迷宮攻略よりも文明復興の方が難しい
漫画家事件も過ぎ、例の優雅に過ごす男性と最近よく目が合うな、と思っていれば、とうとう話しかけられた。
「俺は七海龍水だ!。貴様の名前は?」
『私はアリババだ!よろしくな龍水!!』
「アリババ、……貴様のファミリーネームは?」
『え?サルージャだけど』
「そうか。貴様がカシムの親友なのか!ハッハハ!アリババ、貴様が欲しいっ!!!!」
そう言い、パッチンとフィンガースナップを決めた男。
『〜っ、ばっ、っっかじゃねぇのか!?!?ひ、人のことを急に欲しいだなんて……!!!!」
な、なんなんだコイツ!?思わず大きな声出してしまったじゃないか……!!"欲しい"なんて、初対面で言う台詞かよ……!? 前の世界でも——アリババ殿、貴方が欲しい!—と白龍に言われたことがあったが、あっちは二人きりだったから良かったけど、今現在めちゃくちゃ色んな人に見られてるぞ!?後悔処刑じゃねぇか!?
思わず頬に熱が集まり、龍水の顔をまともに見られないでいれば、そっと私の肩に手を置く人物が。
「アリババちゃん!、龍水ちゃんの欲しいは気にしなくていいからね!?」
『ゲ、ゲン…!』
き、救世主…!!
「はいはい」
ゲンに背中をポンポンと優しく叩かれる。そっか、口癖みたいなもんなのか、そうゲンに言われると冷静になる。
頬の熱はおさまる。ふと、龍水は先程私のファミリーネームを聞いたあとにカシムと言わなかったか……!?
『カ、カシム!?!?』
***
司帝国との闘いも終わり、今は船造りで慌ただしい日々だ。
「…そろそろ、アリババちゃんともちゃんと話した方がいいかな」
最近、司帝国に「ジーマでとんでもなく美しい美少女がいる」という噂が流れていた。そんな話を耳にすれば、真っ先に思い浮かぶのは一人しかいない。
そう考えた俺は、彼女を探してあちこち歩き回っていた。その時だった、
『〜っ、ばっ、っっかじゃねぇのか!?!?ひ、人のことを急に欲しいだなんて……!!!!』と離れた位置からでも響き渡る大声。
聞き覚えのあるその声に慌てて駆けつけると、顔を真っ赤にしたアリババちゃんが立ち尽くしていた。そして、その正面には腕を組み、不思議そうな顔を浮かべる龍水ちゃん。
「あーなるほどね」
2人の様子を見て、一瞬で状況を理解する。
龍水ちゃんの口癖ともいえる「欲しい」が、どうやらアリババちゃんには別の意味に聞こえてしまったらしい。 しかも、あれだけ大声を出したせいで周囲の視線が一斉に集まり、元々赤かったアリババちゃんの顔は更に耳まで真っ赤に染まっていく。
俺はそっとアリババちゃんの肩に手を置いた。
「アリババちゃん! 龍水ちゃんの"欲しい"は気にしなくていいからね!? 誰にでも言うから!」
その瞬間、アリババちゃんがこちらを振り向く。その表情はまるで、
"救世主…!!"とでも言いたげな表情だ。
少しでも落ち着けるよう、以前お酒に酔ってしまっていた時と同じように背中を優しくポンポンと叩く。
肩の力が抜けて、落ち着いたかと思えば、
今度は『カシム!?!?』と大声を出していた。
周囲を見渡せば、船造りの手を止めた人たちが揃ってこちらをガン見している。
「とりあえず皆動き止めちゃってるからさ〜、別の場所でお話しよっか!?」
『……龍水。お前カシムと知り合いなのか!?」
「ああ!そうだ」
『どうして俺のことを…!カシムはなんて…!?』
混乱しているのかアリババの声は震え、言葉は途切れ途切れだ。
「貴様が異世界出身で、カシムと親友であることは知っている」
『!』
ピクリと体が反応するアリババ
「カシムはいつも貴様との話をしていた。……アリババが光だったと。違うことを受け入れてそれぞれの場所でそれぞれの人生を精一杯生きていれば良かった、とな」
『カシム……』
アリババが名を呼ぶ声はひどく切ない。その様子から、カシムという人物は死去しており、二度と会えない存在なのだろう。
『なぁ』
「なんだ?」
『カシムは今も元気か?』
「……カシムは、18歳の時に心臓病で亡くなった」
その一言が、アリババの胸に刃のように突き刺さる。
運命とは、どうして残酷なのだろう。
再び繋がることができたと思ったその瞬間、もう二度と会えないという現実だった。
「俺は七海龍水だ!。貴様の名前は?」
『私はアリババだ!よろしくな龍水!!』
「アリババ、……貴様のファミリーネームは?」
『え?サルージャだけど』
「そうか。貴様がカシムの親友なのか!ハッハハ!アリババ、貴様が欲しいっ!!!!」
そう言い、パッチンとフィンガースナップを決めた男。
『〜っ、ばっ、っっかじゃねぇのか!?!?ひ、人のことを急に欲しいだなんて……!!!!」
な、なんなんだコイツ!?思わず大きな声出してしまったじゃないか……!!"欲しい"なんて、初対面で言う台詞かよ……!? 前の世界でも——アリババ殿、貴方が欲しい!—と白龍に言われたことがあったが、あっちは二人きりだったから良かったけど、今現在めちゃくちゃ色んな人に見られてるぞ!?後悔処刑じゃねぇか!?
思わず頬に熱が集まり、龍水の顔をまともに見られないでいれば、そっと私の肩に手を置く人物が。
「アリババちゃん!、龍水ちゃんの欲しいは気にしなくていいからね!?」
『ゲ、ゲン…!』
き、救世主…!!
「はいはい」
ゲンに背中をポンポンと優しく叩かれる。そっか、口癖みたいなもんなのか、そうゲンに言われると冷静になる。
頬の熱はおさまる。ふと、龍水は先程私のファミリーネームを聞いたあとにカシムと言わなかったか……!?
『カ、カシム!?!?』
***
司帝国との闘いも終わり、今は船造りで慌ただしい日々だ。
「…そろそろ、アリババちゃんともちゃんと話した方がいいかな」
最近、司帝国に「ジーマでとんでもなく美しい美少女がいる」という噂が流れていた。そんな話を耳にすれば、真っ先に思い浮かぶのは一人しかいない。
そう考えた俺は、彼女を探してあちこち歩き回っていた。その時だった、
『〜っ、ばっ、っっかじゃねぇのか!?!?ひ、人のことを急に欲しいだなんて……!!!!』と離れた位置からでも響き渡る大声。
聞き覚えのあるその声に慌てて駆けつけると、顔を真っ赤にしたアリババちゃんが立ち尽くしていた。そして、その正面には腕を組み、不思議そうな顔を浮かべる龍水ちゃん。
「あーなるほどね」
2人の様子を見て、一瞬で状況を理解する。
龍水ちゃんの口癖ともいえる「欲しい」が、どうやらアリババちゃんには別の意味に聞こえてしまったらしい。 しかも、あれだけ大声を出したせいで周囲の視線が一斉に集まり、元々赤かったアリババちゃんの顔は更に耳まで真っ赤に染まっていく。
俺はそっとアリババちゃんの肩に手を置いた。
「アリババちゃん! 龍水ちゃんの"欲しい"は気にしなくていいからね!? 誰にでも言うから!」
その瞬間、アリババちゃんがこちらを振り向く。その表情はまるで、
"救世主…!!"とでも言いたげな表情だ。
少しでも落ち着けるよう、以前お酒に酔ってしまっていた時と同じように背中を優しくポンポンと叩く。
肩の力が抜けて、落ち着いたかと思えば、
今度は『カシム!?!?』と大声を出していた。
周囲を見渡せば、船造りの手を止めた人たちが揃ってこちらをガン見している。
「とりあえず皆動き止めちゃってるからさ〜、別の場所でお話しよっか!?」
『……龍水。お前カシムと知り合いなのか!?」
「ああ!そうだ」
『どうして俺のことを…!カシムはなんて…!?』
混乱しているのかアリババの声は震え、言葉は途切れ途切れだ。
「貴様が異世界出身で、カシムと親友であることは知っている」
『!』
ピクリと体が反応するアリババ
「カシムはいつも貴様との話をしていた。……アリババが光だったと。違うことを受け入れてそれぞれの場所でそれぞれの人生を精一杯生きていれば良かった、とな」
『カシム……』
アリババが名を呼ぶ声はひどく切ない。その様子から、カシムという人物は死去しており、二度と会えない存在なのだろう。
『なぁ』
「なんだ?」
『カシムは今も元気か?』
「……カシムは、18歳の時に心臓病で亡くなった」
その一言が、アリババの胸に刃のように突き刺さる。
運命とは、どうして残酷なのだろう。
再び繋がることができたと思ったその瞬間、もう二度と会えないという現実だった。
