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01
※注意
細身の体型の方を貶しているつもりはありません。
読んで不快にさせてしまうかも知れません。
名字名前
基山が好き。小学生の頃からのファン
標準体型
***
基山くんはかっこいい。私は基山くんが小学生の頃からの同級生で、サッカーを頑張っている姿を応援してきた。
試合観戦だってしてるし、ファンの女の子達の影に隠れてひっそり応援している。
ファンレターだって書いている。(小学生の頃は基山くん本人の下駄箱に突っ込んでたけど、今は瞳子監督に渡している)
なぜ、そんなにコソコソしているかって?
それは、基山くんに認知されたくないからだ。周囲より明らかに体格がしっかりしているし、マシュマロみたいだと良く女友達にからかわれる。同級生の男達にはジロジロと見られることもある。(コソコソ話していたので、デブだの豚だの言われているんだろう…)
この世の人類、皆細すぎやしませんか……?
TVに映る芸能人みたいに160cmで40kgとかなんでしょ!?!?
私なんて、158cmで50kg以上あるよ……!?皆ダイエットしなきゃって言うけど、さりげなく私にも痩せろって言ってるんですかね?そうですよね!?
というかねぇ、私別にそこまで太っているワケでもないし、痩せてもいないはず、だ…!!
美味しいものを沢山食べられて、健康が1番いいんだよ。
ファンの子達も皆細いし、手足がスラっとしている。アニメや漫画で良く表現される、ボンキュッボンな人もたくさんいる。何故細いのに胸があるんですか?私と身体の構造違うんですかね???
体型のこと気にしてたりしているが、ダイエットするつもりは一切ない。健康な方が、体力もあるし、ガッシリしている方が心配されないだろう。(一体私は何を目指しているんだろうか…?)
まぁ、華奢で守りたくなるような女の子に憧れが無いとは言えないが、守って欲しくなったらボディービルダー並の方とお付き合いすれば良いだろう、と…思案している。
『はぁ、好きだなぁ……』
サッカー部の練習試合を盗み見しながら、ひっそり応援する。
***
「あっ、今日も来てるね"あの子"」
「そうだね」
今日も応援しに来てくれたのか…。
キラキラと眩しいものでも見るかのような瞳で俺たちを見つめる隣のクラスの名字さん。
「アイツ…、マネージャーにでもなってくれればいいのにな、」
「忘れたのか?ミーハーなファン達が応募して、マネージャー業しないから、マネージャー募集するのを辞めたんだろ」
南雲や涼野も 気に入っている様子だ。
「まぁ、あの子はタツヤのファンみたいだからな!」
とウインクを飛ばす、緑川。
「え、?」
何故緑川は知ってるんだ?
彼女は俺が小学生の頃から下駄箱にファンレターを届けてくれていた。昔からラブレターを貰うことは多かったが、ファンレターをもらうことは初めてだったので、とても驚いていたのを覚えている。
まぁ、彼女は正体がバレたくないのか、一人称を「俺」にしていたので、初めは同性から応援されているのかと勘違いしていた。
正体に気付いたのは、早朝に用事があり、学校へと向かえば、俺の下駄箱の前で周囲に人がいないか確認している女の子がいた。俺はバレないようにそっと影へ隠れれば、その子は、俺の下駄箱の中に封筒を置いて、立ち去った。
俺は自身の下駄箱に置いてある手紙を確認する。
「この手紙は、…!」
そう。それは、いつももらうファンレターだった。
無地の封筒に、サッカーのシールが貼られてある。
「まさか、女の子だったとは思わなかったな…」
当時は不思議だったが、今思えば彼女は人気がある。だからこそ周囲に知られ、からかわれたくなかったのだろう。
名字さんは、とても人気がある。同性からは、ふわふわしていてかわいいと言われていたり(同じサッカー部の八神玲奈でさえも話題にしていた)、異性にも好意を持っている人物が多いと聞く。
名字さんにいつか話しかけてみたいな。
***
それから数日後。
いつも通り、隠れて練習試合を眺めていた。
ボールを蹴る音、仲間同士の声、風に揺れるユニフォーム。 全部が、好きだと思える理由だった。
――その中心にいるのが、基山くんだから。
『……今日も、かっこいいなぁ』
ぽつりと呟いた瞬間だった。
「——なにが?」
『っ!?』
真後ろから声がして、肩がびくりと跳ねた。 ゆっくり振り返ると、そこにいたのは――
『き、基山…くん……?』
逃げ場なんて、どこにもなかった。いつも遠くから見ていた人が、目の前にいる。 しかも、至近距離で。
「やっぱり、君だったんだね」
柔らかく笑うその顔に、頭が真っ白になる。
『え、あ、あの……違っ、私……!』
「ファンレター、いつもありがとう」
心臓が、止まったかと思った。
『……え?』
「小学生の頃から、俺に書いてくれてたよね…?」
優しい声で、でも確信を持って言い当てられる。どうしよう。頭が真っ白で、誤魔化せない。
顔が一気に熱くなった。
『……ば、バレてたんだ……』
「うん。途中からね」
あっ、終わった
そう思った。
きっと、気持ち悪いって思われる。 コソコソして、陰から見て、手紙だけ送りつけて。しかも性別を偽っていたんた……。最悪だ。
『ごめん……!、その……気持ち悪いよね……。ずっと隠れてて……』
気付けば頭を下げていた。
「どうして?」
『え……?』
予想外の言葉に、顔を上げる。
「俺、すごく嬉しかったよ」
『~っ、』
「誰かがずっと見ててくれるって、支えてくれてるって、ちゃんと伝わってたから」
ずるい、ずるいよ基山くん。 胸の奥が、じんわりと熱くなる。
「でも、なんで隠れてたの?」
その問いに、言葉が詰まる。少しだけ迷って、それでも——正直に答えた。
『……私、全然可愛くないし」_』
視線を落とす。
『他の子みたいに細くもないし……近くにいたら恥ずかしいって思われるかなって』
自嘲気味に笑う。
『だから、見てるだけでいいやって』
沈黙が落ちた。やっぱり、言わなきゃよかったかもしれない。そう思ったとき、
基山くんは優しく微笑む。
「俺は、そうは思わないけど」
『……え?』
『むしろ、ちゃんと食べて、元気でいる方がいいと思う』
基山くんのまっすぐな視線が私に向けられる。
「試合、全部見てくれてるんだよね?」
『……う、うん』
「じゃあ分かるよね。体力ある方が強いって」
『ま、まぁ、それは……』
確かにそうですけど。基山くん達、サッカー部さ体力あるけど細いですよね…!?!?、太っているというより筋肉が大事なのでは…?、なんて言える空気ではないので、
黙っていると、彼はくすりと笑った。
「それに」
一歩、距離が縮まる。
「君、すごく可愛いよ」
『——っ!?』
思考が止まる。え、基山くんに今なんと言われた…?
「ふわふわしてて、優しそうで、見てると安心する」
『ちょ、ちょっと待って!?それ絶対気遣ってますよね……!?』
「気遣ってたら、わざわざここまで来ないよ」
さらっと言い切られて、言葉を失う。
「……俺、ずっと話したいと思ってた」
『……え、?』
「手紙の人、どんな人なんだろうって」
そっか、そう思ってくれてたんだ…!
『そ、そっか……』
彼が少しだけ照れたように笑う。
「今度は、隠れないで応援してよ」
『……え』
「できれば、近くで」
その言葉の意味を理解するのに、数秒かかった。
『それって……!』
「あと」
さらに距離が近づく。
ドクン、と大きく心臓が鳴った。
「ファンじゃなくてさ」
目が、合う。
「もう少し特別な立場になってくれたら、嬉しいんだけど」
呼吸が止まりそうになる。
「……ひぇ、」
「分かるでしょ?」そう言うと基山くんは少しだけ意地悪に笑う。でも、その目は本気だった。
ずっと遠くから見ていた人が、 今はこんなに近くにいる。信じられないくらい、現実感がない。
『……ずるい』
「なにが?」
「そんなこと言われたら……断れないよ」
顔を隠すように俯くと、彼が小さく笑った。
「じゃあ、いいってこと?」
私はゆっくりと縦に頷く。
次の瞬間。
「ありがとう」
柔らかい声と一緒に、そっと頭を撫でられた。
さっきまで“遠い存在”だった人の手が、 こんなにも近くにある。
『…基山くん、好き』
今度は隠れずに言えた、――基山くんの目の前で。
※注意
細身の体型の方を貶しているつもりはありません。
読んで不快にさせてしまうかも知れません。
名字名前
基山が好き。小学生の頃からのファン
標準体型
***
基山くんはかっこいい。私は基山くんが小学生の頃からの同級生で、サッカーを頑張っている姿を応援してきた。
試合観戦だってしてるし、ファンの女の子達の影に隠れてひっそり応援している。
ファンレターだって書いている。(小学生の頃は基山くん本人の下駄箱に突っ込んでたけど、今は瞳子監督に渡している)
なぜ、そんなにコソコソしているかって?
それは、基山くんに認知されたくないからだ。周囲より明らかに体格がしっかりしているし、マシュマロみたいだと良く女友達にからかわれる。同級生の男達にはジロジロと見られることもある。(コソコソ話していたので、デブだの豚だの言われているんだろう…)
この世の人類、皆細すぎやしませんか……?
TVに映る芸能人みたいに160cmで40kgとかなんでしょ!?!?
私なんて、158cmで50kg以上あるよ……!?皆ダイエットしなきゃって言うけど、さりげなく私にも痩せろって言ってるんですかね?そうですよね!?
というかねぇ、私別にそこまで太っているワケでもないし、痩せてもいないはず、だ…!!
美味しいものを沢山食べられて、健康が1番いいんだよ。
ファンの子達も皆細いし、手足がスラっとしている。アニメや漫画で良く表現される、ボンキュッボンな人もたくさんいる。何故細いのに胸があるんですか?私と身体の構造違うんですかね???
体型のこと気にしてたりしているが、ダイエットするつもりは一切ない。健康な方が、体力もあるし、ガッシリしている方が心配されないだろう。(一体私は何を目指しているんだろうか…?)
まぁ、華奢で守りたくなるような女の子に憧れが無いとは言えないが、守って欲しくなったらボディービルダー並の方とお付き合いすれば良いだろう、と…思案している。
『はぁ、好きだなぁ……』
サッカー部の練習試合を盗み見しながら、ひっそり応援する。
***
「あっ、今日も来てるね"あの子"」
「そうだね」
今日も応援しに来てくれたのか…。
キラキラと眩しいものでも見るかのような瞳で俺たちを見つめる隣のクラスの名字さん。
「アイツ…、マネージャーにでもなってくれればいいのにな、」
「忘れたのか?ミーハーなファン達が応募して、マネージャー業しないから、マネージャー募集するのを辞めたんだろ」
南雲や涼野も 気に入っている様子だ。
「まぁ、あの子はタツヤのファンみたいだからな!」
とウインクを飛ばす、緑川。
「え、?」
何故緑川は知ってるんだ?
彼女は俺が小学生の頃から下駄箱にファンレターを届けてくれていた。昔からラブレターを貰うことは多かったが、ファンレターをもらうことは初めてだったので、とても驚いていたのを覚えている。
まぁ、彼女は正体がバレたくないのか、一人称を「俺」にしていたので、初めは同性から応援されているのかと勘違いしていた。
正体に気付いたのは、早朝に用事があり、学校へと向かえば、俺の下駄箱の前で周囲に人がいないか確認している女の子がいた。俺はバレないようにそっと影へ隠れれば、その子は、俺の下駄箱の中に封筒を置いて、立ち去った。
俺は自身の下駄箱に置いてある手紙を確認する。
「この手紙は、…!」
そう。それは、いつももらうファンレターだった。
無地の封筒に、サッカーのシールが貼られてある。
「まさか、女の子だったとは思わなかったな…」
当時は不思議だったが、今思えば彼女は人気がある。だからこそ周囲に知られ、からかわれたくなかったのだろう。
名字さんは、とても人気がある。同性からは、ふわふわしていてかわいいと言われていたり(同じサッカー部の八神玲奈でさえも話題にしていた)、異性にも好意を持っている人物が多いと聞く。
名字さんにいつか話しかけてみたいな。
***
それから数日後。
いつも通り、隠れて練習試合を眺めていた。
ボールを蹴る音、仲間同士の声、風に揺れるユニフォーム。 全部が、好きだと思える理由だった。
――その中心にいるのが、基山くんだから。
『……今日も、かっこいいなぁ』
ぽつりと呟いた瞬間だった。
「——なにが?」
『っ!?』
真後ろから声がして、肩がびくりと跳ねた。 ゆっくり振り返ると、そこにいたのは――
『き、基山…くん……?』
逃げ場なんて、どこにもなかった。いつも遠くから見ていた人が、目の前にいる。 しかも、至近距離で。
「やっぱり、君だったんだね」
柔らかく笑うその顔に、頭が真っ白になる。
『え、あ、あの……違っ、私……!』
「ファンレター、いつもありがとう」
心臓が、止まったかと思った。
『……え?』
「小学生の頃から、俺に書いてくれてたよね…?」
優しい声で、でも確信を持って言い当てられる。どうしよう。頭が真っ白で、誤魔化せない。
顔が一気に熱くなった。
『……ば、バレてたんだ……』
「うん。途中からね」
あっ、終わった
そう思った。
きっと、気持ち悪いって思われる。 コソコソして、陰から見て、手紙だけ送りつけて。しかも性別を偽っていたんた……。最悪だ。
『ごめん……!、その……気持ち悪いよね……。ずっと隠れてて……』
気付けば頭を下げていた。
「どうして?」
『え……?』
予想外の言葉に、顔を上げる。
「俺、すごく嬉しかったよ」
『~っ、』
「誰かがずっと見ててくれるって、支えてくれてるって、ちゃんと伝わってたから」
ずるい、ずるいよ基山くん。 胸の奥が、じんわりと熱くなる。
「でも、なんで隠れてたの?」
その問いに、言葉が詰まる。少しだけ迷って、それでも——正直に答えた。
『……私、全然可愛くないし」_』
視線を落とす。
『他の子みたいに細くもないし……近くにいたら恥ずかしいって思われるかなって』
自嘲気味に笑う。
『だから、見てるだけでいいやって』
沈黙が落ちた。やっぱり、言わなきゃよかったかもしれない。そう思ったとき、
基山くんは優しく微笑む。
「俺は、そうは思わないけど」
『……え?』
『むしろ、ちゃんと食べて、元気でいる方がいいと思う』
基山くんのまっすぐな視線が私に向けられる。
「試合、全部見てくれてるんだよね?」
『……う、うん』
「じゃあ分かるよね。体力ある方が強いって」
『ま、まぁ、それは……』
確かにそうですけど。基山くん達、サッカー部さ体力あるけど細いですよね…!?!?、太っているというより筋肉が大事なのでは…?、なんて言える空気ではないので、
黙っていると、彼はくすりと笑った。
「それに」
一歩、距離が縮まる。
「君、すごく可愛いよ」
『——っ!?』
思考が止まる。え、基山くんに今なんと言われた…?
「ふわふわしてて、優しそうで、見てると安心する」
『ちょ、ちょっと待って!?それ絶対気遣ってますよね……!?』
「気遣ってたら、わざわざここまで来ないよ」
さらっと言い切られて、言葉を失う。
「……俺、ずっと話したいと思ってた」
『……え、?』
「手紙の人、どんな人なんだろうって」
そっか、そう思ってくれてたんだ…!
『そ、そっか……』
彼が少しだけ照れたように笑う。
「今度は、隠れないで応援してよ」
『……え』
「できれば、近くで」
その言葉の意味を理解するのに、数秒かかった。
『それって……!』
「あと」
さらに距離が近づく。
ドクン、と大きく心臓が鳴った。
「ファンじゃなくてさ」
目が、合う。
「もう少し特別な立場になってくれたら、嬉しいんだけど」
呼吸が止まりそうになる。
「……ひぇ、」
「分かるでしょ?」そう言うと基山くんは少しだけ意地悪に笑う。でも、その目は本気だった。
ずっと遠くから見ていた人が、 今はこんなに近くにいる。信じられないくらい、現実感がない。
『……ずるい』
「なにが?」
「そんなこと言われたら……断れないよ」
顔を隠すように俯くと、彼が小さく笑った。
「じゃあ、いいってこと?」
私はゆっくりと縦に頷く。
次の瞬間。
「ありがとう」
柔らかい声と一緒に、そっと頭を撫でられた。
さっきまで“遠い存在”だった人の手が、 こんなにも近くにある。
『…基山くん、好き』
今度は隠れずに言えた、――基山くんの目の前で。