Story.5 小さな盗人(後編)
ある朝、姉ちゃんに手紙が来た。大きい町にある、大きいすごい学校からのお誘いだって言ってた。
姉ちゃんはすごいから、すごい学校に行くのは当然だと思った。でも、姉ちゃんは何日経ってもその手紙を見つめて暗い顔をしている。
大好きな姉ちゃんがいなくなるのは嫌だ。けど、姉ちゃんが嬉しいなら、我慢する。でも、嬉しいはずなのに悲しそうだ。だから不思議に思って訊ねてみた。
「姉ちゃん、すごい学校から誘われたんでしょ? ……行かないの?」
「行かないって、わけじゃないけど……」
「じゃあ、行くの?」
行くよね? せっかくすごい学校で、姉ちゃんの好きな勉強がたくさんできるんだ。不安げな顔で訊いてみれば、寂しそうな笑顔が返ってきた。それは寂しいだけじゃなくて、あたたかいものも感じた。でも、自分にはそれが何だかわからなくて、ただそのあたたかさが余計に寂しく感じて、姉ちゃんが学校にとても行きたがっているのだけはわかった。
なのに、はっきりと行こうとはしない。
いつもみたいに笑って欲しくてイタズラしてみたりふざけてみたりしたけど、姉ちゃんは寂しそうな顔をするだけだった。
寂しげな理由は、学校に行けない理由は、なんだろう。三日三晩考えて考えたけど、答えは一つしか見つからなかった。だから、きっとこれが理由なんだ。
姉ちゃんをそんなに悲しませて困らせる原因はなんだろう?
きっとお金が足りないから、姉ちゃんは行きたくても行けないんだ。だから――――
姉ちゃんはすごいから、すごい学校に行くのは当然だと思った。でも、姉ちゃんは何日経ってもその手紙を見つめて暗い顔をしている。
大好きな姉ちゃんがいなくなるのは嫌だ。けど、姉ちゃんが嬉しいなら、我慢する。でも、嬉しいはずなのに悲しそうだ。だから不思議に思って訊ねてみた。
「姉ちゃん、すごい学校から誘われたんでしょ? ……行かないの?」
「行かないって、わけじゃないけど……」
「じゃあ、行くの?」
行くよね? せっかくすごい学校で、姉ちゃんの好きな勉強がたくさんできるんだ。不安げな顔で訊いてみれば、寂しそうな笑顔が返ってきた。それは寂しいだけじゃなくて、あたたかいものも感じた。でも、自分にはそれが何だかわからなくて、ただそのあたたかさが余計に寂しく感じて、姉ちゃんが学校にとても行きたがっているのだけはわかった。
なのに、はっきりと行こうとはしない。
いつもみたいに笑って欲しくてイタズラしてみたりふざけてみたりしたけど、姉ちゃんは寂しそうな顔をするだけだった。
寂しげな理由は、学校に行けない理由は、なんだろう。三日三晩考えて考えたけど、答えは一つしか見つからなかった。だから、きっとこれが理由なんだ。
姉ちゃんをそんなに悲しませて困らせる原因はなんだろう?
きっとお金が足りないから、姉ちゃんは行きたくても行けないんだ。だから――――