迷宮攻略よりも文明復興の方が難しい
マグマ対金狼の勝負の結果はマグマの勝利だった。
いつの間にか戻ってきていたスイカちゃんが自身の被っている被り物を金狼の元へ飛ばし、視界がハッキリと見えるようになった金狼がマグマを追い詰めたが、スイカの仮面はルール違反じゃないのかと、審判の元へ確認にしに行った金狼の背後からマグマが攻撃をしかけ、よって金狼が倒れてしまい。マグマの勝ちとなった。
ちなみに私はスイカちゃんが帰ってきてから、コハクを探しに行ったので、戻ってきた時には全てが終わっていた。南無…金狼よ。私がマグマに当たったらボッコボコにするからな…!!!
そうしてコハクちゃんを呼び戻したが、第3試合がはじまってしまい、コハクちゃんが急いで走ったが間に合わず、欠場になってしまい、千空が勝利となった。
続いては、銀狼とアルゴとの対決となった。
銀狼は前から思っていたが思い込みの激しい子なのだろう。ボロボロになりながらもモゴモゴと何か喋っているが聞き取れない。その後対戦相手を場外に落とし、水の中へ落ち、銀狼の勝利となった。
あとは、マグマを倒せば残りは私達科学王国の一員なので安心だろう。よかった。
次はマグマ対クロムだ。
クロムが一方的にボコボコにされ、負けてしまうんじゃ……!?と焦っていればマグマの前にボロボロになったスイカのかぶりものを突きつけるクロム。
狙いは、スイカメガネのレンズでマグマの黒い服に、着火しようとしているようだ。
だが、
「クロム、着火できんのは凸レンズだ!メガネの凹レンズじゃ光は集まんねぇ……!!」
え、それヤバいんじゃ……!?
「心配すんな千空先生。これでも俺も科学使いの端くれだ。気付いてたぜ」
「クロムテメー、……まさか!!」
先程スイカマスクの上から凹レンズになった汗と涙で水を張って、着火用の凸レンズを作りだしたようだ。
「でもそんなんで火とかついちゃうの?ジーマーで」
「ああ収斂発火っってな吸盤+空気の凸レンズで決まった火事になったことすら……!、」
「あさぎりゲン……!!」
「ペラペラ男、なぜここに……!!」
『ゲン…!』
「いやまあ俺の近況報告より今はホラ、クロムちゃんのことじゃない?科学王国には勝ってもらわないと俺もさコーラがかかっちゃってっからね〜」
「ククク、ちーっと前から見てやがったなこの野郎」
「クロムちゃんの着火に何秒要る?そこ肝だね」
「何気にシャレんなってねぇんだ。計算がよ。今ソッコーで出してる」
そうして人差し指を1本あげ、考えるポーズ(?)をはじめた千空さん。
「60秒ジャストだな」
「オッッケ〜こっからはメンタリストの仕事だね……!!」
そう言ったゲンは、高いところに登り、マグマに話しかけた。
「マーグマちゃーん」
「!?」
「こないだはどうも、殺してくれてありがとう」
「お、……お前よそ者妖術使い!!」
「ななななんで生きてるんでしょ〜????」
「そりゃあもちろん妖術だよ」
ニッコリ笑みを浮かべたゲンは上空に花を撒き散らした。
「!、」
「マグマちゃんに今1歩でも動くと心臓が爆発する妖術かけちゃったよ〜」
「!?」
ざわつく周囲に、「外野の妖術攻撃だろ、これは!反則じゃ…」と焦るマグマ。
「爆発したらそうだろうな。でもハッタリならただのヤジだ問題ねぇだろ??……試しに動いてみりゃいいじゃねぇか 、爆発すっかどうか 」
「ぐ…」
「クロムちゃん!マグマが動けない今のうちに倒しちゃいなよ!」
「……?、!だ、だめだおれ、こしがぬけてもううごけねぇ」
「なななんというクロムの猿芝居」
「クククまぁいけんだろ。ゲンの方の迫力でな」
「頼む…よ、早く!!この妖術ジーマーで妖力使うから1分しか止めらん……ない…」
「ムハハハハ!!クロムお前が腰抜けで助かったぜ!このまま妖術使いが力尽きるまで黙って待てば済む話だ!!」
『メンタリストってこんなことまでできちゃうのすごすぎる……』
ゲンは敵に回したくないな。心理戦とか絶対負ける自信あるよ……。何て思案していれば。千空が「はたけ」と隣で小さな声で呟いていた。
マグマは服をはたき、服が一気に火がつき、燃えた。言葉通りマグマ(の服)が燃えた。
「ぐおああああ!?!?」
「表面フラッシュ現象だ。毛羽だった服の表面を一気に火が走る」
『な、なるほど…』
「おうマグマ、安心しろ。こっちは人殺する気はねぇ、超優しく助けてやるよ」
そう言ったクロムは良い笑顔で股間に一撃を決め、マグマは場外へと出て、そのまま水の中に落ちた。
「勝者クロム!!!!」
歓声が響く。ある意味クロムのしたことって下克上だよね、すごいぞクロム。
『クロムってば優しいな。マグマ(の服)が燃えて可哀想だから水の中に落としてやったんだな!』
「いや、アリババ。そうじゃない気がするぞ」
***
「やったぁあああ!!!」
「マグマ撃破ー!!!!」
残りは千空、クロム、銀狼と私だけだ。
スイカちゃんとコハクが「もう味方しかいないんだよ!」「ああ…!!」と会話しており、私のことも仲間認定してくれたんだな、と思うと胸の奥がじんわりと温かくなった。
ほんの少し前まで、私はこの世界の部外者だったはずなのに、認めてもらえたような気持ちになった。
「とりま俺は村からでとくよ~、出場権でもないよそ者がいたら門番の金狼ちゃん的にアレでしょ?」
「!、そういえば…」
「御前試合のお祭り騒ぎでウヤムヤになっちゃっとるの」
「村を完璧に掌握しちゃったあとでっつうことでね、千空ちゃん」
「…ああ」
続いての試合は、私対銀狼だ。先程、銀狼がルリさんとお話してからなんだか様子が変だ。何かあったのだろうか…?
「アリババVS銀狼、両者前へ——」
次の瞬間、銀狼が本気で私に襲いかかってきた。
とりあえずそこまで強くないフリをしつつ、攻撃をそれとなくよける。
『ちょ、銀狼!?どうしたんだよっ?』
「だってルリちゃんが、誰でもいいって言うからさぁ、だったらマジメに闘わなきゃ!これ僕あるんじゃない?村長??来ちゃったんじゃな~~い?僕の時代!?」
この人まだ、カフェイン抜けてないんじゃないか??ちょっとというかかなりテンション高くないか!?
「ぎ、銀狼貴様……!!」
「ゲスすぎる…」
コハク、私も同意だよ…。というか銀狼のやつ私と闘ってること頭から抜けてるよな…?
「僕か長になってぇ、毎日ラーメン食べ放題の村にしちゃうよう!!あとハーレム僕だけじゃ悪いから皆ハーレム!……えっととにかくなんかスッゴいイイ感じの村にしちゃうよう!!」
銀狼のはてしなく、ろくでもない言動を目のあたりにして その時村人たちのこころはひとつになった。
——あっこれ長とかにしちゃだめなやつだ。と。
「本人に悪意がないぶん、ある意味マグマよりタチ悪いの」
「ここで倒すしかない!いけ!アリババ!!」
「そうだ!アリババ、お前が勝ってくれよっっ!!!」
「いけー!アリババ!!」
『よし、やるか。』
銀狼の動きはアリババが元の世界で手にした超集中力のおかげで、銀狼の次の動きが手を取るようにわかる。
ちなみに超集中力とは世界がゆっくり動くように見える視界のことだ。そのためこの能力を通じて素早く速読をしても目に全部身につけることができ、対象者の動きがゆっくり見えるため、相手と戦うことにも非常に有利な能力だ。本当チートだと思う。この能力だけは残ってて感謝してる。
銀狼の攻撃を避けつつ、まぐれでアリババの一撃が何度か当たったように見せかけ、 ふらりと倒れた銀狼と、
「ウッ……」
『はぁ、……っ強いな銀狼は!』
俺も疲れてますよアピールをしておく。
「銀狼撃破ー!アリババ決勝進出!!」
わぁああああと歓声があがる。皆、そんなに銀狼が、長になるの嫌だったんだな。…闘ってる最中にも村の住人から応援されてたし。
「なんだか村の皆が一つになったんだよ……!?、もしかして銀狼はこれを狙ってわざと悪役に…」
「「「それはない」」」
「結果オーライなだけじゃ」
「おぅ、やったぜ、これでカンペキに科学王国になって——、ルリを助け……られ、る…」
意識をそのまま失ってしまったクロム。
様子を見に行こうとすれば、
『お、おいクロム大丈、——』
「あのぉ、アリババさんって外から来たんですよねぇ?」
『え"?』
「かっこよかったですぅ~!!!」
「近くで見てもイケメン~!」
『ははは、ありがとう(一体どゆこと!?!?)』
村の住人であるキラキラ三姉妹に捕まってしまい、なんとか離れてみれば、
倒れたクロムに話しかけている様子の千空。
「あとは、これで俺がわざと負けりゃクロム、テメーがルリと結婚して村長だ、クククめでたしめでたしの大団円じゃねぇか!」
「えーとクロムは気絶しちゃってるんだよ…」
「ルリ姉が助かると分かってめっぽう安心したのだろうな。……では決勝戦はアリババと千空か!」
審判の人青ざめてるな、気づいちゃったか、どっちが勝っても負けても村の部外者が長になろうとしていることに。
よし、次は棄権しよう。きっと千空もそうするだろう。私は女だから長にはなれないけど、千空は男だからなれるはずだ。
「アリババVS千空、両者前へ——」
「きけ、——」『この試合棄権します!』
「!」
『…』
そりゃあそうなるよなぁ~。
私は審判のそばにそっと近づき
『あの、実は私女なんですけど、私がこのまま勝ってしまうとルリさんとは結婚できないので……』
恐る恐る耳打ちすると、審判のおじさんは一瞬固まった。
「……は?」
『いや、その、だから長にはなれないんです。ルール的に』
おじいさんの顔色がさらに悪くなる。ちらりと千空を見ると、彼は額を押さえて盛大にため息をついていた。
村人たちがざわつき始める。
「女?」
「え、女だったのか?」
「じゃあ長になれねえのか?」
「女!?…あんなにイケメンなのに!?」
「………………新しい村長、巫女様の夫となる者は、優勝者千空…!」
「ん?????」
困惑してる千空の顔結構レアな気がする。
とりあえず千空と肩を組む
『オメデト~!千空!』
肩を組めば、千空は無言で私の腕を払いのけ、一歩距離を取る。
「テメーが余計なこと言わなきゃ済んだ話だろ」
『いやいや、女なの黙って結婚する方が問題でしょ』
「だからってなんで俺に飛び火すんだよ」
『運命?』
「運命?そんなもん科学的根拠ねえよ」
私達の世界からしてみればそれって運命みたいなもんなんだよなー。
「あ"~めんどくせぇことになりやがった。ともかく俺がルリと結婚すりゃ、村丸ごとゲットできんだな??……じゃあするわ」
『…!』
え、!?千空が結婚した……!?!?
いつの間にか戻ってきていたスイカちゃんが自身の被っている被り物を金狼の元へ飛ばし、視界がハッキリと見えるようになった金狼がマグマを追い詰めたが、スイカの仮面はルール違反じゃないのかと、審判の元へ確認にしに行った金狼の背後からマグマが攻撃をしかけ、よって金狼が倒れてしまい。マグマの勝ちとなった。
ちなみに私はスイカちゃんが帰ってきてから、コハクを探しに行ったので、戻ってきた時には全てが終わっていた。南無…金狼よ。私がマグマに当たったらボッコボコにするからな…!!!
そうしてコハクちゃんを呼び戻したが、第3試合がはじまってしまい、コハクちゃんが急いで走ったが間に合わず、欠場になってしまい、千空が勝利となった。
続いては、銀狼とアルゴとの対決となった。
銀狼は前から思っていたが思い込みの激しい子なのだろう。ボロボロになりながらもモゴモゴと何か喋っているが聞き取れない。その後対戦相手を場外に落とし、水の中へ落ち、銀狼の勝利となった。
あとは、マグマを倒せば残りは私達科学王国の一員なので安心だろう。よかった。
次はマグマ対クロムだ。
クロムが一方的にボコボコにされ、負けてしまうんじゃ……!?と焦っていればマグマの前にボロボロになったスイカのかぶりものを突きつけるクロム。
狙いは、スイカメガネのレンズでマグマの黒い服に、着火しようとしているようだ。
だが、
「クロム、着火できんのは凸レンズだ!メガネの凹レンズじゃ光は集まんねぇ……!!」
え、それヤバいんじゃ……!?
「心配すんな千空先生。これでも俺も科学使いの端くれだ。気付いてたぜ」
「クロムテメー、……まさか!!」
先程スイカマスクの上から凹レンズになった汗と涙で水を張って、着火用の凸レンズを作りだしたようだ。
「でもそんなんで火とかついちゃうの?ジーマーで」
「ああ収斂発火っってな吸盤+空気の凸レンズで決まった火事になったことすら……!、」
「あさぎりゲン……!!」
「ペラペラ男、なぜここに……!!」
『ゲン…!』
「いやまあ俺の近況報告より今はホラ、クロムちゃんのことじゃない?科学王国には勝ってもらわないと俺もさコーラがかかっちゃってっからね〜」
「ククク、ちーっと前から見てやがったなこの野郎」
「クロムちゃんの着火に何秒要る?そこ肝だね」
「何気にシャレんなってねぇんだ。計算がよ。今ソッコーで出してる」
そうして人差し指を1本あげ、考えるポーズ(?)をはじめた千空さん。
「60秒ジャストだな」
「オッッケ〜こっからはメンタリストの仕事だね……!!」
そう言ったゲンは、高いところに登り、マグマに話しかけた。
「マーグマちゃーん」
「!?」
「こないだはどうも、殺してくれてありがとう」
「お、……お前よそ者妖術使い!!」
「ななななんで生きてるんでしょ〜????」
「そりゃあもちろん妖術だよ」
ニッコリ笑みを浮かべたゲンは上空に花を撒き散らした。
「!、」
「マグマちゃんに今1歩でも動くと心臓が爆発する妖術かけちゃったよ〜」
「!?」
ざわつく周囲に、「外野の妖術攻撃だろ、これは!反則じゃ…」と焦るマグマ。
「爆発したらそうだろうな。でもハッタリならただのヤジだ問題ねぇだろ??……
「ぐ…」
「クロムちゃん!マグマが動けない今のうちに倒しちゃいなよ!」
「……?、!だ、だめだおれ、こしがぬけてもううごけねぇ」
「なななんというクロムの猿芝居」
「クククまぁいけんだろ。ゲンの方の迫力でな」
「頼む…よ、早く!!この妖術ジーマーで妖力使うから1分しか止めらん……ない…」
「ムハハハハ!!クロムお前が腰抜けで助かったぜ!このまま妖術使いが力尽きるまで黙って待てば済む話だ!!」
『メンタリストってこんなことまでできちゃうのすごすぎる……』
ゲンは敵に回したくないな。心理戦とか絶対負ける自信あるよ……。何て思案していれば。千空が「はたけ」と隣で小さな声で呟いていた。
マグマは服をはたき、服が一気に火がつき、燃えた。言葉通りマグマ(の服)が燃えた。
「ぐおああああ!?!?」
「表面フラッシュ現象だ。毛羽だった服の表面を一気に火が走る」
『な、なるほど…』
「おうマグマ、安心しろ。こっちは人殺する気はねぇ、超優しく助けてやるよ」
そう言ったクロムは良い笑顔で股間に一撃を決め、マグマは場外へと出て、そのまま水の中に落ちた。
「勝者クロム!!!!」
歓声が響く。ある意味クロムのしたことって下克上だよね、すごいぞクロム。
『クロムってば優しいな。マグマ(の服)が燃えて可哀想だから水の中に落としてやったんだな!』
「いや、アリババ。そうじゃない気がするぞ」
***
「やったぁあああ!!!」
「マグマ撃破ー!!!!」
残りは千空、クロム、銀狼と私だけだ。
スイカちゃんとコハクが「もう味方しかいないんだよ!」「ああ…!!」と会話しており、私のことも仲間認定してくれたんだな、と思うと胸の奥がじんわりと温かくなった。
ほんの少し前まで、私はこの世界の部外者だったはずなのに、認めてもらえたような気持ちになった。
「とりま俺は村からでとくよ~、出場権でもないよそ者がいたら門番の金狼ちゃん的にアレでしょ?」
「!、そういえば…」
「御前試合のお祭り騒ぎでウヤムヤになっちゃっとるの」
「村を完璧に掌握しちゃったあとでっつうことでね、千空ちゃん」
「…ああ」
続いての試合は、私対銀狼だ。先程、銀狼がルリさんとお話してからなんだか様子が変だ。何かあったのだろうか…?
「アリババVS銀狼、両者前へ——」
次の瞬間、銀狼が本気で私に襲いかかってきた。
とりあえずそこまで強くないフリをしつつ、攻撃をそれとなくよける。
『ちょ、銀狼!?どうしたんだよっ?』
「だってルリちゃんが、誰でもいいって言うからさぁ、だったらマジメに闘わなきゃ!これ僕あるんじゃない?村長??来ちゃったんじゃな~~い?僕の時代!?」
この人まだ、カフェイン抜けてないんじゃないか??ちょっとというかかなりテンション高くないか!?
「ぎ、銀狼貴様……!!」
「ゲスすぎる…」
コハク、私も同意だよ…。というか銀狼のやつ私と闘ってること頭から抜けてるよな…?
「僕か長になってぇ、毎日ラーメン食べ放題の村にしちゃうよう!!あとハーレム僕だけじゃ悪いから皆ハーレム!……えっととにかくなんかスッゴいイイ感じの村にしちゃうよう!!」
銀狼のはてしなく、ろくでもない言動を目のあたりにして その時村人たちのこころはひとつになった。
——あっこれ長とかにしちゃだめなやつだ。と。
「本人に悪意がないぶん、ある意味マグマよりタチ悪いの」
「ここで倒すしかない!いけ!アリババ!!」
「そうだ!アリババ、お前が勝ってくれよっっ!!!」
「いけー!アリババ!!」
『よし、やるか。』
銀狼の動きはアリババが元の世界で手にした超集中力のおかげで、銀狼の次の動きが手を取るようにわかる。
ちなみに超集中力とは世界がゆっくり動くように見える視界のことだ。そのためこの能力を通じて素早く速読をしても目に全部身につけることができ、対象者の動きがゆっくり見えるため、相手と戦うことにも非常に有利な能力だ。本当チートだと思う。この能力だけは残ってて感謝してる。
銀狼の攻撃を避けつつ、まぐれでアリババの一撃が何度か当たったように見せかけ、 ふらりと倒れた銀狼と、
「ウッ……」
『はぁ、……っ強いな銀狼は!』
俺も疲れてますよアピールをしておく。
「銀狼撃破ー!アリババ決勝進出!!」
わぁああああと歓声があがる。皆、そんなに銀狼が、長になるの嫌だったんだな。…闘ってる最中にも村の住人から応援されてたし。
「なんだか村の皆が一つになったんだよ……!?、もしかして銀狼はこれを狙ってわざと悪役に…」
「「「それはない」」」
「結果オーライなだけじゃ」
「おぅ、やったぜ、これでカンペキに科学王国になって——、ルリを助け……られ、る…」
意識をそのまま失ってしまったクロム。
様子を見に行こうとすれば、
『お、おいクロム大丈、——』
「あのぉ、アリババさんって外から来たんですよねぇ?」
『え"?』
「かっこよかったですぅ~!!!」
「近くで見てもイケメン~!」
『ははは、ありがとう(一体どゆこと!?!?)』
村の住人であるキラキラ三姉妹に捕まってしまい、なんとか離れてみれば、
倒れたクロムに話しかけている様子の千空。
「あとは、これで俺がわざと負けりゃクロム、テメーがルリと結婚して村長だ、クククめでたしめでたしの大団円じゃねぇか!」
「えーとクロムは気絶しちゃってるんだよ…」
「ルリ姉が助かると分かってめっぽう安心したのだろうな。……では決勝戦はアリババと千空か!」
審判の人青ざめてるな、気づいちゃったか、どっちが勝っても負けても村の部外者が長になろうとしていることに。
よし、次は棄権しよう。きっと千空もそうするだろう。私は女だから長にはなれないけど、千空は男だからなれるはずだ。
「アリババVS千空、両者前へ——」
「きけ、——」『この試合棄権します!』
「!」
『…』
そりゃあそうなるよなぁ~。
私は審判のそばにそっと近づき
『あの、実は私女なんですけど、私がこのまま勝ってしまうとルリさんとは結婚できないので……』
恐る恐る耳打ちすると、審判のおじさんは一瞬固まった。
「……は?」
『いや、その、だから長にはなれないんです。ルール的に』
おじいさんの顔色がさらに悪くなる。ちらりと千空を見ると、彼は額を押さえて盛大にため息をついていた。
村人たちがざわつき始める。
「女?」
「え、女だったのか?」
「じゃあ長になれねえのか?」
「女!?…あんなにイケメンなのに!?」
「………………新しい村長、巫女様の夫となる者は、優勝者千空…!」
「ん?????」
困惑してる千空の顔結構レアな気がする。
とりあえず千空と肩を組む
『オメデト~!千空!』
肩を組めば、千空は無言で私の腕を払いのけ、一歩距離を取る。
「テメーが余計なこと言わなきゃ済んだ話だろ」
『いやいや、女なの黙って結婚する方が問題でしょ』
「だからってなんで俺に飛び火すんだよ」
『運命?』
「運命?そんなもん科学的根拠ねえよ」
私達の世界からしてみればそれって運命みたいなもんなんだよなー。
「あ"~めんどくせぇことになりやがった。ともかく俺がルリと結婚すりゃ、村丸ごとゲットできんだな??……じゃあするわ」
『…!』
え、!?千空が結婚した……!?!?
