迷宮攻略よりも文明復興の方が難しい

三ツ星レストランフランソワの開業に向け、食材集めを手伝うことになった。フランソワは石神村周辺の森や動物に最も詳しい識者の先生——スイカを呼び出し、スイカと共にフランソワのお手伝い開始だ。

スイカはやはり森に住む動物達に詳しく、イノシシの群れをすぐ発見した。罠を仕掛けて捕まえようと話していたが、コハクが大人のイノシシの見つけ。抱えて、私たちの元へやってきた。コハクの足元には小さなイノシシもいる。そしてイノシシ小屋が完成した。


肉は良いとして、トリュフを食材集めに必要としており、そのトリュフをどうやって探すのかと言うと、イノシシを使って探せるそうだ。
「私には科学には疎いですが、シェフで知らぬ者など。いない有名な逸話——トリュフの香りはイノシシの愛のフェロモンと成分が同じ。そのためイノシシは地中のトリュフを掘り当てることができるのです……!」
「!!……これが、黒い宝石トリュフ……!!!」
『おおおお!すご……い、!……て、イノシシが食べちゃったな……!?』
イノシシがトリュフをみつけたと思えば、そのままパックンチョしてしまった。
「はい。これですね、これやらかすからトリュフ探しにブタやイノシシは使われなくなったわけですね」
ははは、フランソワが白目むいてるよ…。

「大丈夫なんだよ、フランソワ!スイカとチョークの名探偵コンビに任せるんだよー!」
「ワン!!」
「犬のチョークが今の土の臭いを辿れば……」
ふんふんと土の臭いをかぎ、進んでいき、地面を掘り出し、私たちは今度こそトリュフを手に入れた。




 


 
「トリュフも見つけてついにレストランのお料理できるんだよー!!」
「早速イノシシの牡丹肉のリエットを煮込みましょう!」
「??……このイノシシなぜか油の香りがしますね」
『うん?…………あ、本当だ。』
フランソワの隣でイノシシのにおいを嗅ぐと油臭いにおいがする。
「「「「煮込むなっーーーー!!!!」」」」
全速力でこちらへ駆けてくる千空達の姿が見える。あれ?お前ら石油探しに行ったんじゃなかったのかよ?
 
 と、いうのも相良油田の発見の経緯が野生のイノシシが泥遊びするらしく、あるイノシシが油くさいのが見つかって、放って追いかけたら発見したらしい。なのでこの油臭いイノシシを放って追いかければ見つけられるんじゃないか、とのことなので。

 スイカちゃんがイノシシに「泥遊びしてた遊び場に連れてってほしいんだよ!」と頼み、サガラと名前を付け、千空達と共に向かっていった。
あらら、スイカちゃん、あの子あの後食べるかもしれないのに大丈夫かな……?名前付けちゃって……。




  

『なぁ、フランソワ』
「なんでしょうか?アリババ様」
ちょうど私とフランソワが2人きりなので、カシムに関することをフランソワに聞いてみることにした。
   
『龍水から聞いたんだけどよ、……カシムのこと、フランソワも知ってるのか?』
「はい。カシム様は龍水様のご友人で、アリババ様のことをよくお話されてましたよ」
『!?、やっぱりフランソワも俺がカシムの友人だってわかってたのか…?会ったこともなかったのにどうして……?』
「カシム様は、アリババ様を"太陽のようなお方"と仰っていました。そして――お会いになれば、きっとお分かりになると、」
『!、そうだったのか…』
それで分かったというのか…。


  
*** 
石油を手に入れた千空達。無事にみつけられたのだろう。
「お手柄なんだよ、サガラーーー!!!」
ハッとした表情を浮かべるスイカ。
「でもフランソワが料理しちゃうんだよ。このあとは……」
「………」
しょぼんと落ち込んでいる様子のスイカを見つめている千空。もしや……。
「フランソワ!シェフ様のご意見聞かせろ。食うべきか?そこのイノシシ」
「いえ、油くさくて不向きですね。染みついてしまっております。」
「だとよ、捨てるも連れ帰るも好きにしろ」
「よよ良かったんだよ!友達になれるんだよー!!」
『良かったな。……スイカちゃん』
千空のさりげない優しさに気づき、バレないようスイカちゃんを眺めながら一人で口元を緩めていると、不意に横から視線を感じた。
『なんだよ。……千空』
「なんでもねぇよ」
『なんでもないって顔してないと思うんですけど。気持ち悪ぃなコイツって顔してたよな!?!?』
「うるせぇよ、騒がしいんだよテメーは」
そう言い捨てると、千空はくるりと背を向け、そのまま羽京さんのもとへ歩いていった。
『は?』
 
「成果を上げたヤツには見返りがねぇと士気が上がんねぇからな」 
「だね。……本当にそんな理由?」
「あ"?それ以外何があんだよ」 



 
『ふっ、はは……素直じゃない奴だな。』
ぶっきらぼうだけど、優しい。そこに惹かれるやつがいる。だから千空のことを支えてくれるやつがたくさんいるんだ。ゲンも好きとか言ってたしな。


***

モーターボートで海にでてみることになった千空達は、ケータイの電波を地上の灯台を使い、たれ流す。そしてルリとクロムが電話で会話していれば、ザザァーと雑音が入り、膨大な電波によるモールス信号で、"W、H、Y"と同じ信号を繰り返していた。つまり"WHY(何故)"を繰り返すだけ繰り返し、千空がカマかけ煽りは無視され、そのままモールス信号も切れ、連絡が途絶えた。

「うむ。船頭多くして船山に登る。対処の中の連中に任せるべきだ。実際こ現場に立ち会った——恐らくは化学王国で最も切れ者の"五知将"に……!!」
『クロム、龍水、千空、羽京さん、ゲンの五人のことか……』
「いや——クロムは微妙なところだが、頭はいいのだが、性格的にチョロいからな」
「チョロくねーよ!!!」
「そういうとこだぞ」
『五知将かぁ、……八人将みたいだ』
「……アリババ、八人将とはなんだ?」
私の独り言を聞いたコハクは、不思議そうな表情を浮かべている。
「私がいた世界には、"シンドリア"という国があってな、そこには八人の守護神がいて、その人たちのことを八人将って呼んでたんだ」
「!、そうか……アリババのいた世界は、やはり私たちの世界とは大きく違うのだな」
ゲンの言う通りだった。…もうコハクは信じてくれている。
『そうだな。だけど、——世界が違っても人は変わらない。皆助け合って生きてるんだ』 
「フッ、…ああ」
元気にしてるかな、アラジン達。 
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