You&I
Aiは大型犬に似てる。
よく抱きついてくるとか。
金色の目を見たら気性がわかる。きらきらして優しい目をしてる。
復活した後、ソルティスのAiとまともにコミュニケーションを取るようになったんだが……。
「遊作」
こうやって抱きつかれてオレは戸惑っていた。
嫌なわけじゃない。むしろ嬉しい。
Aiが変わらずオレを愛してくれることが、たまらなく誇らしい。
だけど。
(心臓がうるさい)
(胸が苦しい)
Aiにとっては親に甘えてるだけだ。
オレがおかしいだけだ。
Aiはまだ幼いし本当の親には酷い目にあわされてきた。
家族と呼べるものはオレしかいない。できることなら甘えさせてやりたい。
だが……。
Aiはオレの腕の中にいて寄りかかっている。
こうやってAiを抱き寄せてると非常に落ち着く。だけど同時に鼓動が高くなる。
「遊作ちゃん……心拍数上がってるけど大丈夫?」
「っつ……」
Aiが脈を計ってくる。
袖をまくられて腕にAiの指が滑ると鳥肌が立つ。
「大丈夫だ」
「でも、顔も赤いし」
「お前がくっつくからだ」
「嫌?」
「……」
(嫌じゃない……のか、オレは)
あの事件以来誰かに接触したいなんて思わなかった。
Aiだけだ。違和感なく触れあえたのは。
「嫌じゃない」
「へー、マジですか」
大型犬はのしかかってくる。
尾を振って体の上だ。
「遊作ちゃん可愛いなぁ、キャー、まつげ長い」
お前もだろ。
Aiが唇を額に寄せる。痺れが体に走った。
Aiの服を思わず掴む。
「あ、昼ドラの時間だ」
「ち、ちょっと待て」
オレより昼ドラのが大事か。
Aiはオレを愛してるんじゃなかったのか。
こうやって抱き寄せたらもっと……何かあるだろう。
少なくともオレは。
Aiの唇を見て赤くなる。
Aiはソファーに座ってテレビに夢中だ。
溜め息をついて隣にすわった。
いつも構ってするのはAiばかりなのに、昼ドラの時は逆だな。
Aiがオレを見てないだけで何だかつまらなくなる。
愛してるのは間違いない。Aiはオレの相棒で片割れ。一生かけて守るつもりだ。
しかしそれだけじゃない。オレは……。
「この俳優、かっこいいよな~」
「……そうだろうか」
Aiはアイドルや女優より、男優に声をあげることが多い。
年齢的には恋愛より同性?への憧れのが強いのかもしれない。
しかし……。
「デュエルは弱そうだ」
「はは、遊作ちゃんそればっかだな」
「オレのが強い」
「うーん、男の価値はそれだけじゃないと思うんだけどな~」
「それに無愛想だ」
「そこ遊作ちゃんが言っちゃう?!」
「……」
「遊作ちゃんさ……、焼き餅妬いてるの?」
何も言えなかった。
Aiはにっこり笑った。ドラマより面白い物が見つかったようだ。
闇属性らしい笑顔はきらきらしてる。
「遊作ちゃん、可愛いね」
「……黙れ」
「Ai、こっちに来い」
Aiを膝上に抱えて頭を撫でてやる。
Aiはオレの相棒だ。
「はっきり言おう」
「?」
「オレはお前をこんな奴……いや、他の男に譲るつもりはない」
「??」
「オレが一番近くにいてお前を守ってやれる」
「だから……もしお前が他の男を連れてきても……オレは負けるつもりはない」
「ゆ、遊作ちゃん何言ってんだよ」
「……愛してるって言ったのに、伝わってねーのかよ……(ボソボソ」
「大体何で俺が連れてくるのが男限定なんだ……」
「アクアみたいな美人連れてきたらどうする?」
「それはない」
「何でだよ!」
「お前が本能的に求めてるのは、オレだからだ」
「うっ」
「遊作ちゃんってばさ……俺にダイレクトアタックするの止めてくんない?」
「とにかく、お前を渡す気はない」
「遊作ちゃ……」
制服のネクタイを取ってAiに目隠しをする。
こうすればドラマに取られることはないだろう。
「むぅ、何も見えないぜ」
「ここにいる」
Aiがぺたぺた顔を触ってくる。
オレを形で認識して一言。
「すき……遊作」
思わず唇を寄せていた。
Aiは背筋を震わせてブルブルしだす。
「な、何。何今の柔らかいの」
「……風呂を沸かすか」
「遊作、ちょっと待て! もう一回、もう一回しよ?」
「遊作さ、今俺にキスしたよな?」
「そんな訳ないが」
「絶対したもん! ズルい! 俺だってしたい!」
「っていうか目隠し外してー!」
「嫌だ」
はっきりわかった。オレはAiを愛している。
親的な愛情だと思おうとしたが無理だ。
オレはAiにとって一番でありたい。
誰よりも近くにいたらいつでも守ってやれるから。
終
よく抱きついてくるとか。
金色の目を見たら気性がわかる。きらきらして優しい目をしてる。
復活した後、ソルティスのAiとまともにコミュニケーションを取るようになったんだが……。
「遊作」
こうやって抱きつかれてオレは戸惑っていた。
嫌なわけじゃない。むしろ嬉しい。
Aiが変わらずオレを愛してくれることが、たまらなく誇らしい。
だけど。
(心臓がうるさい)
(胸が苦しい)
Aiにとっては親に甘えてるだけだ。
オレがおかしいだけだ。
Aiはまだ幼いし本当の親には酷い目にあわされてきた。
家族と呼べるものはオレしかいない。できることなら甘えさせてやりたい。
だが……。
Aiはオレの腕の中にいて寄りかかっている。
こうやってAiを抱き寄せてると非常に落ち着く。だけど同時に鼓動が高くなる。
「遊作ちゃん……心拍数上がってるけど大丈夫?」
「っつ……」
Aiが脈を計ってくる。
袖をまくられて腕にAiの指が滑ると鳥肌が立つ。
「大丈夫だ」
「でも、顔も赤いし」
「お前がくっつくからだ」
「嫌?」
「……」
(嫌じゃない……のか、オレは)
あの事件以来誰かに接触したいなんて思わなかった。
Aiだけだ。違和感なく触れあえたのは。
「嫌じゃない」
「へー、マジですか」
大型犬はのしかかってくる。
尾を振って体の上だ。
「遊作ちゃん可愛いなぁ、キャー、まつげ長い」
お前もだろ。
Aiが唇を額に寄せる。痺れが体に走った。
Aiの服を思わず掴む。
「あ、昼ドラの時間だ」
「ち、ちょっと待て」
オレより昼ドラのが大事か。
Aiはオレを愛してるんじゃなかったのか。
こうやって抱き寄せたらもっと……何かあるだろう。
少なくともオレは。
Aiの唇を見て赤くなる。
Aiはソファーに座ってテレビに夢中だ。
溜め息をついて隣にすわった。
いつも構ってするのはAiばかりなのに、昼ドラの時は逆だな。
Aiがオレを見てないだけで何だかつまらなくなる。
愛してるのは間違いない。Aiはオレの相棒で片割れ。一生かけて守るつもりだ。
しかしそれだけじゃない。オレは……。
「この俳優、かっこいいよな~」
「……そうだろうか」
Aiはアイドルや女優より、男優に声をあげることが多い。
年齢的には恋愛より同性?への憧れのが強いのかもしれない。
しかし……。
「デュエルは弱そうだ」
「はは、遊作ちゃんそればっかだな」
「オレのが強い」
「うーん、男の価値はそれだけじゃないと思うんだけどな~」
「それに無愛想だ」
「そこ遊作ちゃんが言っちゃう?!」
「……」
「遊作ちゃんさ……、焼き餅妬いてるの?」
何も言えなかった。
Aiはにっこり笑った。ドラマより面白い物が見つかったようだ。
闇属性らしい笑顔はきらきらしてる。
「遊作ちゃん、可愛いね」
「……黙れ」
「Ai、こっちに来い」
Aiを膝上に抱えて頭を撫でてやる。
Aiはオレの相棒だ。
「はっきり言おう」
「?」
「オレはお前をこんな奴……いや、他の男に譲るつもりはない」
「??」
「オレが一番近くにいてお前を守ってやれる」
「だから……もしお前が他の男を連れてきても……オレは負けるつもりはない」
「ゆ、遊作ちゃん何言ってんだよ」
「……愛してるって言ったのに、伝わってねーのかよ……(ボソボソ」
「大体何で俺が連れてくるのが男限定なんだ……」
「アクアみたいな美人連れてきたらどうする?」
「それはない」
「何でだよ!」
「お前が本能的に求めてるのは、オレだからだ」
「うっ」
「遊作ちゃんってばさ……俺にダイレクトアタックするの止めてくんない?」
「とにかく、お前を渡す気はない」
「遊作ちゃ……」
制服のネクタイを取ってAiに目隠しをする。
こうすればドラマに取られることはないだろう。
「むぅ、何も見えないぜ」
「ここにいる」
Aiがぺたぺた顔を触ってくる。
オレを形で認識して一言。
「すき……遊作」
思わず唇を寄せていた。
Aiは背筋を震わせてブルブルしだす。
「な、何。何今の柔らかいの」
「……風呂を沸かすか」
「遊作、ちょっと待て! もう一回、もう一回しよ?」
「遊作さ、今俺にキスしたよな?」
「そんな訳ないが」
「絶対したもん! ズルい! 俺だってしたい!」
「っていうか目隠し外してー!」
「嫌だ」
はっきりわかった。オレはAiを愛している。
親的な愛情だと思おうとしたが無理だ。
オレはAiにとって一番でありたい。
誰よりも近くにいたらいつでも守ってやれるから。
終
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