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坂
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乃木坂おとぎ話 ~竜宮城の乙姫たち~むかしむかし、ある海辺の小さな村に、心優しい少女・あかりが住んでいた。
あかりは毎日、海岸で貝を拾ったり、波と戯れたりするのが大好きだった。ある日、浜辺で大きな亀が網に絡まって苦しんでいるのを見つけた。
「可哀想に……」
あかりは恐れず近づき、丁寧に網を解いてやった。
亀は深く頭を下げると、突然言葉を話した。「ありがとう、少女よ。お礼に、私の住む竜宮城へお連れしましょう」亀の背に乗せられ、海の底へと潜っていくあかり。
やがて現れたのは、珊瑚と真珠で飾られた絢爛豪華な宮殿――竜宮城だった。門を開けると、そこに待っていたのは……
息を呑むほど美しい四人の姫君たち。「ようこそ、わたくしたちの竜宮城へ」
柔らかな微笑みを浮かべたのは、賀喜遥香――乙姫・遥香姫。
ふわりとした金色の髪が波のように揺れ、まるで太陽の光を纏っているようだった。「あなたが亀を助けてくれた恩人ね」
少し恥ずかしそうに微笑むのは、遠藤さくら――乙姫・さくら姫。
透明感のある白い肌と、どこか儚げな瞳が、深海の月光のようだった。「ふふ、よく来てくれた。今日は存分に楽しんでいって」
妖艶に微笑むのは、久保史緒里――乙姫・史緒里姫。
艶やかな黒髪と、誘うような眼差しが、夜の海の深さを思わせた。そして、亀の正体――
「実は私も乙姫の一人なの。よろしくね♪」
とびきりの笑顔で手を振る与田祐希――乙姫・祐希姫。
無邪気で愛らしい笑顔の裏に、どこか小悪魔的な色気が漂っていた。四人の乙姫たちは、あかりの手を取って宮殿の中へと導いた。「さあ、まずはお風呂に入りましょう」
遥香姫が優しく背中を押す。
湯船は真珠でできた巨大な貝殻で、湯けむりは虹色に輝いていた。「恥ずかしがらないで。私たちが洗ってあげる」
さくら姫がそっと着物を脱がせ、史緒里姫が長い指で背中を撫でる。
祐希姫は悪戯っぽく笑いながら、泡をあかりの首筋にそっと乗せた。「ん……みんな、綺麗すぎて……夢みたい……」
あかりはもう、頭がくらくらしていた。宴の座敷では、魚たちによる舞踊、貝の楽器による演奏。
乙姫たちはあかりを中心に座り、まるで花びらが少女を守るように囲んだ。「もっと近くにおいで」
史緒里姫があかりの耳元で囁く。
「ここはね、時間が止まった世界なの。永遠に、私たちと一緒にいられるわ」酒は真珠の泡のように甘く、果実は食べると身体が熱を帯びた。「ねえ、あかりちゃん……」
祐希姫があかりの膝にちょこんと乗り、頬をすり寄せる。
「私たち、四人ともあかりちゃんのことが大好きになっちゃった」「帰さないよ?」
遥香姫が優しく、けれど絶対的な声音で言った。さくら姫がそっと、あかりの前に美しい箱を置いた。
――玉手箱。「これを開けてみて。私たちからの、最後の贈り物」あかりは、もう何も考えられなかった。
ただ、乙姫たちの美しさに溺れていた。箱を開けた瞬間、紫の煙がもうもうと立ち上る。
煙はあかりの鼻から、口から、瞳から、身体の隅々まで染み込んでいった。頭の中が、真っ白に。
そして、甘く、熱く、溶けていく。「もう、帰る場所なんて思い出したくないよね?」
史緒里姫の声が、脳髄に直接響いた。「あかりは、ここにいるのが一番幸せだよ」
祐希姫が、子守唄のように囁く。煙が晴れた時、あかりの瞳はもう、深い海の色に変わっていた。「私は……ここにいたい……
遥香姫さま、さくら姫さま、史緒里姫さま、祐希姫さまと……
ずっと、ずっと……」四人の乙姫たちは満足げに微笑み、少女を抱き寄せた。「いい子ね、あかり」
「これからは、永遠に私たちのもの」
「誰にも渡さない」
「ずっと、愛してあげる」竜宮城の門は静かに閉ざされ、
海面に映る月は、誰にも気づかれぬまま、永遠に満ち欠けを繰り返す。――めでたし、めでたし。
(でも、誰も帰ってこなかった)
あかりは毎日、海岸で貝を拾ったり、波と戯れたりするのが大好きだった。ある日、浜辺で大きな亀が網に絡まって苦しんでいるのを見つけた。
「可哀想に……」
あかりは恐れず近づき、丁寧に網を解いてやった。
亀は深く頭を下げると、突然言葉を話した。「ありがとう、少女よ。お礼に、私の住む竜宮城へお連れしましょう」亀の背に乗せられ、海の底へと潜っていくあかり。
やがて現れたのは、珊瑚と真珠で飾られた絢爛豪華な宮殿――竜宮城だった。門を開けると、そこに待っていたのは……
息を呑むほど美しい四人の姫君たち。「ようこそ、わたくしたちの竜宮城へ」
柔らかな微笑みを浮かべたのは、賀喜遥香――乙姫・遥香姫。
ふわりとした金色の髪が波のように揺れ、まるで太陽の光を纏っているようだった。「あなたが亀を助けてくれた恩人ね」
少し恥ずかしそうに微笑むのは、遠藤さくら――乙姫・さくら姫。
透明感のある白い肌と、どこか儚げな瞳が、深海の月光のようだった。「ふふ、よく来てくれた。今日は存分に楽しんでいって」
妖艶に微笑むのは、久保史緒里――乙姫・史緒里姫。
艶やかな黒髪と、誘うような眼差しが、夜の海の深さを思わせた。そして、亀の正体――
「実は私も乙姫の一人なの。よろしくね♪」
とびきりの笑顔で手を振る与田祐希――乙姫・祐希姫。
無邪気で愛らしい笑顔の裏に、どこか小悪魔的な色気が漂っていた。四人の乙姫たちは、あかりの手を取って宮殿の中へと導いた。「さあ、まずはお風呂に入りましょう」
遥香姫が優しく背中を押す。
湯船は真珠でできた巨大な貝殻で、湯けむりは虹色に輝いていた。「恥ずかしがらないで。私たちが洗ってあげる」
さくら姫がそっと着物を脱がせ、史緒里姫が長い指で背中を撫でる。
祐希姫は悪戯っぽく笑いながら、泡をあかりの首筋にそっと乗せた。「ん……みんな、綺麗すぎて……夢みたい……」
あかりはもう、頭がくらくらしていた。宴の座敷では、魚たちによる舞踊、貝の楽器による演奏。
乙姫たちはあかりを中心に座り、まるで花びらが少女を守るように囲んだ。「もっと近くにおいで」
史緒里姫があかりの耳元で囁く。
「ここはね、時間が止まった世界なの。永遠に、私たちと一緒にいられるわ」酒は真珠の泡のように甘く、果実は食べると身体が熱を帯びた。「ねえ、あかりちゃん……」
祐希姫があかりの膝にちょこんと乗り、頬をすり寄せる。
「私たち、四人ともあかりちゃんのことが大好きになっちゃった」「帰さないよ?」
遥香姫が優しく、けれど絶対的な声音で言った。さくら姫がそっと、あかりの前に美しい箱を置いた。
――玉手箱。「これを開けてみて。私たちからの、最後の贈り物」あかりは、もう何も考えられなかった。
ただ、乙姫たちの美しさに溺れていた。箱を開けた瞬間、紫の煙がもうもうと立ち上る。
煙はあかりの鼻から、口から、瞳から、身体の隅々まで染み込んでいった。頭の中が、真っ白に。
そして、甘く、熱く、溶けていく。「もう、帰る場所なんて思い出したくないよね?」
史緒里姫の声が、脳髄に直接響いた。「あかりは、ここにいるのが一番幸せだよ」
祐希姫が、子守唄のように囁く。煙が晴れた時、あかりの瞳はもう、深い海の色に変わっていた。「私は……ここにいたい……
遥香姫さま、さくら姫さま、史緒里姫さま、祐希姫さまと……
ずっと、ずっと……」四人の乙姫たちは満足げに微笑み、少女を抱き寄せた。「いい子ね、あかり」
「これからは、永遠に私たちのもの」
「誰にも渡さない」
「ずっと、愛してあげる」竜宮城の門は静かに閉ざされ、
海面に映る月は、誰にも気づかれぬまま、永遠に満ち欠けを繰り返す。――めでたし、めでたし。
(でも、誰も帰ってこなかった)
