Turn Your Love Around
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瞬く間に水の勢いに飲まれてしまった乱馬は姿が消えた。
名前はふと思い出した、そういえば彼は呪泉郷に落ちた身だ、水をかぶると子ブタに変身する、もしかしたら水流に流されてしまったのかもしれない。
「乱馬くん、どこ!?」名前は徐々に勢いをなくしていく水流を辿ろうとコート中を走り回った、すると背後にごほごほとむせる人の声が聞こえてきたので、慌てて振り向いた…が。
「てんめー良牙このやろう!」
「…あの、どなた?」
そこには自分と同じぐらいの背丈の可愛らしいおさげ頭の女の子がいた。
「俺だよ、ら・ん・ま!」
「……ら、らんま?」
自分が知っている姿とは程遠い、でも確かに見覚えがあると言えば、顔のど真ん中にくっきりとテニスボールの跡があることだ。
「ま、まさかぁ」と名前は信じられないと笑った、らんまと言い張る女の子はむっとしながら、「嘘じゃねぇ!」と叫んだ。
「俺は呪泉郷に落ちたんだ!」
「それは知ってるけど、落ちたんなら子ブタになるはずでしょ!」
「あのなぁ!呪泉郷に落ちた人間が全員子ブタになるわけじゃねーんだよ!」
らんまは自分を指差して「俺は女になる泉に落ちた!」と言い、次にコートの向こうにいる良牙を指差して「で、アイツはブタになる泉に落ちたんだ!」と必死の形相で叫んだ。
「あのー」
言い合いをする女の子2人組に審判がお伺いを立てる。
「どうする?試合棄権する?」
「だから続行するって言ってんだろ!」
「とは言ってもねぇ…」
進行役は首を横に振った、「今回は男女ペア、それもカップルのための大会なので…」と渋るような言い方をする。
今の2人は女の子同士、これでは右京と良牙のペアが不戦勝となってしまう、そうは行くもんか。
らんまは棒立ちになっていた名前の体を真正面からぎゅっと抱き締めた、観客席では男たちの「おお…っ」という感嘆にも似た声が湧いた。
「なによっ、愛し合ってる2人に男も女も関係ないわっ!そうよね、名前さま!」
「え…うーん?」
「こんなに抱き合ってるのにカップルと認めてくれないなんて、ひどいわ!」
観客席では野次が飛ぶ、主催者たちに対するブーイングだ、「そうだそうだ!認めてやれ!」だとか、「もう優勝くれてやれ!」だの、言いたい放題だ。
ただその甲斐もあってか、「今回は特別ということで…」と試合続行が決まった。
右京は自分はさて置いてらんまの卑怯さに怒り震えた、こうなりゃ意地でも優勝してやる、さっと自分のペア相手を見るとこちらもなぜか怒りに震えていた。
「ら、らんまの野郎…見せつけるように抱き合いやがって…!」
戦いの火蓋は再び切って落とされた、良牙のサーブはより一層強さとスピードを増している、当たれば命を失いかけないとボールを避けるとコートの中でストレートに打ち込まれた。
「良牙&右京ペア、フィフティーン」さっきの分と合わせれば30対15でらんまと名前の方が得点を持っている。
だがこのままではまずい、確実に2人は追い詰められていた。
そういえば、とらんまはさっき自分の顔面にボールを叩きつけられたことを思い出す、男の自分であれば良牙と対等(または自分の方が上)だが、今の自分ではスピードも力強さも押し負ける。
だが名前は正確性に乏しいと言った、確かにあの時、良牙は名前の一言に動揺してボールの軌道が逸れた。
「なあ、名前!」
らんまが投げたボールは高く緩く上がる。
「優勝したら、俺たち2人水入らずで中国に行こうな!」
「え!?」
「はあ!?」
右京と良牙の声が重なる、慌ててネットを飛び越えてくるボールを右京が打ち返した。
「そんな恥ずかしがんなって、いずれは夫婦になるんだからさ」
「な、なにいってんの…」
藪から棒に、戸惑いながら名前は向かってくるボールを正確に打ち返した。
「お前、言ってただろ。俺がちゃんとした男に戻ったら、祝言あげようって。そのためにテニス大会誘ってくれたもんな」
「なっ、なにぃ!?」
良牙のレシーブは彼の気分を表すように不安定だった、思った通りだ、らんまはにやりと笑いながら同じく困惑している右京目掛けて打ち返す。
「わ、私そんなこと言ってない!」
「照れんなって!お前の気持ち嬉しいよ!」
「なにをコートでイチャイチャと…っ」
やや強い打球で右京が打ち返してきた、怒りをふつふつと湧かせているのは、もちろん彼女だけじゃない。
「らんまぁ、きさま…」と背後からドスの効いた声が聞こえて来る、テニスラケットからはみしみしと軋むような音がする。
「ばかじゃないの!」名前は焦りながらネットぎりぎりのラインを攻めながら打ち返す、ボールは良牙に向かった。
良牙は怒り任せにラケットを振り上げる、その腕には渾身の力が込められていた。
「あんたと行くぐらいなら、良牙くんと行きたいの!」
「へっ?」
「えっ?」
すかっ、そんな効果音がまさにぴったりだった。
見逃したボールはラケットのどこにも当たることなく、そのままコートの中に落ちる。
らんまと名前の方にポイントが入る、これで40ポイント、1ゲーム取った。