日陰の思い 十表
「遊戯さん、遊戯さーん!!」
「なぁに、十代くん」
「好きです!!」
十代はきらきらした目を向ける。
遊戯は顔を赤らめて笑う。
「ありがと……」
「遊戯さん、かわいい……!」
城之内は十代の頭に拳を叩きこむ。
十代は頭を抑えて痛がっていた。
「なに朝っぱらから発情してんだよ!」
「発情って……。城之内くん、そんな」
「十代ー! 授業始まるぞ!」
「おう! 遊戯さん、また!」
城之内は腕組みをして十代が消えるまで監視してる。
「おい遊戯、マジで十代はやべーだろ。ふたりきりで会わないようにしろよ」
「考えすぎだよ。十代くんいい子だから……」
「イヤイヤ……いくら憧れてても部屋にお前のポスターベタベタ貼ったりしないだろ。アイドルかよ」
「それに……最近お前のファンサイトに変な書き込みが……」
「城之内くん、ボクのファンサイトなんて見てるの?」
城之内の顔がかぁっと赤くなる。
「ば、馬鹿言え! たまたま目に入ったんだよ! オレはな……お前が心配なんだよ。もうアテムはいないだろ……だから、オレが守ってやんねぇと……」
「そんな……ボクってそんなに危なっかしいかな?」
「ああ、危なっかしいぜ! 迷子札と防犯ブザー買っとけよ!」
「ボク子供じゃないよ!」
□□
「ボクのファンサイトなんて本当にあるんだ……」
ホームページを開いてみたものの、怖くてクリックできない。
叩かれてたらどうしよう……。
覚悟を決めて勢いをつけてクリックする。
掲示板には沢山の書き込みがあった。
〈遊戯さんかわいい〉
〈本当に高校生には見えない〉
(可愛いってなんだよ……。ボクは高校生だぜ!)
スクロールしていくと段々と異常さがわかってくる。書き込みが過剰になっていく。
撮られた覚えのない画像があった。
自室で寝てる写真だ。
〈遊戯さん犯したい〉
■
「あれ、遊戯さん」
「十代くん……」
「家に帰ったんじゃないですか?」
「うん……」
「家出っす?」
「……似たようなものかな」
無断で部屋に入られていたなんて。
じいちゃんたちに危害がなければいいんだけど。
一体誰に相談したら……。
(アテム、こんな時に君がいてくれたら……)
「オレの部屋来ます?」
「え……」
「いいの?」
「モチです! モチ! 遊戯さんデュエルしましょ!」
「うん!」
寮の十代の部屋に案内されると中は案外片付いていた。
(ほ、本当にボクのポスターばっかり)
何だか恥ずかしくなってくる。
出されたお茶を飲みながら、デュエルの準備を待つ。
ふと机の上の端末が音をたてた。
何となく見てみると自分のファンサイトだった。
書き込みの途中だった。
(遊戯さん好き好き犯したい食べたい)
後ろから抱きしめられた。
痛いくらいに強く。
耳朶を噛まれて悲鳴がでた。
青と金色、妖しく光る双眸がこっちを見つめてる。
悲鳴だけが闇に呑まれた。
終
「なぁに、十代くん」
「好きです!!」
十代はきらきらした目を向ける。
遊戯は顔を赤らめて笑う。
「ありがと……」
「遊戯さん、かわいい……!」
城之内は十代の頭に拳を叩きこむ。
十代は頭を抑えて痛がっていた。
「なに朝っぱらから発情してんだよ!」
「発情って……。城之内くん、そんな」
「十代ー! 授業始まるぞ!」
「おう! 遊戯さん、また!」
城之内は腕組みをして十代が消えるまで監視してる。
「おい遊戯、マジで十代はやべーだろ。ふたりきりで会わないようにしろよ」
「考えすぎだよ。十代くんいい子だから……」
「イヤイヤ……いくら憧れてても部屋にお前のポスターベタベタ貼ったりしないだろ。アイドルかよ」
「それに……最近お前のファンサイトに変な書き込みが……」
「城之内くん、ボクのファンサイトなんて見てるの?」
城之内の顔がかぁっと赤くなる。
「ば、馬鹿言え! たまたま目に入ったんだよ! オレはな……お前が心配なんだよ。もうアテムはいないだろ……だから、オレが守ってやんねぇと……」
「そんな……ボクってそんなに危なっかしいかな?」
「ああ、危なっかしいぜ! 迷子札と防犯ブザー買っとけよ!」
「ボク子供じゃないよ!」
□□
「ボクのファンサイトなんて本当にあるんだ……」
ホームページを開いてみたものの、怖くてクリックできない。
叩かれてたらどうしよう……。
覚悟を決めて勢いをつけてクリックする。
掲示板には沢山の書き込みがあった。
〈遊戯さんかわいい〉
〈本当に高校生には見えない〉
(可愛いってなんだよ……。ボクは高校生だぜ!)
スクロールしていくと段々と異常さがわかってくる。書き込みが過剰になっていく。
撮られた覚えのない画像があった。
自室で寝てる写真だ。
〈遊戯さん犯したい〉
■
「あれ、遊戯さん」
「十代くん……」
「家に帰ったんじゃないですか?」
「うん……」
「家出っす?」
「……似たようなものかな」
無断で部屋に入られていたなんて。
じいちゃんたちに危害がなければいいんだけど。
一体誰に相談したら……。
(アテム、こんな時に君がいてくれたら……)
「オレの部屋来ます?」
「え……」
「いいの?」
「モチです! モチ! 遊戯さんデュエルしましょ!」
「うん!」
寮の十代の部屋に案内されると中は案外片付いていた。
(ほ、本当にボクのポスターばっかり)
何だか恥ずかしくなってくる。
出されたお茶を飲みながら、デュエルの準備を待つ。
ふと机の上の端末が音をたてた。
何となく見てみると自分のファンサイトだった。
書き込みの途中だった。
(遊戯さん好き好き犯したい食べたい)
後ろから抱きしめられた。
痛いくらいに強く。
耳朶を噛まれて悲鳴がでた。
青と金色、妖しく光る双眸がこっちを見つめてる。
悲鳴だけが闇に呑まれた。
終
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