迷宮攻略よりも文明復興の方が難しい

 


 「クククいよいよ科学王国VS武力帝国。全面戦争か……!!!!」
「あの長髪男のような尋常でなく強い男が大勢来るのか!?」
「まぁそうね、ガンガン石化といてるね」
「でもジーマーでヤバいのは司ちゃんとこないだ起こした氷月ちゃんてのの2人かな。もし今そのどっちかでも来ちゃったら」——ぶっちゃけ逃げるしかないの全員で








「ハハハ一本道で槍相手に剣で勝ち目あると思うほど脳が溶けてるとは!原始人のほうがちゃんとしてるじゃないですか!」

『………………え、?』
ふと遠くから聞こえた聞き覚えのある声に反応してしまう。
「みんなー!敵だよおおおお!!!!」
ポヤポヤする頭でゲンと千空の話を聞いていれば、門番していた銀狼が大声で叫ぶ。
声が聞こえた方へと視線を向ければ金狼が橋から落とされそうになっている。
 私はフラフラと近寄る。

「お、おい!!アリババ!!」
「なにやってんの!?」


 
『……ユナンさん、ですか?お久しぶりですね!!』
「は?誰ですか君」
『な、何言っちゃってるんですかー!俺ですよ!俺、アリババです!』
ユナンさんの元へ近付けば、「誰だお前(意訳)」と言われてしまった。それに何故そんな原始的な格好を……?
『ユナンさん……いつもの全身緑色の服装は?』
「だから、貴方は誰ですか?」
「やめろ、アリババ……!コイツは強い、!」
やめろ?なんの事だろうか、……!って、
『ぎ、金狼!?どうしたんだよその怪我!?』
 落とされそうになっているだけかと思えば怪我までしているのか!?金狼を助けようとすれば、背後から音が響く。

「一旦引いて氷月ちゃんたち!この村ね銃が完成しちゃってる……!!」
「!?」
「ククク司に伝えろ。石神千空は生きてる!!」
「科学の力で銃を100億丁ほど完成させたってな……!!!」



 そうして去っていった。ユナンさん…?にそっくりな人。あれ、あの人ユナンさんじゃないような……???
「金狼がああ死んじゃったぁぁあああ〜」
「い……、生きてるぞ、まだ…」
「勝手に殺すな銀狼」
『よ、良かった!!銀狼……!』
 コハクと共に引きずりあげた銀狼に解熱鎮痛剤を飲ませて、傷口にサルファ剤をぶっかけている千空。
『ざ、雑……』
「おい、アリババテメー後でこい」
『?うん』
ポヤポヤしていたのは治ったみたいだ。(酔いが覚めた)

 
 





 
  
「…………おいアリババ。テメー、自分が何やったかわかってんのか?」
『え?』
「敵襲だっつって全員が警戒してる最中に、フラフラ前出て敵に話しかけやがって。しかも酔っ払ったまま知り合いと勘違いとか、正気か?」
『だ、だってユナンさんにそっくりで……』
「そっくりなら何だ。もしアイツがその場で槍でも投げてきてたらどうなってた?」
『うっ……』
「金狼は怪我してる。そんな状況でテメー1人の勘違いのために全員を危険に晒すな。」
『ごめんなさい……』
 
「ま、まぁアリババも反省してるみたいだし……!!」
千空に怒られてしまったよ…。しばらくお酒は控えようかな。







 次の日、ユナンさ……じゃなくて、氷月とやらの攻撃を受けた金狼は完璧に治り(治ってない)。眼鏡を作ってもらっていた。スイカちゃんも新調してもらったようだ。可愛い。
 次に司帝国の敵達がやってくるのは火縄銃が使えない嵐の日だろう。と話していた。その間に新しいモノ作りでもするのだろう。一体何を作るのだろうか。
まぁ、その嵐も3日後にやってきた。
 





 
3日後、橋の上に一人で立つ囮である千空。敵がわらわらと千空の元へ集まれば、隠れていたコハク、金狼、銀狼、コクヨウ、マグマが刀を持ち、攻撃を仕掛ける。
——そう、新しい科学の武器は日本刀だ。




皆が、いるから正面は大丈夫だろうと、後ろを振り替えれば、村に火をつけている人物がいるじゃないか…!?くっそ、完全に安心していた…!!。
 
『か、火事だっ!!!!!!!』
 私が大声で叫べば、皆焦ったように村の外のへ逃げ出す。
「やべー!!!」
「子供たちの居住区が……!!」

 「邪魔…」
 目の前には放火犯がいるが、彼女を捕まえていたら逃げおくれた子供が助けられない。
『チッ…』
放火犯である桃色の髪の女を睨みつける。


「わぁあああっ!?」
『!、危ないっ!!!』
崩れた建物の一部が轟音とともに落ちてくる。
咄嗟にに下敷きになりかけていた子供を抱きかかえ、その場から飛び退いた。


『大丈夫……?』
「ありがとう…お兄ちゃん……!!」
『うん?』
 キラキラとまるで童話の王子様でも見ているかのような目をしている女の子。咄嗟にお姫様抱っこをしてしまったから私を男だと勘違いしてしまったのだろうか?
 
まあ、そんなことは後でいい!住人皆を避難させなければ。
『科学倉庫には行ける…?』
「ううん!行けない!」
『へ?』
「だって私が行けるって行ったらお兄ちゃんは炎のところ行っちゃうでしょ!?ダメだよ!!!」 
『!、…大丈夫だよ。絶対戻ってくるから!』
「うん…!」
女の子の頭を優しく撫で、あっちだよと、科学倉庫の方向を指差し、まだ炎の元にいる住人達を避難させるのを手伝った。








 

「建物などまた作ればよい!一人の犠牲者も出さずに
 輩を撃退した!我々石神村の完全勝利だ!!!」
 
オオオオと歓声があがる。良かった、死人が誰もでなくて…。

「スイカの大金星だな!」
「全く無茶するわい」
「つっても今度は司ちゃん直々に大軍で来るよ、どうすんの?」
「座して待つのか!?」
「いや、先制攻撃する。楽しい科学の発明品でな」
「現代戦はこれを制した奴が勝つ。人類200万年最強の武器だ」
『……(どうしよう、核兵器しかでてこないや。多分千空のことだから違うんだろうけど)』




私の想像していた斜め上をいく千空は、「ケータイを作る!」と宣言した。

 うわ、ゲンの顔すごいことになってるよ。「バカじゃないの…???とんでもないこと言い出しちゃったこの人」とでも思っていそうだ。
 



初っ端からケータイを作るのかと思えば、わたあめ機を作るらしい。
 なぜ曖昧な言い方をしているかと言うと、私が話に加わっていないからだ。
 理由は、
「アリババお兄ちゃん!」
『あのね、すずちゃん……私お兄ちゃんじゃないよ?』
「ううん!アリババお兄ちゃんはすずの王子様なの!だからお兄ちゃんなの!」
『…そっかー!』
火事の際に助けた女の子——すずちゃんに懐かれてしまったからだ。 コハク達もすずちゃんのことは普段大人しい子でわがまま言わない子なんだ。と。
私が科学研究室に向かえばすずちゃんもついてきてしまう。子供が触ったら危ないモノもあるので、近寄りたいのだが、中々そばに行けない。
 うーん、子供と一緒に手伝えること手伝えばいいかな。保護者担当として!


 
後、千空に伝えておかないと。
放火犯である女にずっと監視されていると。






すずちゃんがわたあめに夢中になってる隙に千空に話しかれば、 
「ああ知ってる」
『!?』
「放火犯じゃなくてほむらな」
あまりにもあっさりとした返答に、私は思わず固まった。
『知ってるの!?』


  
「…………ゲン。ほむらっつうのはどういうタイプの女か分かるか?」
私との話を中断し、ゲンの元へと近づく千空。 
「なにー千空でも女の子のこと気になっちゃったりするのぉー?へーああいう小柄な子がタイプぅー?」
 銀狼が千空をからかっているが
「いやそういう話じゃねぇと思うぞ」
「君らは千空を知らなさすぎる」
 クロムとコハクは何故そんなに渋い顔してるんだよ!?
  
「監視されてんだよ俺ら全員。あのほむらっつう女にな」
『それさっき私が言ったのに……』
「だろうね〜氷月ちゃんが信用してんのあの子だけだから」
「うええええ今もずっと!?」
「そりゃそうだろ。大きな動きがあったらソッコー分かるくらいの距離でだ。万が一俺らが全員でどっかに逃げても追えるようにな」
「ほむらちゃんは氷月様超絶リスペクトだから監視!って言われたら絶対守るタイプだね。だからほっといても悪さなしないけど、裏切らせるとかもさすがにリームーかな〜」 
「……アリババ。ほむらのいる場所分かるか?」
『いや。さすがにそこまでは分からない』
ファナリスであるモルジアナだったらわかったんだろうか。恐らく千空はほむらにわたあめでもあげるつもりなのだろうか。



「?……アリババお兄ちゃん!わたあめ食べようよ!」
『ありがとうすずちゃん』
「えへへ」
 にこりと笑みを浮かべれば、照れたようにぽぽぽと頬を赤く染めるすずちゃん。
 可愛いな。スイカちゃんもだけどすずちゃんも癒し枠だわ……。
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