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カウント0の音声と共に爆風が彼女を襲い、サイバーシックスは金属の床にたたきつけられた。 データセブンは?私の兄弟達は?ホセは?リヒターは? 色々なことが一瞬のうちに頭の中を駆けめぐり彼女の意識は遠のいていった。 どのくらい気を失っていたのか、 「…ビンゴ!」 体に覆い被さっていた何かが無くなったのと同時に頭の上で人の声がする。 二人とも出血はひどいが致命傷ではないようだ。 警察とマスコミが動き出す前に見つけることが出来て良かった。 聞き覚えのある声にサイバーシックスが目を開けるとそこには笑みを浮かべた小柄な東洋人の姿があった。 「……ヤシモト?」 「君を見つけるのはこれで二度目だね、サイバーシックス」 ヤシモトの動きは素早かった。二人(正確には一人と一匹だが)を瓦礫の下から引っぱり出し、手慣れた様子で応急処置を施す。 データセブンも体のあちこちが傷ついていたがどれも生命に関わるようなものではない。 彼も生きているサイバーの姿を認めるとうれしそうにのどを鳴らし、再会を喜んだ。 手際よく黙々と仕事をこなすヤシモトにサイバーが声を掛ける。 「どうしてここに?」 「忘れたのかい?」 仕事の手を止めてヤシモトは笑う。 「僕はメリディアナ一の人捜しの名人なんだよ。君とデータセブンを探して欲しいという依頼を受けたんだ」 「依頼?」 「君たちが生きていてくれて本当に良かった。依頼人も喜ぶだろう」 君の家まで送っていくよ、それで僕の仕事は終わる。ヤシモトの言葉に甘えて二人は彼の車に乗り込む。 ヤシモトのサイドカーはデータセブンと一緒に乗るには少し狭かったが何とか乗れた。 そして怪我に差し障りがないようにとゆっくりとサイドカーを走らせる。加えて(豹を乗せているので) 人目につかないように表通りを避けながらの走行だったため、アパートに着く頃には日が落ちていた。 止血だけはして置いたけどちゃんとした手当はしておくんだよ。 本当はもう少しそばにいてあげた方がいいのかもしれないけど女性の部屋に長居するのは良くないことだから、とヤシモトはドアの前で彼女に別れを告げた。 それからこれを君に、と紙袋を手渡す。 「君を捜しているときに一緒に見つけた。役に立つと思う」 礼を言おうとするのを遮るように明日の昼過ぎに依頼人と一緒に来ると言い残しヤシモトは帰っていった。 袋の中身は数本のサステナンスの小瓶だった。 ヤシモトの姿が見えなくなるとサイバーシックスはデータセブンと部屋に入り少しためらった後、電気を つけた。 ほんの数日しか開けていないはずなのに数年ぶりに戻ってきたような懐かしさを感じる。 また生きてここに帰ってくることが出来るとは思ってもいなかった。 ベッドに腰掛け小さくため息をつくと傍らで座っていたデータセブンに話しかける。 「これからどうすればいいのかしら」 彼は判らないというように首を傾げサイバーを見る。 ヤシモトは明日ジュリアンと共にここへ来るだろう。 自分自身のこと、フォン・リヒターのこと、これからのこと、考えなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことはたくさんある、だけど 「…まずはあなたの怪我の手当をしなくちゃね」 そう自分自身に言い聞かせるようにつぶやくとゆっくりと薬と包帯を取りにバスルームへ向かった。 ルーカス・アマトが満面の笑みを浮かべ、彼(女)の部屋を訪れるのはそれから30分後のことである。 END |
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