくり開かれた。
顔を出したのはジニョンだった。
「…あ、すみません、お話中でしたか?俺です、ジニョンですよ。空き缶が落ちていたので拾っただけです。
お騒がせしてすみませんでした」
そう言ってドアを閉めた。
部屋の中の4人はふぅーっと深呼吸して肩を撫で下ろした。
「ジニョンか…まじで俺ビビったわ」
ジャクソンがいつになく真剣だ。
「そういえばジニョンもそろそろ検査だったな、結果がわかったらジニョンも集めてまた話そう。」
マネヒョンのその一言によって会議は終わりになった。
ドアの外の人物も、そこから去って行った。
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