ハロウィンイベントが始まります
西の古城にハノイの騎士がでる。
そう聞いたのは仲間からだ。
遊作は外套を頭から被り剣を腰に、城を目指していた。
腕の防具から絵札を取り出す。
発動すると絵札からでた火が辺りを照らした。
残照が森を暗くさしていた。
最近このエリアでは活発にハノイの騎士が動いていた。
ハノイの騎士は闇のイグニスを追ってるらしい。
闇のイグニスとは何かわからなかったが、それを先に手に入れたらハノイの騎士がでてくるのは明白だ。
仲間の草薙と遊作はそれを絶対に手に入れたかった。
復讐のため。
そのために新規参入したこのVRゲームにログインしていた。
「ここか……」
草薙が言っていた城だ。
大きな扉を開けるとひとりでに紫色の炎が広間を照らした。
茨のつるのような黒い触手が広間いっぱいに広がっていた。
合間には白い衣服が見え隠れしていた。
遊作は剣を抜いた。
「た、助けてくれぇ!!」
「お前は……」
ハノイの騎士だった。
辛うじて仮面だけが触手の合間から見えていた。
仮面にヒビが入っていく。
「んひぃ、ウヒヒヒッ」
「?!」
ハノイの騎士は恍惚の表情とともに消えてしまった。
触手が遊作の手首をつかむ。剣は呆気なく床へと落ちる。
気づいた時には宙に持ち上げられてさかさになっていた。
辺り一面闇だった。闇はぬるぬると枝を伸ばして遊作の衣服の合間に入っていく。
「う……」
「ん、お前……」
男の声がした。マントをまとった青年が立っていた。紫炎の燭台を手に持っている。
人ではないのがわかった。妖しく金眼が光っている。
「ハノイの騎士じゃねぇな」
「……ん~、でもあいつらより全然美味そうだな」
触手の先は濡れていた。ぬるぬるして柔らかくて、肌にかすると体が跳ねた。
なぜだか嫌悪感はなかった。
触手の合間から声を搾り出す。
「美味そう……とは」
「俺様、人間のデータや精気吸うの」
「……お前、悪魔族か」
「悪魔じゃねーよ。イグニスだけど」
「何……お前が」
探していた闇のイグニス。
間違いなかった。ハノイたちを飲み込む巨大な力を使う。
精気を吸うと聞いてさっきのハノイの騎士の表情の謎がとけた。
触手は人間を捕らえて気持ちよくさせるためらしい。
「このゲームに逃げこんだ時に、サキュバスのデータに入っちまってな。おかげで人のデータや精気がないと力がでねーの」
「サキュバスは、理想の形を取って人を誘惑する」
「そうそ、この姿がお前の理想ってわけ」
「……そんなわけが……」
どこからどこまでが嘘か油断できない。
ただのデータAIではないのはわかる。
唇が重なる瞬間、セットされたデッキの絵札から火がでてきた。
闇のイグニスのマントに火が降り注いで転げ回る。
触手が緩んだ。
宙を落ちる遊作は膝をついて着地した。
目の前の剣を拾った。闇のイグニスの頭に鞘ごと振り下ろした。
「いってー!!」
遊作は首輪が描かれた絵札を発動した。
闇のイグニスの首に首輪がハマっていた。
触ってみても外れない。そこから力が抜けていくようだった。
「これは」
「お前は人質だ」
「ひとじち……?」
そう聞いたのは仲間からだ。
遊作は外套を頭から被り剣を腰に、城を目指していた。
腕の防具から絵札を取り出す。
発動すると絵札からでた火が辺りを照らした。
残照が森を暗くさしていた。
最近このエリアでは活発にハノイの騎士が動いていた。
ハノイの騎士は闇のイグニスを追ってるらしい。
闇のイグニスとは何かわからなかったが、それを先に手に入れたらハノイの騎士がでてくるのは明白だ。
仲間の草薙と遊作はそれを絶対に手に入れたかった。
復讐のため。
そのために新規参入したこのVRゲームにログインしていた。
「ここか……」
草薙が言っていた城だ。
大きな扉を開けるとひとりでに紫色の炎が広間を照らした。
茨のつるのような黒い触手が広間いっぱいに広がっていた。
合間には白い衣服が見え隠れしていた。
遊作は剣を抜いた。
「た、助けてくれぇ!!」
「お前は……」
ハノイの騎士だった。
辛うじて仮面だけが触手の合間から見えていた。
仮面にヒビが入っていく。
「んひぃ、ウヒヒヒッ」
「?!」
ハノイの騎士は恍惚の表情とともに消えてしまった。
触手が遊作の手首をつかむ。剣は呆気なく床へと落ちる。
気づいた時には宙に持ち上げられてさかさになっていた。
辺り一面闇だった。闇はぬるぬると枝を伸ばして遊作の衣服の合間に入っていく。
「う……」
「ん、お前……」
男の声がした。マントをまとった青年が立っていた。紫炎の燭台を手に持っている。
人ではないのがわかった。妖しく金眼が光っている。
「ハノイの騎士じゃねぇな」
「……ん~、でもあいつらより全然美味そうだな」
触手の先は濡れていた。ぬるぬるして柔らかくて、肌にかすると体が跳ねた。
なぜだか嫌悪感はなかった。
触手の合間から声を搾り出す。
「美味そう……とは」
「俺様、人間のデータや精気吸うの」
「……お前、悪魔族か」
「悪魔じゃねーよ。イグニスだけど」
「何……お前が」
探していた闇のイグニス。
間違いなかった。ハノイたちを飲み込む巨大な力を使う。
精気を吸うと聞いてさっきのハノイの騎士の表情の謎がとけた。
触手は人間を捕らえて気持ちよくさせるためらしい。
「このゲームに逃げこんだ時に、サキュバスのデータに入っちまってな。おかげで人のデータや精気がないと力がでねーの」
「サキュバスは、理想の形を取って人を誘惑する」
「そうそ、この姿がお前の理想ってわけ」
「……そんなわけが……」
どこからどこまでが嘘か油断できない。
ただのデータAIではないのはわかる。
唇が重なる瞬間、セットされたデッキの絵札から火がでてきた。
闇のイグニスのマントに火が降り注いで転げ回る。
触手が緩んだ。
宙を落ちる遊作は膝をついて着地した。
目の前の剣を拾った。闇のイグニスの頭に鞘ごと振り下ろした。
「いってー!!」
遊作は首輪が描かれた絵札を発動した。
闇のイグニスの首に首輪がハマっていた。
触ってみても外れない。そこから力が抜けていくようだった。
「これは」
「お前は人質だ」
「ひとじち……?」
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