13episodes ago
あの女がエイドリアンの“彼女”だったら、あたしのライバルなのよね。 『あんたがエイドリアンの彼女?』 間近で見た“あの女”は……大人の女性で綺麗だった。 『まあまあね』 認めるのもヤだったけど、悔しい。 結局助けてもらっちゃったりして、なーんか借り作っちゃったって感じでなんだけど。 あたしから助けてって頼んだワケじゃないけどさぁ。 それでもお礼くらいは言ってあげてもいいわよね。 あたしはあんたに会ったらちゃんと『助けてくれてありがとう』って言おうって決めてたんだから。 それなのに、これはないんじゃないの、ねぇ? 『終わらない』 あたしは渋滞に巻き込まれて動かなくなった車の中で手の中のものをじっと見ていた。 パパもママもこの町の皆がメリディアナから離れよう、生き延びようとしている。 メリディアナに来たバケモノから逃げるための準備していたあたしの前に現れたあの女は、眼鏡を掛けて いた。 丸いフォルムの見覚えのある、あの人がいつも掛けているはずの眼鏡。 彼女は目の前で眼鏡をはずすと、手を振ってアパートの屋根の上へ跳んで、何も言わず消えた。 あのね、あたし勉強は大っ嫌いだけどおバカちゃんじゃないの。 だからあんたが何を言いたかったのか、なんで眼鏡を掛けてたのかちゃんと判ったわ。 だから、ねぇ! あんたが置いていった眼鏡はエイドリアンの大事なものじゃないの。 どうしてあたしにそれを渡そうとするのよ。 あたしはまだあんたにありがとうって言ってないのよ? それなのに、これはないんじゃないの、ねぇ ……エイドリアン? あたしは止まった車の中で座っている。 考えることがたくさんあり過ぎてどうしていいんだかわかんない。 ここに座っているだけじゃダメなのに。 ブォン 小さなエンジン音が近付いてくるのが聞こえ顔を上げると、スクーターに乗ったルーカスが車の脇を通 り抜け走るのが見えた。あの方角は、 「!」 スイッチが入ったようにあたしは車の外へ飛び出した。 開けたドアでルーカスのスクーターを止め、手の中の……エイドリアンの眼鏡を彼に見せた。 車の中ではパパとママが困った顔している。 ここは危険なのよ、一緒に逃げましょう。あなたが心配なのよ、と 心配かける悪い子でごめんね。 ルーカスは少し考え込んでから、眼鏡を胸ポケットに入れヘルメットをあたしに渡してくれた。 そうこなくっちゃ。 今来た道を逆走しあの怪物のところへ行くの。そこにはあの人がいる。 まだ終わらないんだから! END TVシリーズ第拾参話ネタ ロリ視点 |
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