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前世は万葉と夫婦、今世は双子
構造有
現パロ
距離感近すぎ
※万葉がシスコン気味
***
「来世も貴方の妻にしてください」
最後に万葉に伝えた時、私はちゃんと笑えていただろうか。
***
「姉上」
「ん?」
「寝癖がついているでござるよ」
「ありがとう」
そう言った万葉は持っていたヘアブラシで私の寝癖を直し、優しく頭を撫でてくれた。
私が感謝の言葉を伝えれば満足そうに微笑む"弟"。
今世の私達は双子だ。今世、と言っているが私には前世の記憶がある。前世の私は楓原万葉と結婚をしており、夫婦だった。彼は山や竹林、自然の中を巡ることが夢だと私に話しており、旅をしていた。彼は常日頃私のそばにいるわけではなかった。もちろん寂しかった。……だけど、私は万葉の土産話を聞くのが大好きだった。
はぁ、……普通、死ぬ前に「来世も妻にしてくれ」と神様に頼めば、大体は叶うはずだよね?どうして双子にするかなぁ?。何故、私達を血縁関係のある双子にしたのか気になったので、現在住んでいる稲妻の伝承について調べたことがある。そこには"男女の双子は前世で心中した男女の生まれ変わり"と書かれていた。そして忌み嫌われていた、……らしかった。エッ、私万葉と心中した記憶ないよ…???と困惑してしまったが、あくまでこれは伝承にすぎないから私達には関係ないよね。それに忌み嫌われてたってなんか嫌だなぁ。そして、私の前世の生まれ故郷であった璃月では"双子は縁起が良いものとして喜ばれ、中でも男女の双子は非常にめでたいもの"とされている。稲妻と璃月の差が酷いなぁと思わず苦笑いしてしまった。
珍しく私が調べ物をしているのが気になった万葉に「何を調べているのだ?」と問われたので素直に「私達双子のこと調べてたんだよ」と。万葉は困惑していたので
「男女の双子は前世で心中した男女の生まれ変わりらしいよ、」
「ふむ、……」
私がそう言えば万葉は顎に手を当て、なにやら思案している様だったが、聞いても何も言ってくれないのは分かっていたので気にしないことにした。
人には私達姉弟の距離感が近いやらなんやら言われるが、気にしたことない。してると言っても恋人繋ぎ位?。付き合いたてのカップル位は仲良いかもしれない。流石にキスなんてしないし。…………………実は昔、まだ今世のことが整理ついていなかった時に、万葉が寝てる際、こっそりファーストキスを手に入れたのでもう満足している。嘘、ちょっとだけ満足できてないかもしれない。……だけど、いつか弟にも好きな人ができたらその人と付き合ってあんなことやこんなことをするんだから、ダメージ受けない位には万葉離れしないと。たまに私も弟みたいに前世の記憶がなかったら、普通の姉弟みたいに恋愛感情を向けることなく過ごせていたんじゃないのかなって思ってしまうことがある。
***
私達の通うテイワット学園には前世の知り合いが何人かいる。だけど皆記憶を持っていないみたいだった。……っていっても街中で軽く見掛けた位で話したことほとんどないから初対面みたいなモンだよね。
「好きなのか?」
「……………は?」
いつものようにクラスメイトの鹿野院平蔵くんと話している万葉を見つめていれば、いつの間にか隣の席に座っていた魈くんに好きなのか?と問われた。魈くんって神出鬼没だよね。急に現れて、急に消える。そういえば、前世ではこの人のこと見掛けたことないな。
「誰が誰のことを?」
「……お前は楓原万葉のことが好きなのか?」
「好きだよ。……だって私達は双子だから」
「そうか。………今 は双子なのだな」
「は?……………今、何つった!?」
思わず座っていた椅子がガタンと大きな音を立ててしまったが気にしていられない。ずんずんと魈くんに寄れば「近い、離れろ」と言われるが気にしていられなかった。
「どうして、そのことを知ってるのっ!?」
普段と違う私の様子を気付いた万葉やクラスメイト達は「姉上、どうしたのでござるか!?」「どうしたの!?」なんて心配そうに見つめている。
「…………知ってるも何も今は、って言っただけだ」
確実に魈くんは私と万葉の関係性を知っている。
万葉にその事を話されてしまったらどうしよう…!!知られてしまったら、人の感情に敏感な弟には私が自分に恋愛感情を持っていると勘づいてしまうだろう。
「着いてこい」
と椅子に座っていた魈くんは立ち上がって私の腕をを引っ張り屋上へと向かった。
***
「…………魈くんは何者なの?」
「我は仙人だった」
「は?え?仙人?」
え?仙人………?魈くんってば唐突にどんでもない内容暴露してきたんですが??確かに我って一人称珍しいなぁとは思ってたけど、まさか仙人だったとは……。うん?でもさぁ、
「仙人だったとしても、璃月にいる全ての人を覚えてるワケではないですよね?」
「ただ、お前達を璃月で見掛けたことがあるから知っていただけだ。…それに我に敬語等必要ない」
なるほどね、…確かに私だけだったら気付かないかもだけど、万葉がいたら服装とか違うから目立つか。
「そっか。…………それでさ、私と弟が夫婦だったことは本人には言わないでほしい」
「楓原万葉には記憶がないのか?」
「うん」
万葉に前世の記憶があったら、大変だよ!?完全に姉弟の距離感じゃなくなってるよ。
「そうか…」
顎に手を当ててなにやら思案中な魈くん。なになに、もしかして万葉が記憶あるんじゃないかって思ってたりするの?
「いや、そうではない」
「あれ、声にでてた?」
「ああ」
「それで?何のこと考えてたの?」
「いや、なんでもない」
「何それ、気になる!怒らないから言ってよ!」
「……前もお前達は双子だったのではないのか?」
「あー。それよく言われた。」
言いづらそうに私に話してくれた魈くん。前世でもよく言われた、双子じゃないの?って、
私と万葉は血縁関係ないのに、ものすごく似てるのだ。これが本当に、最初に出会った時も、「え?私…??」「拙者が2人…?」と2人して困惑顔だったのが懐かしい思い出だ。まぁ、他人の空似ってやつ?
「それが私も不思議だったんだけど、血縁関係は全くなかったんだよ。ただ現代風に言えば私と万葉は"運命の人"だったんだよ。……まぁ、今はただの双子になっちゃったけど」
「運命の人、か…」
「うん。だから、私は前世の記憶がなくならない限り万葉以外の人ことを恋愛感情で好きになれないんじゃないかって思ってるんだ」
「そうか」
「けど、私もそろそろ弟離れしないといけないよね。万葉とは顔そっくりなのに、人見知りで上手く会話できないし、友達も全然いない。………異性から好かれたことなんて前世が最後だよ」
あれ、なんか自分で言ってて悲しくなってきた。
「我はお前のことが好きだ」
「ありがとう、慰めてくれるんだね……………は??」
「だから好きだと言っている」
「はぁっ!?!?ま、まさか、魈くんってば私のことからかってたりして…」
「違う」
ギロリと魈くんの鋭い目で睨み付けられる。
「ひ、ひぇ」
「ただ我は、……知って欲しかっただけだ」
「うん、ありがとう。私、___」
「返事はいらぬ」
「…私、弟のことしか見てなかった。もっと色んな人と関わってみる。」
「…」
「だから、私の友達になってくれる?」
「…!」
「返事はいらないって言うけどまずは友達から始めませんか……?。……あ、べ、別に魈くんのこと利用して万葉のこと忘れようとしてるワケじゃないからね!?」
必死に違うよ、と伝えるが魈くん目をぱちくりさせていた。
「…………我は元は仙人。人間の感情は理解できない。だが、お前が我のことを利用する人間には見えぬ」
「…し、魈くん!」
でも、私のこと好きだって告白してくれたし、ちゃんと人間の感情を理解してると思うけどなぁ。
「……何か危険な目にあった時は我の名を呼べ」
「う、うん。……て、ことは友達認定してくれたってこと?」
「…」
魈くんは気まずくなると無言になるタイプか。
「そしたらさ、私のこと紅葉って呼んでよ!」
「我のことも魈と呼べ」
「え?呼んでるじゃん!」
「…もういい、我は行く」
「もうちょっと話そうよ!友達なんだから、魈くんのことたくさん教えてほしいな」
***
「それでね、魈くんってば杏仁豆腐が好物らしいよ!」
「姉上は最近、魈殿のことばかり気にかけておるな」
「そうかな…?」
「そうであろう」
「ちゃんと万葉のことも見てるよ。…今 も昔 も」
万葉ってば不機嫌になっちゃって、……双子なのか分かんないけど、万葉の気持ちが前より良く分かるようになってきた気がする。私の予想では万葉はきっと魈くんに嫉妬してるんだろうなぁ。…私の中で一番大事なのは家族なのに。
「本当に……万葉と双子で良かった」
「!」
「昔は悔しかった。…だって万葉の一番の人になりたかったし」
「拙者の一番は姉上でござるよ…?」
「それはもちろんわかってるよ?…私もそうだもん」
「ふふ、」
一番っていっても貴方の最愛の人になりたかったんだよ。幸せそうに微笑む弟。やっぱり万葉の笑った顔、好きだなぁ。
「だからね、恋人ができたら一番最初に報告してよね!」
なんて万葉に精一杯の笑顔で伝えれば、万葉は、笑顔のまま硬直していた。
「は…………?今なんと?」
「え?……だから、恋人ができたら報告して、って」
んん?私、今、なんかおかしなこと言ったかな…?
「姉上の恋人は拙者よりも強くて漢気のある者でなければならぬ……!」
「そ、そんなの万葉以外いないよっ!!私、一生恋人できないじゃん!?」
「なら、姉上は拙者と結婚しよう」
「恋人から一気に結婚相手まで進んだね!?!?それに姉弟は結婚できません!」
「ふむ、なら…」
「と、とりあえずこの話はおしまい!」
万葉が何か言おうとしたのを無理矢理遮り、会話を強制終了させた。私のことそんなに大好きなのは嬉しいけど嬉しくないよ…!
構造有
現パロ
距離感近すぎ
※万葉がシスコン気味
***
「来世も貴方の妻にしてください」
最後に万葉に伝えた時、私はちゃんと笑えていただろうか。
***
「姉上」
「ん?」
「寝癖がついているでござるよ」
「ありがとう」
そう言った万葉は持っていたヘアブラシで私の寝癖を直し、優しく頭を撫でてくれた。
私が感謝の言葉を伝えれば満足そうに微笑む"弟"。
今世の私達は双子だ。今世、と言っているが私には前世の記憶がある。前世の私は楓原万葉と結婚をしており、夫婦だった。彼は山や竹林、自然の中を巡ることが夢だと私に話しており、旅をしていた。彼は常日頃私のそばにいるわけではなかった。もちろん寂しかった。……だけど、私は万葉の土産話を聞くのが大好きだった。
はぁ、……普通、死ぬ前に「来世も妻にしてくれ」と神様に頼めば、大体は叶うはずだよね?どうして双子にするかなぁ?。何故、私達を血縁関係のある双子にしたのか気になったので、現在住んでいる稲妻の伝承について調べたことがある。そこには"男女の双子は前世で心中した男女の生まれ変わり"と書かれていた。そして忌み嫌われていた、……らしかった。エッ、私万葉と心中した記憶ないよ…???と困惑してしまったが、あくまでこれは伝承にすぎないから私達には関係ないよね。それに忌み嫌われてたってなんか嫌だなぁ。そして、私の前世の生まれ故郷であった璃月では"双子は縁起が良いものとして喜ばれ、中でも男女の双子は非常にめでたいもの"とされている。稲妻と璃月の差が酷いなぁと思わず苦笑いしてしまった。
珍しく私が調べ物をしているのが気になった万葉に「何を調べているのだ?」と問われたので素直に「私達双子のこと調べてたんだよ」と。万葉は困惑していたので
「男女の双子は前世で心中した男女の生まれ変わりらしいよ、」
「ふむ、……」
私がそう言えば万葉は顎に手を当て、なにやら思案している様だったが、聞いても何も言ってくれないのは分かっていたので気にしないことにした。
人には私達姉弟の距離感が近いやらなんやら言われるが、気にしたことない。してると言っても恋人繋ぎ位?。付き合いたてのカップル位は仲良いかもしれない。流石にキスなんてしないし。…………………実は昔、まだ今世のことが整理ついていなかった時に、万葉が寝てる際、こっそりファーストキスを手に入れたのでもう満足している。嘘、ちょっとだけ満足できてないかもしれない。……だけど、いつか弟にも好きな人ができたらその人と付き合ってあんなことやこんなことをするんだから、ダメージ受けない位には万葉離れしないと。たまに私も弟みたいに前世の記憶がなかったら、普通の姉弟みたいに恋愛感情を向けることなく過ごせていたんじゃないのかなって思ってしまうことがある。
***
私達の通うテイワット学園には前世の知り合いが何人かいる。だけど皆記憶を持っていないみたいだった。……っていっても街中で軽く見掛けた位で話したことほとんどないから初対面みたいなモンだよね。
「好きなのか?」
「……………は?」
いつものようにクラスメイトの鹿野院平蔵くんと話している万葉を見つめていれば、いつの間にか隣の席に座っていた魈くんに好きなのか?と問われた。魈くんって神出鬼没だよね。急に現れて、急に消える。そういえば、前世ではこの人のこと見掛けたことないな。
「誰が誰のことを?」
「……お前は楓原万葉のことが好きなのか?」
「好きだよ。……だって私達は双子だから」
「そうか。………
「は?……………今、何つった!?」
思わず座っていた椅子がガタンと大きな音を立ててしまったが気にしていられない。ずんずんと魈くんに寄れば「近い、離れろ」と言われるが気にしていられなかった。
「どうして、そのことを知ってるのっ!?」
普段と違う私の様子を気付いた万葉やクラスメイト達は「姉上、どうしたのでござるか!?」「どうしたの!?」なんて心配そうに見つめている。
「…………知ってるも何も今は、って言っただけだ」
確実に魈くんは私と万葉の関係性を知っている。
万葉にその事を話されてしまったらどうしよう…!!知られてしまったら、人の感情に敏感な弟には私が自分に恋愛感情を持っていると勘づいてしまうだろう。
「着いてこい」
と椅子に座っていた魈くんは立ち上がって私の腕をを引っ張り屋上へと向かった。
***
「…………魈くんは何者なの?」
「我は仙人だった」
「は?え?仙人?」
え?仙人………?魈くんってば唐突にどんでもない内容暴露してきたんですが??確かに我って一人称珍しいなぁとは思ってたけど、まさか仙人だったとは……。うん?でもさぁ、
「仙人だったとしても、璃月にいる全ての人を覚えてるワケではないですよね?」
「ただ、お前達を璃月で見掛けたことがあるから知っていただけだ。…それに我に敬語等必要ない」
なるほどね、…確かに私だけだったら気付かないかもだけど、万葉がいたら服装とか違うから目立つか。
「そっか。…………それでさ、私と弟が夫婦だったことは本人には言わないでほしい」
「楓原万葉には記憶がないのか?」
「うん」
万葉に前世の記憶があったら、大変だよ!?完全に姉弟の距離感じゃなくなってるよ。
「そうか…」
顎に手を当ててなにやら思案中な魈くん。なになに、もしかして万葉が記憶あるんじゃないかって思ってたりするの?
「いや、そうではない」
「あれ、声にでてた?」
「ああ」
「それで?何のこと考えてたの?」
「いや、なんでもない」
「何それ、気になる!怒らないから言ってよ!」
「……前もお前達は双子だったのではないのか?」
「あー。それよく言われた。」
言いづらそうに私に話してくれた魈くん。前世でもよく言われた、双子じゃないの?って、
私と万葉は血縁関係ないのに、ものすごく似てるのだ。これが本当に、最初に出会った時も、「え?私…??」「拙者が2人…?」と2人して困惑顔だったのが懐かしい思い出だ。まぁ、他人の空似ってやつ?
「それが私も不思議だったんだけど、血縁関係は全くなかったんだよ。ただ現代風に言えば私と万葉は"運命の人"だったんだよ。……まぁ、今はただの双子になっちゃったけど」
「運命の人、か…」
「うん。だから、私は前世の記憶がなくならない限り万葉以外の人ことを恋愛感情で好きになれないんじゃないかって思ってるんだ」
「そうか」
「けど、私もそろそろ弟離れしないといけないよね。万葉とは顔そっくりなのに、人見知りで上手く会話できないし、友達も全然いない。………異性から好かれたことなんて前世が最後だよ」
あれ、なんか自分で言ってて悲しくなってきた。
「我はお前のことが好きだ」
「ありがとう、慰めてくれるんだね……………は??」
「だから好きだと言っている」
「はぁっ!?!?ま、まさか、魈くんってば私のことからかってたりして…」
「違う」
ギロリと魈くんの鋭い目で睨み付けられる。
「ひ、ひぇ」
「ただ我は、……知って欲しかっただけだ」
「うん、ありがとう。私、___」
「返事はいらぬ」
「…私、弟のことしか見てなかった。もっと色んな人と関わってみる。」
「…」
「だから、私の友達になってくれる?」
「…!」
「返事はいらないって言うけどまずは友達から始めませんか……?。……あ、べ、別に魈くんのこと利用して万葉のこと忘れようとしてるワケじゃないからね!?」
必死に違うよ、と伝えるが魈くん目をぱちくりさせていた。
「…………我は元は仙人。人間の感情は理解できない。だが、お前が我のことを利用する人間には見えぬ」
「…し、魈くん!」
でも、私のこと好きだって告白してくれたし、ちゃんと人間の感情を理解してると思うけどなぁ。
「……何か危険な目にあった時は我の名を呼べ」
「う、うん。……て、ことは友達認定してくれたってこと?」
「…」
魈くんは気まずくなると無言になるタイプか。
「そしたらさ、私のこと紅葉って呼んでよ!」
「我のことも魈と呼べ」
「え?呼んでるじゃん!」
「…もういい、我は行く」
「もうちょっと話そうよ!友達なんだから、魈くんのことたくさん教えてほしいな」
***
「それでね、魈くんってば杏仁豆腐が好物らしいよ!」
「姉上は最近、魈殿のことばかり気にかけておるな」
「そうかな…?」
「そうであろう」
「ちゃんと万葉のことも見てるよ。…
万葉ってば不機嫌になっちゃって、……双子なのか分かんないけど、万葉の気持ちが前より良く分かるようになってきた気がする。私の予想では万葉はきっと魈くんに嫉妬してるんだろうなぁ。…私の中で一番大事なのは家族なのに。
「本当に……万葉と双子で良かった」
「!」
「昔は悔しかった。…だって万葉の一番の人になりたかったし」
「拙者の一番は姉上でござるよ…?」
「それはもちろんわかってるよ?…私もそうだもん」
「ふふ、」
一番っていっても貴方の最愛の人になりたかったんだよ。幸せそうに微笑む弟。やっぱり万葉の笑った顔、好きだなぁ。
「だからね、恋人ができたら一番最初に報告してよね!」
なんて万葉に精一杯の笑顔で伝えれば、万葉は、笑顔のまま硬直していた。
「は…………?今なんと?」
「え?……だから、恋人ができたら報告して、って」
んん?私、今、なんかおかしなこと言ったかな…?
「姉上の恋人は拙者よりも強くて漢気のある者でなければならぬ……!」
「そ、そんなの万葉以外いないよっ!!私、一生恋人できないじゃん!?」
「なら、姉上は拙者と結婚しよう」
「恋人から一気に結婚相手まで進んだね!?!?それに姉弟は結婚できません!」
「ふむ、なら…」
「と、とりあえずこの話はおしまい!」
万葉が何か言おうとしたのを無理矢理遮り、会話を強制終了させた。私のことそんなに大好きなのは嬉しいけど嬉しくないよ…!