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いよいよ開催された町内男女カップルテニス大会、名前は実に小学生ぶりに着たテニススコートにいまいち気が乗らないのだった。
試合はトーナメント方式、人並み外れた運動神経の持ち主である乱馬なら並みの相手にはそうそう負けないだろう…そう高を括っていたのが慢心だったようだ。
「わっ、うそ!やった!15点入った!」
「………」
こいつ、テニスのルールを全く知らんらしい。
今頃ベッドの上で高熱に魘されているであろうあかねに、名前は心底同情をした、もし予定通りに彼女とペアを組んでいたとしたら、さっきからコートをちょこまかとせわしなく動き回る乱馬を何回どつき回していたのだろう…。
予選はどうにかルールも知らない乱馬を名前がカバーする事でどうにか勝ち残ることが出来た、打ったボールで直接相手ペアの男の方に攻撃しようとしたりと際どい場面は多々あったが。
だが勝ち進めれば勝ち進めるほど、不安は多く募っていく、当然準決勝になれば相手も一筋縄ではいかなくなる。
もはや誤魔化しも効かないだろう、当の乱馬はまだ有り余った体力で「楽勝楽勝、優勝はいただきだ!」と息巻いていた。
そしてとうとう、乱馬&名前ペアは準決勝まで上り詰めたのだった。
「さあ、いよいよ準決勝、この大会も大詰めになって参りました。決勝への道を進むのはいったいどちらのカップルか…。では入場して頂きましょう、早乙女乱馬&苗字名前チーム!」
名前はラケットを握りしめ、野次の飛び交う中、テニスコートに足を踏み入れた。
「そして対するは…久遠寺右京&響良牙チーム!」
「んん!?」
2人はネット越しに見えた男女の姿に思わず声を上げた。
右京は腕を組みながら、ふっふっふ、と不敵に笑う。
「う、うっちゃん…いつのまに…」
「悪いけど乱ちゃん、今は敵同士や、仲良うする気はないで」
「良牙とカップルなんて…」
「ちゃうわい!今はお互い同じ志を目指すもの同士、正々堂々勝負や!」
なあ良牙、と振り向いて右京が語りかけるが、コート上に良牙と呼ばれるべき男の姿はない、その代わりコート外の隅っこでひたすらに背中を見せつけてくる男ならいた。
右京はテニスラケットで思い切りぶん殴ってやった、「正々堂々とせんかい、あほ!」良牙は「だってぇ!」と女々しく喚く。
「あっ、あかねさんが相手だって言ってたじゃないか!」
「どあほ!あかねちゃんやろうと誰やろうとやる事は一緒や!」
試合前から観客に仲睦まじい様子を見せつけてくる相手チームのせいで試合はなかなか始まらないが、一方で乱馬&名前チームの方では…。
「良牙くん、右京って子と付き合ってたんだ」
なんとも言えない負のオーラが重くのしかかっていた。
「知ってたんでしょ、乱馬くん!」
「しらねぇって!」
「私にそれを見せつけたいからわざわざテニス大会なんか呼んで!」
「だーかーらー!」
なぜか準決勝の試合を前にして対戦相手2組とも仲違いが始まってしまった。
これでは埒が明かないと思った試合進行係は「このままでは試合棄権となってしまいますが…」とマイク越しにぼそりと言うと仲違いはぴたりと止まり、両者2組ともおとなしくコートに集まってきた。
「言っとくけどな、うっちゃんは良牙なんて興味ねーよ」
「…なによ」
「実はうっちゃんはな…」
乱馬は名前に耳打ちした、高校生ながらお好み焼き屋を切り盛りする右京は乱馬に惚れており、子ブタになる変身体質を持つ良牙に「うちの言うこと聞かんかったら、ぶた玉の具にしたる」と脅され、このテニス大会に駆り出されたと、もちろん嘘だ。
名前は青い顔をした、でも「嘘みたいな話ね」と言うとさすがに乱馬もぎくりとする。
「乱馬くんに惚れてるってところが」
「…そっちかよ」
ともかく、両者カップルはようやくネット越しに対峙した。
名前は良牙とふと目が合ったが、お互いどこか不自然に素知らぬふりをする。
会話も何も交わせなかった、そのままラケットを握りしめて、名前は自分の持ち場に戻った。
サーブ権は右京&良牙ペアに渡った、試合開始のホイッスルが鳴り響く。