*無防備なきみに恋する5選
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いつも通りのダンスレッスン。
いつも通り騒ぐメンバーと静かに携帯をいじるメンバー。
うわ、なんか追いかけっこ始まってる。
いつも通りの光景を遠目で見守りつつ先日付き合い始めた彼女に目線を移す。
流石愛されキャラ、常に誰かしらに構われている、これじゃいちにんしょうの入る隙間なんてありゃしない。
彼女になったからといって必ず隣に居る必要もないし、仕方ない。
ただ、これだけ愛されていていちにんしょうよりもハイスペックなメンバーいて、何故いちにんしょうに告白してきたのか、全く理解できなかった。
諦めて、というか半分不貞腐れながら仰向けになる。
疲れもあってすぐにまぶたが重くなり少し仮眠しようかな、ここで寝たら体痛くなるかなと考えていると誰かがいちにんしょうの上に乗っかる。
「なまえさーん」
『え、陽菜、どうした』
「どうもしないけどきちゃだめだった?」
『さっきまで美穂とか史帆と仲良くしてたから…』
我ながら大人気ない発言。
「ヤキモチですか〜可愛いです」なんて言ってそのまま体を被せてくる。
『陽菜さん、重い』
「我慢我慢」
『いやいや、せめて隣にゴロンして』
「私の愛の重さです!」
『何を言ってんだよ…』
ため息混じりで突っ込むと「分からないかなぁ」と口を尖らせて素直に起き上がる。
それに合わせていちにんしょうも起き上がる。
「河田さんいた!なまえにとられてる!」
史帆がこちらを指さして叫ぶ。
「奪還しにいこ!」
ちょっと、待て、陽菜からこっち来たのにいちにんしょう悪役かよ!
陽菜の方をチラッと見るとニコニコしていて、視線に気付いたのか目が合う。
「私、とられちゃいますよ、守ってください」
『はぁ…?』
「こっそり抜け出したんです、なまえさんの近くにいたかったから、だって彼女だし」
だから、ね、と言わんばかりの笑顔。
史帆と美穂、あやまで参戦してこちらにジリジリと向かってくる。
少しでも陽菜の心が見えたのが嬉しくて、今はちょっと渡したくなくなった。
陽菜の手を引っ張り抱きしめる。
「わ、なまえ…さん?」
『今お楽しみ中だから』
「ぇ…」
頬に手を添えて皆に見せつけるように軽くキスをする。
陽菜の顔が熱を帯びていくのが分かる。
悲鳴にも近い歓声を上げて盛り上がるメンバー。
「な、んで、急すぎます!」
『いっつも他のメンバーのは受け入れてるじゃん』
「メンバーとなまえさんは違います!好きな人ですよ!」
滅多に見せない表情が可愛くて思い切り抱きしめれば首元で「ヤキモチ治りました?」と可愛い声。
『ヤキモチというか、陽菜が本当にいちにんしょうでいいのか疑問に思っただけだよ』
「私にはなまえさんだけですよ」
『そうかな〜』
「さっきのもかっこよかった…これからも守り続けてね」
『もちろん、あ、あれは二度とやらないと思うけど』
「え〜」と頬膨らませる陽菜はなんだか満足そうに笑っていた。