談話室に戻ってきたオレたちは、それぞれの顔を見下ろした。


「みなさんに聞いてもらいたいことがあります。
ここの一部の方は、ルールを無視しています。これまでの事件……殺人、これは完全な契約違反ですわ」

ローズさんはそう言って、みゆきちゃんの隣に座った。
みんなの視線がローズさんからオレに移った。

「オレは皆さんの知りたいことを全部教えられません。
皆さんは、どこがこんなことをしたのかと知りたいでしょうが、
オレにわかるのは美樹本さんとケイコさんを殺した犯人だけです」

カードを見てカナコちゃんはどこがこんなことをしたと言った。
殺人があった時、ローズさんもどこがと言った。

ある団体たちがこのペンションに集まったのはわかるが、それが何かはオレにはわからない。

「犯人は僕だ……」

一度は言ってみたかったのだろう。透くんを無視して、真理さんはうなずいた。
「ええ、わかったわ。続けて」
「まずは死んだケイコさん。
ケイコさんはスノボやスキー用具も持ってこなかったのに、 アイスウォーカーだけは持ってきていた。
更に鞄には登山道具も入ってるかもしれませんね」