「すごい...」
「あの化け物をやっつけたのか...！？」
「すげぇ...英雄だ...！」
彼の戦いっぷりをしていた人々は歓喜の声を上げた。そして杏奈は彼に近寄り、頭を下げる。
杏奈「あのっ！ありがとうございました！助けて頂いて！！」
「礼には及ばぬ。とっとと去れ。」
青年は彼女の感謝の言葉に対し、冷たい態度で顔も見ずにそう言い放つ。しかし、杏奈は構わず続けて言う。
杏奈「良かったらお名前を聞かせてください！」
「お主に名乗る必要はない。もう一度言う、とっとと去れ。」
杏奈「そんなっ！助けてくれたのにお礼をせずにはいられないですよ！！」
「面倒な小娘だ...」
杏奈「せめてお名前だけでも聞きたいです！」
「ﾁｯ.....マリエイヌ...マリエイヌ・グランシア、それが我の名だ。」
杏奈「マリエイヌさん、本当にありがとうございました！！」
マリエイヌ「わかったら去れ、目障りだっ。」
杏奈「このご恩は一生忘れませんよ〜！！」
半ば苛つきながらマリエイヌと呼ばれた青年が自己紹介すると、杏奈は再び彼に感謝し、光の速さで立ち去った。
マリエイヌ「.....あの小娘.....まさかな。」

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