SS(snap shot)もしも(治癒)魔法が使えたら


「よーし、まずはフレイアちゃんね! アタシの武器と治癒魔法って、組み合わせ的に悪くないと思うんだよね!」
 フレイアは片目を瞑るとグローブについた携帯水晶に軽く触れた。
「ふお。弓と治癒魔法……」
「やっぱり治療担当が真っ先に倒れるのはマズイし、可能な限り前に出ない方がいいじゃない?」
 ぽん、と両手を合わせるリセ。
「なるほど!」
「確かに、フレイアさんは後衛ですわね」
「それに常に周りの状況に気を配りながら戦ってくれていますから、後ろから攻撃しつつ場合に応じて救護に回る、という立ち回りも問題なくこなせそうです」
「アタシが言おうとしてたこと全部言ってくれた! でしょでしょー!?」
「お前わりといつも冷静だから、治療順の判断も早そうだしな」
「すごい褒められてる! 嬉しー、もっと褒めてー! これは一番手のフレイアちゃんで優勝決定なのでは!?」
 短いながらも的を射た訴求は好評のようだ。審査委員長――フェスタは次は誰に振ろうかと見回す。
「イズムさん、どうぞ」
「この後って結構難しくないです?」
「目が合いましたので」
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