第一章
夢小説設定
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新しい学校に辿り着くまでに、三回声をかけられた。
一度目は怪しげなモデルの誘いで、二度目は比較的ちゃんとしたスカウトっぽかった。三度目は、もう面倒になって完全に無視してしまったけれど、ただのナンパだったと思う。よそ見もせず目的地に向かっていたのに呼び止められるなんて、東京って変な場所だと思う。まあ仕方ないか。私、かわいいもん。
膝上のスカートを風になびかせ、知らない街を颯爽と歩く。前に住んでいた場所とは比べ物にならないくらいの人通りの多さ。その中でさえ人目を引いてしまう見た目なのは、生まれつき備わった才能みたいなものだから、もうしょうがないと思う。親譲りの喧嘩っ早さのせいで、未だに彼氏ができたことはないけれど。
「彼氏、かぁ」
今度の学校にはこれまでより長く居られるみたいだから、きっと素敵な出会いがたくさんあるだろう。普通の女子高生みたいに、恋愛だってできるかもしれない。今度の学校ではきっと、上手くやれるはず。
片手に持ったスマホの音声ガイドが、目的地付近だとナビゲーションの終了を告げた。転校の手続きをしに一度訪れてはいたものの、駅からの道をまだ完璧には覚えられていなかった。足を止めて見上げるは高くそびえる校舎。今日からここが、私の新しい学び舎だ。
胸を高鳴らせながら正門をくぐる。もうホームルームが始まっているのか、廊下には人気がなく静かだった。えーと確か、初日に来たら最初に職員室に行くように言われたっけ。
「職員室、職員室ーっと……って、どこ……?」
慣れない校舎の中って、どの教室も同じように見える。寒さをしのぐために扉が全て閉め切られていればなおさらだ。どこだったっけ。一度しか来ていない上に、前回は親と一緒で校長先生の案内までついていたからすっかり油断していた。この辺りのフロアの一階なのは間違いないんだけど…。
何度か廊下をうろうろしては窓から部屋の中を覗けないかと試してみたけれど、残念ながら窓は一律すりガラスで中の様子は分からなかった。まだ制服が届いていなくて私服なので、今の姿を誰かに見られたら不審者だと思われてしまうかもしれない。……えーい、ままよ!
迷った末に、私は一番近くにあった扉を思い切って開けた。
一度目は怪しげなモデルの誘いで、二度目は比較的ちゃんとしたスカウトっぽかった。三度目は、もう面倒になって完全に無視してしまったけれど、ただのナンパだったと思う。よそ見もせず目的地に向かっていたのに呼び止められるなんて、東京って変な場所だと思う。まあ仕方ないか。私、かわいいもん。
膝上のスカートを風になびかせ、知らない街を颯爽と歩く。前に住んでいた場所とは比べ物にならないくらいの人通りの多さ。その中でさえ人目を引いてしまう見た目なのは、生まれつき備わった才能みたいなものだから、もうしょうがないと思う。親譲りの喧嘩っ早さのせいで、未だに彼氏ができたことはないけれど。
「彼氏、かぁ」
今度の学校にはこれまでより長く居られるみたいだから、きっと素敵な出会いがたくさんあるだろう。普通の女子高生みたいに、恋愛だってできるかもしれない。今度の学校ではきっと、上手くやれるはず。
片手に持ったスマホの音声ガイドが、目的地付近だとナビゲーションの終了を告げた。転校の手続きをしに一度訪れてはいたものの、駅からの道をまだ完璧には覚えられていなかった。足を止めて見上げるは高くそびえる校舎。今日からここが、私の新しい学び舎だ。
胸を高鳴らせながら正門をくぐる。もうホームルームが始まっているのか、廊下には人気がなく静かだった。えーと確か、初日に来たら最初に職員室に行くように言われたっけ。
「職員室、職員室ーっと……って、どこ……?」
慣れない校舎の中って、どの教室も同じように見える。寒さをしのぐために扉が全て閉め切られていればなおさらだ。どこだったっけ。一度しか来ていない上に、前回は親と一緒で校長先生の案内までついていたからすっかり油断していた。この辺りのフロアの一階なのは間違いないんだけど…。
何度か廊下をうろうろしては窓から部屋の中を覗けないかと試してみたけれど、残念ながら窓は一律すりガラスで中の様子は分からなかった。まだ制服が届いていなくて私服なので、今の姿を誰かに見られたら不審者だと思われてしまうかもしれない。……えーい、ままよ!
迷った末に、私は一番近くにあった扉を思い切って開けた。
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