寝言

仗助、好き。独り言をつぶやくだけで、熱が滲む。見えるものすべてがぼやけて、触るものすべてがやわらかく、溶けてしまう。眠りに落ちてしまう寸前の心地よさ。あったかくて、ふわふわな寝床が、じょおすけみたい……。わたしをいやしてくれる、やさしいじょおすけ……。



気のせいだろうか。仗助が、声もあげず泣いてる。黙ったまま、寂しいって言ってる。沈黙が私を苦しませようとするから、私はうれしい。仗助の涙が全部私から溢れてくる、こんなにいっぱい。きれい、辛い、幸せ。ぐちゃぐちゃな私の肉に、透明の輝きが恐る恐る触れてくる。

寂しくないよ。きみはすべてから愛されてるからね。岩すらきみに挨拶する。ごちそうは食べてもらいたがっている。海が便りを届ける。鉄塔が見守っている。世界のすべてが友達。ひとりじゃないよ。

可愛いきみのやわらかい内側が、もっともっと明かされる時、幸せはきみを放っておかない。

私は楽園の夢を見てるから、ひとりぼっちでも寂しくないよ。
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