相棒戦争 総受

「遊戯って本当ちっちゃいよなー。手なんかこんな小さい」
「城之内先輩! 遊戯さんにそれ、セクハラですよ!」
「わっ?!」
「十代、テメー! テメーこそ尻触ってんじゃねぇよ!」
「オレじゃないっすよ! クリボーが勝手に!!」
「遊戯さんのお尻小さくて可愛い……デヘヘ」
「やっぱりお前じゃねぇか!」


『相棒、大丈夫だったか』
「うん。平気だよ。慣れてるから……」
『……お前は少し大人しすぎるぜ。オレにあんなことしたら死罪だぜ!』
「あはは。君は王様だからね……」

「遊戯……」
「海馬くん? 珍しいね、学校に来るなんて」
「……」
「もうひとりのボクとデュエルしたいの?」
「それはしたいが……後ででいい」
「オレは……貴様に話があって来たのだ」
「なぁに?」
「す……」

「す?」
「す……」
「す?」
「…………」
「というわけだ……」
「なにも言ってないよ!」
「貴様……言ってもわからぬか!!」
「だから言ってないってば!」

「おっと社長、そこまでだ! 遊戯に用があるならオレ様を倒しな!」
「貴様……!」
「オレ様が目的を遂行するまでは、王の器には指一本触れさせないぜ」

「バクラくん、やめてよ。校内だよ」
「て、テメェ……服を掴むな!」
「バクラくん……」
「くっ……。上目遣いで見んじゃねぇえ!!」
「え……?」

バクラのまわりから死霊が吹き出した。
遊戯は悲鳴をあげながら逃げだした。
家に帰ってベットに入ると、疲れがどっとでてきた。
アテムは暗がりの中、遊戯の顔を見下ろしている。


「ふぅ……今日も疲れたね」
『……』
「どうしたの? 難しい顔して」
『……オレは身体がないから、分が悪いと思ってな』
「分が悪い? なんの?」
『いや……』
「変なもうひとりのボク」
『……おやすみ、相棒』
「おやすみ、大好きだよ。もうひとりのボク」
『え……』
「何だか寂しそうにしてたからさ。ボクの気持ち伝えとこうと思って」
『相棒……』

アテムは笑った。

『……まったく、敵わないな』
『大好きだぜ。相棒』



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