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レクイエム給料/日常編

「カイジさん、行きますよ」
「わかってる」

扉は堅く閉じられている。
見た目はとてもカジノや賭場の入り口には見えないが、それは沼があったビルだってそうだ。
安っぽいアパートのドアの向こうから、悲痛な叫び声やら、笑い声が漏れていた。

今日、ここでギャンブルが行われるとタレコミが入っていて、カイジたちは張りこんでいた。
どうやら当たりらしい。カイジは乾いた唇を舐める。

入り口はひとつで窓はない。ここを抑えるには、正面から入るのみ。
準備は万端で、アカギにうなずいた。

「1、2の3!!」

扉を蹴破り、アカギは部屋になだれこんだ。カイジも続いて調査員の証を示して見せる。

「全員動くな! 賭博法違反の現行犯で逮捕する!!」


部屋にいた男女数人が固まる。
まさか自分たちが捕まるとは思っていなかったろう。
たかがビンゴで……。
ん? ビンゴ?

ボードには番号の書かれた紙、その前のテーブルにはビンゴゲームでよく使う、丸い入れ物が置いてあった。
どこからどう見てもビンゴだ。
ギャンブルではない。

「あはは……」
「あらら……」

笑って誤魔化すしかなかった。
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