今世は同級生でした。
夢小説設定
この小説の夢小説設定山本紅葉(未変換の場合)
・楓原万葉とは前世夫婦関係だった。今世ではただのクラスメイト(?)になってしまった
・顔が万葉と似ており、血縁関係がないのにそっくり。
・仲の良い友人には幸せそうに笑うとよく言われる
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『紅葉の髪は綺麗でござるな』
『そうかな?』
『絹の様に滑らかで美しい』
『…そりゃあ手入れしてるからね』
「さよなら」
シャキンとハサミの音が耳元に響く。長い長い髪が床に落ちた。
***
「おは………えっ!?万葉が2人!?」
「私、紅葉だよ!」
「ああ、紅葉か…ってえ?髪の毛切ったんだ!?」
「うん。もしかして似合わない?」
「いや、似合ってるけど…」
口をモゴモゴさせ言いづらそうにしている、アンバー。もしかして、
「楓原くんと似すぎてるから?」
「う、うん。……更にそっくりになったね」
「あはは、たまには短いのもありかな、って」
「いいと思う!」
そう。私は腰まであった長い髪を短くしてショートカットにしたのだ。元々似ていたのが更に似てしまったか。ショートカットにしたのなんて前世含めて生まれて初めてかもしれない。後で空くんにも見せに行こうかな。なんて思案していれば、周囲の人達からの視線が全て私に注目していることに気づいた。
「え……?変、かなぁ?」
思わず顔に熱が集まる。
「ひぇ、かっこいい」「かわいい…!!」なんて一部の女の子から褒めてもらえた。
「紅葉殿。まるで拙者をみている様な、……」
どこか困惑気味の万葉。どうして髪を切ったのか?と目線で訴えかけている。
「きっと兄妹だったら、楓原くんがお兄さんだろうね」
「拙者は紅葉殿の兄ではないでござるよ」
「おはよう紅葉。どっちが本物なのか区別がつかないよ」
万葉の背後からひょっこり現れた平蔵。いや、区別ついてるじゃないか。とジト目で見てしまったのは仕方がない。
平蔵はそばに近寄ったかと思えば、私達2人に携帯を向けパシャリと写真をとった。
「おはよう。その写真ちょうだい」
「いいよ。じゃあ連絡先交換しよっか」
「そうだね」
平蔵から送ってもらった写真は間抜けな表情をしている私と驚いている様子の万葉が写っていた。うん、これは本物の双子の兄弟みたいだ。
「そうだ、紅葉って猫好き?」
「え?普通に好きだけど…」
「実はね、探偵事務所の前に猫が捨てられてて、引き取り手探してるんだけど。……どうかな?」
「写真とかある?」
探偵事務所っていうか、探偵部?って名前じゃなかったっけ?
平蔵の携帯から猫をみせてもらえば、
「あれ………?この猫ちゃん、昔どっかで……」
「昔?………この猫、子猫だよ?」
「あ、いや。うーん、どこでだったっけなぁ」
思い出せ、思い出すんだ。
あ、そうだ!!確か万葉の親友の墓の前にいた猫ちゃんに似ていたんだ!!
「……楓原くんの親友ならその猫、引き取ってもらえると思う…………様な気がする」
「拙者の……?」
「それって、…紅葉が引き取るのめんどくさいから言ってるワケじゃないよね?」
「うん。………楓原くん、その人に聞いてみてくれないかな。もし駄目そうだったら私がその猫ちゃん引き取るから!」
「承知した。………紅葉殿、拙者からも一つ頼みがある」
「何?」
「拙者とも連絡先を交換してくれぬか…?」
「良いよ」
何故急に連絡先交換しようと思ったんだ?万葉を意識してしまいそうになるが、この恋は私の髪と一緒に終わらせたんだから、余計なことを考えるのは止めよう、また辛くなるだけなんだから。
後日、万葉の友人が猫ちゃんを引き取ることになった。
***
「空くん!綾華ちゃん!」
「え、紅葉!?」
「楓原さん…?じゃなくて紅葉さん…?」
他クラスにいる空くんと推しである綾華ちゃんに会いに行けば、2人とも驚いている様子だった。
「……てことで、失恋して髪の毛切りました」
「短いのも似合うけど、なんか、より万葉にそっくりになったね……」
「失恋……!、短いのも似合っていますね」
多少気まずそうに話す空くん。そりゃあ、失恋したから髪の毛切ったのに、その相手と顔が余計そっくりになってしまえば、反応に困るよね。励ましづらいというかなんというか。綾華ちゃんは"失恋"というワードに反応していた。女の子ってやっぱ皆、恋愛話気になるよね。
「えへへ」
「そっくりなのに紅葉ってすごくわかる」
「紅葉さんは幸せそうに笑いますね」
推しに今の髪型が似合っていると褒められたので思わず表情が緩んでしまえば、2人とも微笑ましそうに私を見ている。2人の方が幸せそうに見えるんですけど…。
「そういえば、蛍にはその姿みせたの?」
「あ、そういえばまだ今日は蛍ちゃんに会ってないなぁ」
「きっと会ったら、蛍は喜ぶと思うなぁ」
「ふふふ、仲が良くて良いですね」
なんだか、綾華ちゃんが空くんを見る目が少々優しげに見える。もしや………
「ねぇ、綾華ちゃん。もしかして………」
"空くんのこと気になってたりする…?"
「…!、ど、どうして気づいたのですか!?」
「うーん、なんとなくかなぁ。………応援してるね!」
ぽぽぽと顔が真っ赤になる綾華ちゃん。可愛い…。
「どうしたの?」
「ううん!なんでもないよ」
空くんは鈍感そうだから、攻略するのが難しそうだなぁ。頑張れ、綾華ちゃん!!