Ragged relationships
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「ラギー・ブッチ君。そんなに僕を見つめたところで僕は弱らないし弱ったとしても美味しくはないよ」
昼食をとっていた名無しは落ち着けなかった。
何故だか目の前に座るハイエナの彼、ラギー・ブッチが名無しをじっと見てくるからである。
今口にしている肉料理、お弁当の定番「唐揚げ」が欲しいのだろうか。と、思いながらも名無しはハイエナに通じるジョークを交えて何事かと尋ねた。
「いやー、今更ッスけど。名無しさんってあのレオナさんには珍しく穏やかな友達だなーって改めて思って。あとさすがに人間は食べないッス。そっちの唐揚げならいただきますけど。」
「それは喜ぶべきなのかい?怒るべきなのかい?」
「いやいや!決して悪い意味じゃないッスよ!」
「そうかい。なら、本当にどうして今更そんな疑問が?」
弁当箱の蓋を器にし、ラギーに唐揚げを分けながら、名無しは疑問を疑問で返した。
嬉しそうに唐揚げを頬張りながらラギーは名無しの疑問に答える。
「レオナさんが、昼食買ってくるついでに名無しさんがいたら呼んで来い~っていうもんなんで。」
「またか…。別に自分で連絡すればいいのに面倒な手段をとる王子様だね。」
「本っ当にそうッスよね~。んで、常々疑問だったんスよ。どっちかっていうと名無しさんってレオナさんとつるむのにはちょっとタイプ違うじゃないッスか。イグニハイド寮だし。」
「それを聞いたらイデアくんが怒るだろうね。」
「おっと…最後のはなかったことに。」
「とりあえず移動しようか。話は道すがらできるし。」
そういって二人は席を立つと、当のレオナが我が物顔で眠っている植物園へと向かう。
植物園へ向かう道中、名無しはラギーの疑問に答え続ける。
「それで、さっきの話の続きだったよね。単純に利害が一致したってだけかな。」
「え。そんなドライなもん!?にしても、どう一致したのかオレにはさっぱり……」
「僕がマジフト部にいる、っていうのが一番わかりやすいいんじゃないかな。僕は運動が嫌い、けれど魔力は高い。そして出会った当時目立ちたくない僕はどこの部活にも所属していなかった。」
「へー。なんかやりたい部活とかなかったんスか?目立たない~っていうならまさにボードゲーム部とか」
「僕はそういう頭を使うこともあんまり。同じように室内で何かするなら料理のほうが好き。」
「たしかに。さっきの唐揚げ美味かった~!」
なのに何故目立つマジフト部になんか、とさらにラギーが質問を返した。料理が好きなら料理同好会でも設立する選択もある。その他沢山、体を動かないかつ目立たた無い部活などごまんとある。その中であえてマジフト部に入っているとなると話が矛盾していると感じるのは当然の反応だ。やっぱりそう思うかい?と言いたげに名無しは話を続ける。
「動くのは嫌いなんだけどね、ああいうディスクとかを扱うのは好きなんだ。それで、一人でディスク飛ばして遊んでいたときにレオナ君に見つかってね。」
「それまた妙な出会いで。」
「そこでひと悶着があってね。ちょっと彼が嫌がることを僕がしてしまったんだよ。」
「え、なにしたんスか」
「彼からすると、大会にも出ない。力を持て余しているくせに勝敗にも執着しないっていう僕が気に食わなかったんだと思うんだ。あれは二年前のマジフト大会のあとだったから。」
「あ!それってディアソムニア寮が勝った時の…!」
「そう。だから彼は言ってきたんだ。『玉遊びだけがお上手なやつは気楽でいいな』って」
言いそう。と苦笑しながらラギーはその時の風景を想像する。
名無しに続きを語るよう促すと名無しは、無表情ながらも愉快そうな声で続きを語る。
「そんなこと無関係な僕に言われても、当時は困ったからさ。素直に言ってしまったんだよ。『見ず知らずの僕に喧嘩を売る暇があるなら練習するのが合理的じゃない?』って」
「はっはっは!!!名無しさんって結構毒舌ッスね!レオナさんそれは怒るわ!」
「安い挑発に乗る彼じゃないけど、虫の居所が悪かったんだね。当然だけど。」
「ははは!それで、その話だと全然仲良くなる見通しが見えないんスけど結局どうなったんスか?」
結末を早く聞かせろと言わんばかりに、ラギーは名無しを急かした。
何故友人であるのか、ということを雄弁に語ってやろうと思った名無しは本当に話してもいいのかい?とラギーに確認をする。
なんとなくその後の二人に険悪な展開が見えていたラギーは、間の話は端折っても大体わかるっしょ、とサラっという。
名無しはこれからだというのに、と残念そうに肩をすくめると続きを語り始めた。
「ま、そのあと勝負することになるんだけど。僕が奇跡的に勝ってね。お友達になろうか、って言ったのさ。」
「え!?!まさかの展開すぎてびっくりしたッス!だってレオナさんといるとめちゃくちゃ目立つじゃないッスか!」
「そこがポイントなんだよ。」
植物園の前に到着した名無しは嬉しそうにドアを開けラギーと共に中に入ろうとすると、名無しは誰かとぶつかってしまった。
「おい、なにゴチャゴチャくだらない話してんだ。五月蠅くて昼寝もできやしねぇ。」
「おっと。ご本人がお出迎えとは。」
話の結末もまだ、というところで話の渦中にいたレオナが会話に割って入る。自分がいないところで自分の話をされたのが不快だったのか、本当に眠っていたかったのかは定かではないが、レオナは機嫌が悪そうに尻尾を振っていた。
「君が僕を連れてくるようラギー・ブッチ君に言ったんだろ。きてあげたのにその言い草はなんだい。」
「だからってくだらない話をしてんじゃねぇよ。」
「あーぁ、面白い話聞けると思ったのに。」
「おいラギー。それよりちゃんと買ってきたんだろうな」
へいへい、と適当な返事をしながらラギーはレオナに頼まれた昼食の取り出し、依頼主へと渡しす。受け取ったものを確認し、レオナは再び植物園の奥へと向かおうとし名無しの声をかけた。
「行くぞ。名無し。」
「行くぞ、じゃなくて用件はなんだったんだい。」
「食いながら話すからいいだろ」
「はー…横暴だなー。行くよ王子様。」
口ほど嫌がるそぶりを見せない名無しはレオナの後に続いて奥へと向かっていく。
王子様といわれたことが不快だったのか再び機嫌が悪くなったレオナと、猫じゃらしで弄ぶかのように煽る会話を投げる名無し。そんな二人の背中を追うようにラギーも歩みを進める。
そして先ほどまで名無しと話していた話題をレオナにも振る。
「さっき名無しさんにも聞いたんスけど。なんで二人ってお友達なんすか?タイプ違くないッスか?」
「お友達もなにもないだろ。使えるもんは使う。欲しいもんは手に入れる。俺はそうしただけだ。」
「え」
「マジフト部に必要な戦力、って意味ね。結論を言うと、あの後一騎打ちをして戦略の趣味が合った、ってだけだよ。」
「あ、あー。だから名無しさん、実践じゃなくてマネージャーっぽいことしてたのか。」
「こんなもやし、実践出したら1秒で干からびるだろ。」
「ん。失礼だね。レオナ君。これを見越して多めに持ってきた唐揚げを君はいらないという事でいいのかい?」
いつも通り、レオナの発言を静かに煽りながら名無しは会話を続ける。約束されたようなテンポで会話を続ける二人を眺めながら、ラギーはやれやれとため息をついた。
(いっつも夫婦漫才見せられてる気がしてたから疑ってたけど……。こりゃ何て名前の関係なのかねー……。ま、言うとやばいんで黙っとこ。)
自分が投げかけた質問は気が付けば別の話題に移り変わり、話題の主役はすっかり唐揚げに奪われてしまっていた。
そんな話題の流れもいつものこと、と思いラギーは頭の後ろに腕を組み、楽しそうに笑う。
「ま、わからないままも面白いっしょ。シシシ」
昼食をとっていた名無しは落ち着けなかった。
何故だか目の前に座るハイエナの彼、ラギー・ブッチが名無しをじっと見てくるからである。
今口にしている肉料理、お弁当の定番「唐揚げ」が欲しいのだろうか。と、思いながらも名無しはハイエナに通じるジョークを交えて何事かと尋ねた。
「いやー、今更ッスけど。名無しさんってあのレオナさんには珍しく穏やかな友達だなーって改めて思って。あとさすがに人間は食べないッス。そっちの唐揚げならいただきますけど。」
「それは喜ぶべきなのかい?怒るべきなのかい?」
「いやいや!決して悪い意味じゃないッスよ!」
「そうかい。なら、本当にどうして今更そんな疑問が?」
弁当箱の蓋を器にし、ラギーに唐揚げを分けながら、名無しは疑問を疑問で返した。
嬉しそうに唐揚げを頬張りながらラギーは名無しの疑問に答える。
「レオナさんが、昼食買ってくるついでに名無しさんがいたら呼んで来い~っていうもんなんで。」
「またか…。別に自分で連絡すればいいのに面倒な手段をとる王子様だね。」
「本っ当にそうッスよね~。んで、常々疑問だったんスよ。どっちかっていうと名無しさんってレオナさんとつるむのにはちょっとタイプ違うじゃないッスか。イグニハイド寮だし。」
「それを聞いたらイデアくんが怒るだろうね。」
「おっと…最後のはなかったことに。」
「とりあえず移動しようか。話は道すがらできるし。」
そういって二人は席を立つと、当のレオナが我が物顔で眠っている植物園へと向かう。
植物園へ向かう道中、名無しはラギーの疑問に答え続ける。
「それで、さっきの話の続きだったよね。単純に利害が一致したってだけかな。」
「え。そんなドライなもん!?にしても、どう一致したのかオレにはさっぱり……」
「僕がマジフト部にいる、っていうのが一番わかりやすいいんじゃないかな。僕は運動が嫌い、けれど魔力は高い。そして出会った当時目立ちたくない僕はどこの部活にも所属していなかった。」
「へー。なんかやりたい部活とかなかったんスか?目立たない~っていうならまさにボードゲーム部とか」
「僕はそういう頭を使うこともあんまり。同じように室内で何かするなら料理のほうが好き。」
「たしかに。さっきの唐揚げ美味かった~!」
なのに何故目立つマジフト部になんか、とさらにラギーが質問を返した。料理が好きなら料理同好会でも設立する選択もある。その他沢山、体を動かないかつ目立たた無い部活などごまんとある。その中であえてマジフト部に入っているとなると話が矛盾していると感じるのは当然の反応だ。やっぱりそう思うかい?と言いたげに名無しは話を続ける。
「動くのは嫌いなんだけどね、ああいうディスクとかを扱うのは好きなんだ。それで、一人でディスク飛ばして遊んでいたときにレオナ君に見つかってね。」
「それまた妙な出会いで。」
「そこでひと悶着があってね。ちょっと彼が嫌がることを僕がしてしまったんだよ。」
「え、なにしたんスか」
「彼からすると、大会にも出ない。力を持て余しているくせに勝敗にも執着しないっていう僕が気に食わなかったんだと思うんだ。あれは二年前のマジフト大会のあとだったから。」
「あ!それってディアソムニア寮が勝った時の…!」
「そう。だから彼は言ってきたんだ。『玉遊びだけがお上手なやつは気楽でいいな』って」
言いそう。と苦笑しながらラギーはその時の風景を想像する。
名無しに続きを語るよう促すと名無しは、無表情ながらも愉快そうな声で続きを語る。
「そんなこと無関係な僕に言われても、当時は困ったからさ。素直に言ってしまったんだよ。『見ず知らずの僕に喧嘩を売る暇があるなら練習するのが合理的じゃない?』って」
「はっはっは!!!名無しさんって結構毒舌ッスね!レオナさんそれは怒るわ!」
「安い挑発に乗る彼じゃないけど、虫の居所が悪かったんだね。当然だけど。」
「ははは!それで、その話だと全然仲良くなる見通しが見えないんスけど結局どうなったんスか?」
結末を早く聞かせろと言わんばかりに、ラギーは名無しを急かした。
何故友人であるのか、ということを雄弁に語ってやろうと思った名無しは本当に話してもいいのかい?とラギーに確認をする。
なんとなくその後の二人に険悪な展開が見えていたラギーは、間の話は端折っても大体わかるっしょ、とサラっという。
名無しはこれからだというのに、と残念そうに肩をすくめると続きを語り始めた。
「ま、そのあと勝負することになるんだけど。僕が奇跡的に勝ってね。お友達になろうか、って言ったのさ。」
「え!?!まさかの展開すぎてびっくりしたッス!だってレオナさんといるとめちゃくちゃ目立つじゃないッスか!」
「そこがポイントなんだよ。」
植物園の前に到着した名無しは嬉しそうにドアを開けラギーと共に中に入ろうとすると、名無しは誰かとぶつかってしまった。
「おい、なにゴチャゴチャくだらない話してんだ。五月蠅くて昼寝もできやしねぇ。」
「おっと。ご本人がお出迎えとは。」
話の結末もまだ、というところで話の渦中にいたレオナが会話に割って入る。自分がいないところで自分の話をされたのが不快だったのか、本当に眠っていたかったのかは定かではないが、レオナは機嫌が悪そうに尻尾を振っていた。
「君が僕を連れてくるようラギー・ブッチ君に言ったんだろ。きてあげたのにその言い草はなんだい。」
「だからってくだらない話をしてんじゃねぇよ。」
「あーぁ、面白い話聞けると思ったのに。」
「おいラギー。それよりちゃんと買ってきたんだろうな」
へいへい、と適当な返事をしながらラギーはレオナに頼まれた昼食の取り出し、依頼主へと渡しす。受け取ったものを確認し、レオナは再び植物園の奥へと向かおうとし名無しの声をかけた。
「行くぞ。名無し。」
「行くぞ、じゃなくて用件はなんだったんだい。」
「食いながら話すからいいだろ」
「はー…横暴だなー。行くよ王子様。」
口ほど嫌がるそぶりを見せない名無しはレオナの後に続いて奥へと向かっていく。
王子様といわれたことが不快だったのか再び機嫌が悪くなったレオナと、猫じゃらしで弄ぶかのように煽る会話を投げる名無し。そんな二人の背中を追うようにラギーも歩みを進める。
そして先ほどまで名無しと話していた話題をレオナにも振る。
「さっき名無しさんにも聞いたんスけど。なんで二人ってお友達なんすか?タイプ違くないッスか?」
「お友達もなにもないだろ。使えるもんは使う。欲しいもんは手に入れる。俺はそうしただけだ。」
「え」
「マジフト部に必要な戦力、って意味ね。結論を言うと、あの後一騎打ちをして戦略の趣味が合った、ってだけだよ。」
「あ、あー。だから名無しさん、実践じゃなくてマネージャーっぽいことしてたのか。」
「こんなもやし、実践出したら1秒で干からびるだろ。」
「ん。失礼だね。レオナ君。これを見越して多めに持ってきた唐揚げを君はいらないという事でいいのかい?」
いつも通り、レオナの発言を静かに煽りながら名無しは会話を続ける。約束されたようなテンポで会話を続ける二人を眺めながら、ラギーはやれやれとため息をついた。
(いっつも夫婦漫才見せられてる気がしてたから疑ってたけど……。こりゃ何て名前の関係なのかねー……。ま、言うとやばいんで黙っとこ。)
自分が投げかけた質問は気が付けば別の話題に移り変わり、話題の主役はすっかり唐揚げに奪われてしまっていた。
そんな話題の流れもいつものこと、と思いラギーは頭の後ろに腕を組み、楽しそうに笑う。
「ま、わからないままも面白いっしょ。シシシ」
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