迷宮攻略よりも文明復興の方が難しい


「大変だよ!分かっちゃったんだよ!」
「おう大活躍じゃねぇか名探偵スイカ!」
「何が分かったんだそれ先にいいやがれ」
「あさぎりゲン殺人事件の犯人がだよ……!!」
「「「!!」」」
『…!(そっか犯人がわかったんだ)』
早朝に化学王国の皆の前に現れたスイカちゃん。犯人分かったのは良いけど、ゲンは死んでないけどね!?






 
 スイカちゃんに聞けば、雷が落ちた際に近寄ってきた村の住人、マグマと呼ばれていた人物がゲンを殺害した(死んでない)犯人だったようだ。
「そうか、あさぎりゲンはマグマ達の目の前で花束を消した。確かにマグマ視点だとゲンこそが"コハクの連れてきた噂のよそ者妖術使い"に見える」
「ブフッ、おう、じゃあマグマは千空と間違えてゲンをぶっ刺したっつうことか!?」
「くくく100億%とばっちりじゃねぇかゲンのやつ!!」
「笑いすぎだ君ら、ゲンを1番煙たがっているはずの私が一番同情しているレベルだぞ」
『か、可哀想だな』 
もしや私がマグマをぶちのめしていたら、ゲンの様にやり返されていたのだろうか…?

「死んでたらやべぇが生きてっからな。ゲンのマジックの力でな。俺にとっちゃ男同士の同情は侮辱でよ。むしろ笑い飛ばしてやんのも友達だぜ!!」
「あ"ぁ"ゲンと友達頭沸いてんじゃねぇのかクロムテメーどう見てもただの同盟軍だろが」
「本当に色々面倒だな男どもは」
「でなんでマグマのやつはあわよくばコハクをぶち殺そうと企んでる?」
『……それ私も気になってた』
「理由はおそらく——いや間違いなく"御前試合"だ」



 コハクに聞いた話だと、村では代々一世代に1度だけ大きな武術の大会"御前試合"が行われ、数ヶ月前に村にいる巫女のルリさんが18になる誕生日に御前試合の優勝者が、巫女の夫となり長を継ぐ。そこでマグマが出場しており長になろうと試合に参加していたらしいのだが、マグマにルリさんを渡したくないコハクが御前試合で優勝者となり、長である父親に勘当されてしまったらしい。

「クククそれでコハクテメー長の親父に勘当されてんのか」
「いやまぁ最後の引き金ではあったがな……」
「いろいろやんちゃしてやらかしてんだよ……昔から」
『あはは…(やんちゃそうだもんなぁ、コハクさん)』
「むろん御前試合は仕切り直しちょうど来月行われる」
「そのためにマグマのやつゲンを殺したってことかよ!いや生きてっけど……んなやつが長とかヤバすぎんじゃねぇか!」
「…マグマが長にでもなったらよ万能薬作ってもルリに飲ませんのすら厳しくなるな。科学王国ゲットなんざ夢のまた夢だ」
「ハ、逆にチャンスでもある。"科学王国民の男がマグマを破って優勝。ルリ姉と結婚して長になる"」
『私が男だったらなんとかできたかもしれないんだけどな…!』
 もしもの話をしていたって仕方がない。パチンと両頬を叩けば
「何やってんだアリババテメー」
『き、気合いでも引き締めようかと思って…』 
千空にドン引きされてしまった。

いつの間にやらコハクは金狼と銀狼の元へ行き、
「金狼、銀狼。君たちに聞きたいことがある。——ルリ姉のことをどう思っている!妻として娶りたいと思うか?」
「「!?」」
「いやぁ~考えたことなかったけど、そりゃルリちゃ…ルリ様は可愛いし、おっぱ…おしとやかで可愛いし目もクリっとして……いや顔はぁ!コハクちゃんとほぼ一緒なんだけども」

「顔のことのみじゃあないか女子の外見しか見ていないのか最低すぎるぞ銀狼貴様」
「なんだよぅ!おっぱ…おしとやかってのも、言ったじゃんよう!」
 『………なんか金狼に対してものすごく好感度上昇したよ」
しかも銀狼って子、おっぱいって言いかけてたよね!?
「俺の答えはシンプルだ!"門番は問答しない"ルールはルールだ。……だが勝手なつぶやきを聞くだけならルール違反ではない。もうわかっている千空が悪ではないことも。いつものように説明は省くで構わん、目的は何だ!!」
「私の姉者の命を救いたいのだ」

 「わかった」
 
「それ以上の説明はいらないよう」



 



そうして、コハクと金狼、銀狼達は稽古している。
「本当はクロム、君にこそ稽古をつけたいのだ。だがマグマを倒せる可能性があるのは銀狼金狼だけでな、すまない」
「クロムテメーがルリに惚れてってから金狼銀狼がルリとの結婚作戦をメンゴメンゴっつってんだよ!」
「ズッバズバ行くな、いつもながら君は…」
「おうまるで問題ねぇ、科学の万能薬でルリが治って幸せになってくれりゃそれ以上の願いはねぇよ。なんせ俺は天才科学使いだかんな…!!」
クロム……それってさ、もしもルリって子が他の人と結婚しても、その人が幸せなら俺は……!みたいなタイプだよね!?絶対そうだ!!!
 マギ世界では私がアリババの立ち位置奪っちゃって、しかも女体化しちゃったから中々恋愛してるところ拝めなかったんだよなぁ。しかもモルジアナに恋してる白龍を見たかったのになぜか私に惚れたらしく、告白されてファーストキス…じゃなかった、セカンドキス奪われるしさ…。

 
 『……コハク、私も剣士で戦闘は得意だから、銀狼と金狼を鍛えるの手伝おうか?』
 コハクの近くに寄り、話しかける。
 さりげなくコハクって呼び捨てしちゃったけど大丈夫かな…?
「!、アリババ、……そうだな君にも手伝ってもらうか!」
『うん!』 
思わず頬が緩んでしまう。私も科学王国の一員だと認めてもらいたい。何かを役に立てることがあれば全力で協力するんだから…!!







 

 
「ククク妖術使いから科学使いにジョブチェンジか」
「ああもう妖術使いは名乗らねー」
「御前試合はバトルチームに任して俺ら科学チームはサルファ剤ルート進めんぞ」
「おうよ次は科学で、何作る!?」
「文明作りの資材に鉄とタメ貼る大事なモンがある——硝子だ、」
 
「おうなんだそりゃあ電気もゲットしたしこっからいろんなクスリ作んじゃねぇのかよ」
「あ"ーそうだ。万能薬サルファ剤に向けて楽しい科学実験は土器じゃもう無理ゲーだ。ガラスならほとんどの薬品に耐える。ガラスは科学の原点なんだよ!!」
「クククついでにな、ガラスさえありゃ——その邪魔くせぇかぶりもん外して名探偵スイカ様の謎の素顔拝めっかもしんねぇぞ?」
そう言った、千空はスイカちゃんのかぶりもんを外してしまった。

「待て、千空。スイカは顔を見られたくはないと……」
「良く見やがれ顔にキズとかでも超絶ブサイクでもねぇよ。その2つだろうとも隠す必要ねぇがな」
「……」
 え、千空って人の容姿とか、気にしないんだ。
思わずそう感じてしまった。
私がいたマギの世界でも、あの人は美人だとか可愛いだとか、そういう話は嫌というほど聞いてきた。けれど千空は、人を見て最初に評価する場所が根本的に違う気がする。

「おおおおなんだ!スイカ!めっぽう可愛いじゃなあか…!」
『え、そんなに………………って、わぁ~!!!スイカちゃんかんわいいいっっ!!』
 な、なにこの子!?めちゃくちゃ可愛いっっ!!!
 だ、抱きしめたくなっちゃうくらい!!

「うっせーよ」
 背後から面倒くさそうな声が聞こえる。
もう、と千空とクロムの方へと振り返り、これは騒いでもおかしくないよ、と伝えようとすれば、クロムの表情が驚いた顔している。よくみればコハクも。スイカちゃんの方見て驚いているので、私を視線をスイカちゃんに、戻せば。あらびっくり
「どゆことだ!?」
『ス、スイカちゃんがしわくちゃのおばあちゃんに!?!?』 
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