Story.6 月下の賭け
「ただいま……って、あれ、なんだハール来てたんですか?」
「イズム!」
(あ、また「なんだ」って言われた……)
「イズムさまおかえりなさいー!」
キヨは東の国の民族衣装、『キモノ』に似た服の袂をはためかせ、嬉しそうに彼に駆け寄る。ドアが開いたせいで、外の雨音がより大きく聞こえるようになった。
よく見ると、彼の隣にはもう一人誰かいるようで。イズムはそちらに顔を向けると、小さく微笑んだ。
「……あ、入って構いませんよ」
リセ達からは死角にいた人物に声をかけ、頷いたらしい気配がこちらにも伝わってくる。
そして――――
「お邪魔しま――……ッて、リセ! ハール君!?」
目の前に現れたのは、
「「フレイア――ッ!?」」
見事にリセとハールの声が重なる。
「え!? えぇ!? フレイア!?」
「フレイア、何でお前イズムと――!?」
「そっちこそ何でイズム君の家に!?」
互いに飲み込めない状況に、思わず叫んだ三人だった。
「あれ、知り合い……ですか?」
その中で、のほほんとしているイズムとキヨ。
「んー……? そうみたいですねー……とにかくおかえりなさい、イズムさまっ!」
「はい。ただいま、キヨ」
軽く微笑み合い、イズムはキヨの頭を何気無く撫でる。
「え!? じゃ、じゃあハール君の知り合いってのはもしかして!?」
「もしかしなくてもこの状況でそれ以外にないだろ!?」
「フレイア! よかったぁーっ!!」
「イズムさまー、お店まだ開いてたんですねー」
「ええ、まさか小麦粉が切れているのを忘れていたなんて……小麦粉、大切ですよね」
「はい! 小麦粉は大切です!」
……なかなか、マイペースな二人だった。
「イズム!」
(あ、また「なんだ」って言われた……)
「イズムさまおかえりなさいー!」
キヨは東の国の民族衣装、『キモノ』に似た服の袂をはためかせ、嬉しそうに彼に駆け寄る。ドアが開いたせいで、外の雨音がより大きく聞こえるようになった。
よく見ると、彼の隣にはもう一人誰かいるようで。イズムはそちらに顔を向けると、小さく微笑んだ。
「……あ、入って構いませんよ」
リセ達からは死角にいた人物に声をかけ、頷いたらしい気配がこちらにも伝わってくる。
そして――――
「お邪魔しま――……ッて、リセ! ハール君!?」
目の前に現れたのは、
「「フレイア――ッ!?」」
見事にリセとハールの声が重なる。
「え!? えぇ!? フレイア!?」
「フレイア、何でお前イズムと――!?」
「そっちこそ何でイズム君の家に!?」
互いに飲み込めない状況に、思わず叫んだ三人だった。
「あれ、知り合い……ですか?」
その中で、のほほんとしているイズムとキヨ。
「んー……? そうみたいですねー……とにかくおかえりなさい、イズムさまっ!」
「はい。ただいま、キヨ」
軽く微笑み合い、イズムはキヨの頭を何気無く撫でる。
「え!? じゃ、じゃあハール君の知り合いってのはもしかして!?」
「もしかしなくてもこの状況でそれ以外にないだろ!?」
「フレイア! よかったぁーっ!!」
「イズムさまー、お店まだ開いてたんですねー」
「ええ、まさか小麦粉が切れているのを忘れていたなんて……小麦粉、大切ですよね」
「はい! 小麦粉は大切です!」
……なかなか、マイペースな二人だった。