リトライ前
静かだ……。墓場みたいに。それにとっても寒い。
オレは死んだのか……?
思えば半端な人生だった。そこそこの仕事ができて、そこそこギャンブルで勝って……
半端な理由はオレにもわかってる。
オレはいつでも安全地帯にいたからだ。一歩引いて安全地帯から虎穴を見守ってる。
危ない目にあってまで本気で何かが欲しいなんて、今まではなかった。
だけど今は違う。
オレはカイジさんが……。
「しっかりして!!」
頬に強い衝撃がしてオレは目覚めた。
目覚めると寒さに身体がぶるぶる震えた。
目の前には真理さんがいる。
気のせいか少し痩せたように見える。
真理さんは鼻血をぐいっと拭って、オレをすぐさま立たせる。
「死んだふりなんかしてる場合じゃないでしょ? マインドブレイクはアカギたちが持ってるのよ!」
……はぁ? なんでそんなわかりきったことを言ってるんだこの人は。
オレは痛みに呻いた。左腕をまくると完治したはずの腕には、包帯が巻かれていた。
よくよく見ればオレはペンションシュプールの談話室にそっくりな場所にいた。
というかそのまんまだ。
白い壁にソファー、倒れた机に倒れたみどりさん。
あれ……?
「伝説のスパイだなんて……。私たちとどう違うっていうの?」
聞き覚えのある台詞を吐いて真理さんは救急箱を持って階段を上っていく。
オレは混乱していた。
このシチュエーションはオレがすでに体験した物だ。
聞き覚えのある台詞、完治したはずの腕、倒れてるみどりさん……。
まさか……オレはタイムスリップしたのか?
「うっ……」
頭がガンガンする。オレは頭痛に耐えきれずに頭を抱えた。
不意に溢れてくる情報量に眩暈がした。歪んだ記憶の映像が脳の中を駆けめぐる。
流れていく記憶の映像、それは覚えのないものまであった。
「落ち着け……落ち着くんだ。この後、オレはどうなったか……」
オレは時計を見た。この時間は真理さんは小林さんの応急手当てをしていたはずだ。
オレはアカギを追うために、着替えをし、銃を懐に入れてスノーモービルに乗りこむところだった。
だけど、玄関から出ると銃を持った男たちに見つかって……。アカギと間違われて追われるんだ。
「そうだ、こうしてる暇はない……!」
オレは男たちと鉢合わせしないように裏口から外にでた。
後ろから銃声がしてスノーモービルとともに雪の中へ跳びだす。
頭や肩、むき出しの手に雪が落ちていく。
怪我をしてる左腕が寒さに反応してズキズキと痛んだ。
雪を噛むキャタピラがガクガクしてるのにオレは舌打ちをした。
まったく、何で二回も同じことをやらなきゃいけないんだ。
ん……待てよ……? これがもし、本当に二周めの世界なら。
やり直せる。やり直せるじゃないか。カイジさんをアイツから引き離して、マインドブレイクだって奪い返せる。
オレはアカギの逃亡経路を思い出そうとしてみた。
(ダメだ……おぼろげにしか思いだせねぇ)
何故だかカイジさんのことだけはハッキリ思いだせる。
どの記憶でもカイジさんがオレに靡くことはなかった。
神か悪魔の仕業か。何が理由かはわからねぇし、突き止めることにも興味はない。
だけど、これはチャンスなんだ。こうなったら、とことん利用させてもらう……!
「神よ、オレを祝福しろ……!!」
オレは死んだのか……?
思えば半端な人生だった。そこそこの仕事ができて、そこそこギャンブルで勝って……
半端な理由はオレにもわかってる。
オレはいつでも安全地帯にいたからだ。一歩引いて安全地帯から虎穴を見守ってる。
危ない目にあってまで本気で何かが欲しいなんて、今まではなかった。
だけど今は違う。
オレはカイジさんが……。
「しっかりして!!」
頬に強い衝撃がしてオレは目覚めた。
目覚めると寒さに身体がぶるぶる震えた。
目の前には真理さんがいる。
気のせいか少し痩せたように見える。
真理さんは鼻血をぐいっと拭って、オレをすぐさま立たせる。
「死んだふりなんかしてる場合じゃないでしょ? マインドブレイクはアカギたちが持ってるのよ!」
……はぁ? なんでそんなわかりきったことを言ってるんだこの人は。
オレは痛みに呻いた。左腕をまくると完治したはずの腕には、包帯が巻かれていた。
よくよく見ればオレはペンションシュプールの談話室にそっくりな場所にいた。
というかそのまんまだ。
白い壁にソファー、倒れた机に倒れたみどりさん。
あれ……?
「伝説のスパイだなんて……。私たちとどう違うっていうの?」
聞き覚えのある台詞を吐いて真理さんは救急箱を持って階段を上っていく。
オレは混乱していた。
このシチュエーションはオレがすでに体験した物だ。
聞き覚えのある台詞、完治したはずの腕、倒れてるみどりさん……。
まさか……オレはタイムスリップしたのか?
「うっ……」
頭がガンガンする。オレは頭痛に耐えきれずに頭を抱えた。
不意に溢れてくる情報量に眩暈がした。歪んだ記憶の映像が脳の中を駆けめぐる。
流れていく記憶の映像、それは覚えのないものまであった。
「落ち着け……落ち着くんだ。この後、オレはどうなったか……」
オレは時計を見た。この時間は真理さんは小林さんの応急手当てをしていたはずだ。
オレはアカギを追うために、着替えをし、銃を懐に入れてスノーモービルに乗りこむところだった。
だけど、玄関から出ると銃を持った男たちに見つかって……。アカギと間違われて追われるんだ。
「そうだ、こうしてる暇はない……!」
オレは男たちと鉢合わせしないように裏口から外にでた。
後ろから銃声がしてスノーモービルとともに雪の中へ跳びだす。
頭や肩、むき出しの手に雪が落ちていく。
怪我をしてる左腕が寒さに反応してズキズキと痛んだ。
雪を噛むキャタピラがガクガクしてるのにオレは舌打ちをした。
まったく、何で二回も同じことをやらなきゃいけないんだ。
ん……待てよ……? これがもし、本当に二周めの世界なら。
やり直せる。やり直せるじゃないか。カイジさんをアイツから引き離して、マインドブレイクだって奪い返せる。
オレはアカギの逃亡経路を思い出そうとしてみた。
(ダメだ……おぼろげにしか思いだせねぇ)
何故だかカイジさんのことだけはハッキリ思いだせる。
どの記憶でもカイジさんがオレに靡くことはなかった。
神か悪魔の仕業か。何が理由かはわからねぇし、突き止めることにも興味はない。
だけど、これはチャンスなんだ。こうなったら、とことん利用させてもらう……!
「神よ、オレを祝福しろ……!!」
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