標的6-sei
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雲「それじゃあ手配するように伝えておくよ。その代わり風紀委員に入ってもらうね」
『えぇ…それじゃあこれからよろしくね風紀委員長さん』
こんなあっさり条件を承諾してくれるなんて流石と雲雀から受け取った腕章を腕に付け満足そうに微笑んだ
その様子を見ていた雲雀はどこか嬉しそうにみえた
雲「他に必要なものはない?」
その問いかけにレナはあっ…と思い出したことが
『シャツ…脱いでください』
雲「…」
雲雀が驚いた表情でこちらを見つめるので
何故?と少し考えると自身が大胆な発言をしていることに気が付き恥ずかしくなった
『あ、いや…!その…さっきの戦闘で背中怪我してるから治療しようと思いまして…』
雲「へぇ…随分大胆な事言うから驚いたよ。別にこれぐらい平気」
『駄目…ちゃんと治させて下さい』
雲「…」
断ろうとしたが彼女の眼が本気だったので大人しくシャツのボタンに手をかけた
『え、えっと…後ろ向いててくださいねっ』
レナは少し恥ずかしそうにしながらここに座って下さいと雲雀に指示をした
雲「いいけど…救急箱とかはそっちだよ」
…脱いでという割には恥ずかしがるんだね
ふっと笑みソファーに腰かけレナに背中を向けた
やっぱり…
平気と言ったわりには先ほど壁に激突した際に負った傷があった
少し変な感じするけど動かないで下さいね。と言いレナは両手を雲雀の背中に当てるとチャクラを帯びた光が傷口を塞いでいった
『はい、あまり激しく動くと傷口が開いちゃうから暫く安静にして下さいね』
雲「何…したの」
雲雀は背中の痛みがなくなったのを感じ驚いていた
『詳しくは言えないけど…私の能力です』
それと、怪我させてごめんなさい。と謝るレナに雲雀は上半身裸のまま不服そうな表情でこちらをじっと見つめてきた
『い、委員長さん…?』
そう呼ばれると雲雀は更に不機嫌そうな顔をした
雲「…ねぇその敬語やめてくれない?後僕の事これから名前で呼ぶことね」
君に敬語使われるとなんか気持ち悪いんだけど、と言われた
『え…と、雲雀…さん?』
雲「違うでしょ…」
『っ…!?』
それは苗字…と言いながら隣に腰掛けているレナを
半ば強制的に押し倒し見下ろした
雲「ほら…名前」
ソファーの軋む音が応接室に響き上半身裸の雲雀と目があった
『…ッ』
雲「どうしたの…早く」
いきなりの距離感に戸惑い目が泳ぐレナを他所に雲雀は楽しそうにしていた
『きょ…や』
徐々に顔を近づけてくるのを感じて小さく名前を呟いた
―っ、これは止まらなくなりそうだ。
屋上で戦っていた時とは別人のように恥ずかしがる一面を知ってしまった雲雀は癖になりそうな感覚を味わった
雲「よく聞こえない。もう一度」
『き、恭弥…!』
言わないと、どうなるかわかるよね。と言いレナの髪の毛に指を絡めながら
口づけが出来そうなくらい顔を近づけてきたので慌てて先程よりも大きな声で名前を呼んだ
雲「クス…今度は僕の勝ちだね」
『なっ…卑怯よ!』
この状況に負け名前を呼ぶと雲雀は勝ち誇ったような笑みをしてレナから離れると彼女は応接室から逃げるように去って行った
雲雀は逃げるように応接室から出ていった彼女を目で見送りながら脱ぎっぱなしでいたシャツを手に取り鏡で背中を確認すると傷が何事もなかったかのように綺麗に治ってた
雲「(不思議な能力といい君は本当に面白い反応をするね。風紀委員に入ったからには覚悟しておいてねレナ)」
―後日談だが、草壁曰くこの日の雲雀は大変機嫌良かったそうだ
教室に戻ると腕に付いている腕章に皆が騒いで授業が一時中断したりしたが気付けばあっという間に下校時間に
ツナ達に今日は予定があると告げ学校を出ようとしたところ雲雀の側近というべき存在の草壁と出会い、再度応接室に連行されそうになったので今日は予定がある為直帰すると伝えてほしいと一方的に頼んだ
『という事で彼によろしくお願いしますね!』
草「あっ…おいまて!」
草壁が呼び止めたが既にレナの姿はなく草壁は雲雀に伝えるべく駆け足で応接室へ向かったのであった