<飛鳥BD>
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いつも近くにいるのが当たり前で
気付けば10年経っていて
あんなに小さかった飛鳥も随分お姉さんになっていた。
『おはよう飛鳥ちゃん』
「ん、はよ」
楽屋で準備していれば入ってくるなりいちにんしょうの横にきて背中を預けてくる。
『ちょっと、重い』
「女の子に重いとか言うな」
『せめてあと10分待ってくれる?』
「わかった3分待つ」
『話聞いてた?』と急いで準備を終わらせる。
何年経ったとしても飛鳥は末っ子なのだと、後輩がいないところでは強く実感する。
『飛鳥ちゃん、誕プレ何がいい』
「え、別にいらないよ」
『遠慮しなくていいよ、なんか美味しいものとか食べに行く?』
「じゃあ、あの焼肉屋がいい」
『あそこ!?…本当に遠慮ないな』
楽しそうに笑う飛鳥の誕生日は明後日。
誕生日だから、というわけではない
こういう理由を見つけないとプレゼントすら渡せない。
買い物をしている時飛鳥に似合うかも、と渡すことが出来ないプレゼントを誕生日という特別な日にまとめて渡す。
7年前からの恒例になっていた。
「明後日の次の日さ、休み被ってたよね」
『あれ、そうだっけ』
「なまえの家泊まってもいい?」
『わかった、片付けとくよ』
「やった」といつもは見せないような嬉しそうな顔。
出会ってから2年が過ぎた頃飛鳥に告白された。
『大人になっても好きだったらまた言いに来てよ』
「大人ってあと何年?何年待てばいい?」
『えー、3年くらい?』と適当に言った言葉を飛鳥は信じてその3年後また告白された。
「なまえのいう大人になったよ、付き合ってくれるんだよね?」
『いや、え、本当に?』
「ずっと我慢してた、なまえも私の事好きでしょ」
否定出来なかった。
事実1回目の告白以降飛鳥を意識して好きになったからだ。
それから5年
キスもしたし、飛鳥に誘われてソウイウ行為もした。
忙しくても連絡はしていた。
それも半年前までの事だ。
ハグはするけどキスはしなくなった、ソウイウ行為なんて出来るわけもなかった。
「いやぁ、食べた食べた、ご馳走様でーす」
『小さい割に本当によく食べるね』
「小さくないから、今日で23だから立派な大人だから!なまえっていつも私の事子供扱いするよね」
『子供の頃から知ってるからね』
「親戚のおばさんか!」
ご機嫌な飛鳥を危ないよと手を引くと急に静かになる。
「手、繋いだの久しぶりな気がする」
『そう、かな?』
「そうだよ、こう見えてちゃんとそういうの気にしてるんだから」
『飛鳥…?』
「早く家帰ろ」
駅近くのタクシーを捕まえて慣れた様子でいちにんしょうの家の住所を伝える。
家に来るの久しぶりなのに、よく住所覚えてるなと飛鳥の顔を見ていると「なに?」と怪訝そうに見つめられる。
順番にお風呂に入りソファで寛いでいると隣に並んで座って手を絡められる。
『どうした?寝る?』
「さっき久しぶりって言ったじゃん」
『あぁ、手を繋ぐのがってやつね』
「他にも久しぶりなことあるじゃん」
『…?』
飛鳥が少し顔を近づけて目を閉じる。
キスをしろ、という事らしい。
お望み通り唇を重ねれば「もういっかい」と小さく呟く。
何十回ともういっかいを繰り返す。
『飛鳥ちゃん、』
「なまえには、私がまだ子供に見える?」
『えぇ?』
「十分大人だよ、私」
『23歳だもんね』
「好き」
普段は言わない言葉に戸惑っていると飛鳥の方からキスをされる。
さっきまでとは違う、徐々に深くなっていく。
「なまえが我慢してるの知ってるんだから…」
『飛鳥、その』
「大人になった私、試してみる?」
『久しぶりだから、優しく出来ないかもよ』
「なまえに抱かれたくて泊まりの提案したんだから」
『あんまりそういう煽り方するな』
「好きなくせに」
うるさい口を無理矢理黙らせてそのまま抱きかかえて寝室に移動する。
1つ大人になった恋人の誕生日はまだ終わらないようだった。
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