短編
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俺の彼女はちょっと、いやかなり面倒くさい。
どうやら彼女に対する俺の言葉の端々には様々な導火線があり、少しでも間違ったコードを切れば、たちまち大爆発。
つまり俺はSWATのようなもので、彼女と1日を過ごす度に爆弾の解除を迫られる気持ちだ。
付き合い始めは可愛いもんだったのに…控えめで大人しくて、いつも自分の口元を隠すような子だった。
なのに付き合って2ヶ月経った今、さっきまでコロコロ笑っていたのが俺の言葉ひとつでヘソ曲げて、急に口もきかなくなる。
それが彼女の家に泊まる日になると、下手したら彼女はシングルベッドの上で布団の中で寝転んだまま丸まってひと晩籠城したりするから、そんな日に俺は硬いフローリングに寝る羽目になってしまうのだ。
(でも不思議なことに、彼女はひと晩経つと全部無かったことのようにケロッとした顔で布団の中から出てくる)
悪友の白石が「女がフキゲンなのは、大概何かして欲しい時だぜ」言っていた。
例えば何だと聞いてみれば、「そうだなぁ〜、オレの場合はブランド品とか」と答えたので、俺は早速、布団の中の彼女に声をかけた。
「名前ちゃ〜ん、機嫌直してよぉ。明日さ、ヴィトンにバッグ見に行こ?名前ちゃん、バッグ欲しいって言ってただろ」
と、呼びかけたら布団の中から「いらない!」とキッパリ言われてしまった。
ある金曜日の夜、俺が仕事帰りに彼女の家に泊まりに行った時、少し肌寒くなってきたから浴槽にお湯を張ろうと彼女が言ってくれたので、お言葉に甘える事にした。
空っぽの浴槽に約45度の湯がドボドボと注がれている間、俺はまた彼女のゴキゲンを損ねてしまった。
キッカケはたぶん…彼女は仕事で疲れてるだろうし、女の子だからゆっくりしたいだろうと思って言った「名前ちゃん、先に1人で入りなよ、俺は後でいいから」という言葉のどこかだ。
途端に彼女はフキゲンな顔をして布団に潜り込んでしまったので、間違いない、と思う。
こういう時ばかりはどうしても面倒くさい女の子だなぁと思う、俺は布団の塊に向かって「いいの?俺先に入っちゃうよ」と呼びかけるも、完全無視。
俺はもう半ば苛立ちながら着ていたシャツを脱いだけど、せっかく入れた大量の湯が冷めてしまうのはもったいない気がした。
(俺はあんまり長い時間湯に浸かるのはそこまで好きじゃないし、どっちかといえばもっとぬるい方が好きだ)
「名前ちゃ〜ん…」
返事は頂けない。
でも聞こえてないはずはないんだよな…と思い、俺は剥き出しの上半身に肌寒さを感じながら、布団の塊を揺さぶった。
「なぁ〜、せっかく湯溜めたのにもったいないだろ?」
「………」
「ほら、風呂入ろうって」
2人じゃちょっと狭いシングルベッドに無理矢理寝転んで、布団の隙間に両手を突っ込んだ。
彼女の体温を抱き込んだ布団の中は、冷えた体を甘やかすように温かい…。
無理矢理体をねじ込むと布団がめくれて、Tシャツ姿の彼女の背中が現れる。
「…はぁ…、もう無理矢理脱がすよ、いいんだな?」
「………」
やっぱり返事は頂けない、俺は強行手段で彼女のTシャツの裾を引っ張った。
しかし胸の辺りで固く組まれた彼女自身の腕が阻み、綺麗にペロンとは剥がれない。
俺はTシャツの中に手を入れる、すべすべとした温かい腹に触れて、その腕を上の方に動かすと思ったより簡単に彼女の腕が解れて、Tシャツが捲れた。
…とそれはいいが、指先に伝わるフニャリとした感覚が、どうにも気持ち良くて触るのをやめられなかった。
気付けば『服を脱がして無理矢理風呂場に連れて行く』ことなど忘れていて、俺はただひたすらに彼女の柔らかい胸を弄ぶことに頭がいっぱいだ。
俺はチラッと彼女のゴキゲンを伺ったが、抵抗する素振りは見られない。
調子づいた俺が柔らかい胸の頂にある乳首を軽く指の腹でくすぐると、彼女の口から「あんっ」とエロい声が聞こえたので、それを了承の合図として受け取り、すぐにもう片方の手を彼女の履いているショートパンツの中に忍ばせたのだった…。
結局、俺たちは紛争状態だったにもかかわらず、箱に唯一残っていた最後のコンドームを消費するような行為を致してしまった。
しかし事が終わると彼女は案外素直に布団から出てきて、結局温くなってしまった浴槽の湯に2人で仲良く入る。
その後は元通りを通り越して、とてもゴキゲンな様子だった。
俺はなんとなく、こんな解決の仕方でいいのか、と思いながらひと晩過ごしていたけど、あのまま口もきかずに冷たいフローリングの上で過ごす羽目になるよりばずっとマシだ。
また次の金曜日、仕事終わりに彼女の家に泊まる約束をしていたのに、肝心な彼女の乗車する電車が大幅に遅れてしまった。
俺は残念ながら彼女のマンションの合鍵を持っていなかったから、よそで時間を潰し、ちょうど彼女が到着する時間に駅まで迎えに行ったのだ。
2人同時にマンションに帰って来たのは夜中の11時、当然だけどその時間から食事や入浴の時間を足せば、あっという間に日にちを跨いでしまう。
オマケに彼女は1週間の仕事の疲れにプラスして、遅れた電車に乗り込む大量の人混みに堪えたのか、グッタリしてあまり会話が弾まない。
だから俺は彼女の体を労り、通勤用のバックパックにレジ袋ごと入った新品未開封のコンドームの事は頭の隅に追いやって、最も紳士的に「今日はシャワー浴びて、すぐ寝よう」と言ったのに…。
彼女はなぜかフキゲンになって、シャワーも浴びず、仕事着のまま布団の中に籠城してしまった。
ここまで自分の優しさを無下にされると、悲しみやら怒りやらの単純な感情はなく、むしろ呆れの方が強い。
俺は思わず溜め息を吐いてしまった。
別に疲れているんならこのまま寝てくれたって構わないが、化粧も落とさず、お高いブラウスが皺くちゃになるのはみっともない。
色々言ってやりたい気持ちを抑え、「せめてシャワーくらいは浴びようよ…」と言いながら、俺は先週のようにシングルベッドのごく僅かなスペースに寝転んだ。
ゆっくり布団を捲ると、クリーム色のブラウスを着た華奢な背中が剥き出しになる。
俺はそのまま自分の体を布団の中にねじ入れると、マットレスに散らばった髪の毛から女性特有の甘ーい整髪料の匂いがして…なんというか、不謹慎ながら、勃ってしまった。
電車さえ止まらなければ今頃ヤるつもりだった、今週は忙しくもなかったから体力は充分あるし、何たってこの1日のためにAVさえ観ていない。
そんな恨みがましい事を考えると、彼女に対する優しさは忘れて、スカートが捲れて露わになったストッキング越しの太腿に手が伸びた。
まるでゴキゲンを伺うかのように彼女のお尻に自分の下腹部をピッタリとくっつけたけど、彼女は体を押すなどの抵抗はしない。
…なんだか、似たような状況だな。
腰の辺りまでスカートを捲って、またお伺いを立てるみたいに、ストッキングの中の可愛いショーツのてっぺんにある、小さいリボンを爪先で何度もカリカリと引っ掻いた。
そしたら、さっきまで黙っていた彼女の口から「んっ」と何とも下半身に悪い声が聞こえ、何かを我慢するみたいに太腿同士を擦り合わせる。
もしかして、フキゲンな理由って…コレ?
「…名前ちゃんさぁ」
俺はもう辛抱堪らなくて、さっきまで気にしていたブラウスの皺の事も忘れて、思い切り背中に抱き着いた。
そして擦り合わせられた太腿の間に自分の手を挟んで、そのままストッキングの縫い目を辿るみたいに上に進んで、ちょっと蒸れた感じのするショーツの真ん中にぐりっと中指を押し付けた。
「もしかして、セックスしたかったの?」
中指の腹にしっとりとした感触がする。
俺は核心をついた…と思ったのに、彼女はパッと寝返りを打って、
「さっ、佐一くんのバカァ!」
と浴びせられると、油断したせいか、俺は彼女に目一杯に押されてシングルベッドから追い出された。
俺はまだ熱が冷めずに慌ててベッドに戻ろうとするのに、守りはますます硬くなって、彼女は体の下に布団の裾を巻き込んで、俺の体をねじ込む隙間は見当たらなかった。
あんなデリカシーのない言い方さえしなければ、消化不良のまま冷たいフローリングで過ごす羽目にならなかったのに…と考えても、翌朝を待つしか手段はないのだった。
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