practice<加藤>
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「好き…付き合って」
耳まで真っ赤にしながら両手で掴まれた腕を見ながら言われた台詞にもしかしてドッキリなのかと周りを見渡すもそんな空気ではなく
『いちにんしょうでよければ』
と愛想のない返事に尋常ではない喜びを見せた彼女、加藤史帆との付き合いが2週間は過ぎようとしていた時
楽屋ではいつものメンバーが騒ぎみんな個々に好きなように過ごしている。
私は騒ぐタイプではないので端に座りぼーっと楽屋を見渡していた。
彼女になる前、史帆はよく隣に来てかまってちゃんをしていたがあの告白以来隣に来ることはなく今も後輩ちゃんに抱きついたり、ちゅーしようとしたりしている。
いちにんしょうにはしてこないくせに。
恋人になったんだよな?と疑問が浮かぶほど避けられている、本当にドッキリだったのか?
「なまえ、顔怖いことになってんで」
肩を叩かれ振り返れば高瀬が笑っていた
「気になるなら近付いてみればいいのに〜」
『それが出来たらやってんのよ、つか、なにあれいちにんしょうへの当てつけ?意味わからん…』
机にだらーと顔を落とせば
「あれれ?なまえさん傷心中ですか?」
と隣にまなもが来て
「私が癒してあげましょうか?」なんて頭を撫でてくる。
交際しました、なんて口には出していなかったけどこの二人にはバレていて、観察力凄すぎじゃんと感心すれば二人ががわかり易すぎるんだと言われてしまった。
『まなも大先生…癒してくれ』
と柄にもなく泣き言をいえば仕方ないなぁ、おいで~と手を広げてくれる。
せっかくなので胸に飛び込もうとした時思い切り後ろに引っ張られる『っ…!?』声にならない音が出て、『ごほっ…なにすんのさ!』と悪態つけば先程まで後輩達とイチャついてた当人が立っていて
「なまえはししのでしょ!」と意味不明に怒られる
『は?いや、さっきまで陽菜とかとイチャついてたじゃん』
「それは…予行練習してただけだから!」
『予行練習?何言ってんの?』
「なまえが余裕そうだから…としちゃんも色々勉強しなきゃと思って…」
恥ずかしそうに俯きながらぽつりぽつりと話だした。
付き合えたのは良いけどその後どうしたらいいか分からずいちにんしょうは慣れてそうだから自分と付き合えてくれたのが不思議で自信がなくなった、変なことして嫌われたくなくて後輩で練習しよう、
と、まあ、なんとも後輩達には迷惑な話で。
『色々ツッコミどころしかないんだけど…』
「嫌いになった?」
『自分でも不思議なほど愛しい気持ちでいっぱいなんだけど?』
「なまえがまなもにとられるかと思って、でも、ししも他の子と同じような事してた…ごめんなさい」
『いちにんしょうも史帆の事不安させてたしごめん、お互い様ってことで』
『でも、練習とかいらないから、いちにんしょうも史帆が初めてだし…』
恥ずかしくなって視線をズラせば史帆にまで移ってしまったのか耳が次第に赤くなる
「としちゃんと一緒に沢山経験、しよ?」
なんて爆弾持ってるんだ…
『する』と頷けば次第に顔が近付いてくる
「ちょっとストップ!」
「えぇくみ~いい所だったのに!」
「楽屋だから秩序乱さないでくれる!?未成年もいるし!!」
急に恥ずかしくなり机に顔を伏せて寝たフリをすれば
「なまえさん、私はいつでも慰めますよ」と耳元で囁かれる
「ちょっとまなも!誘惑しないで!!」
すぐに史帆が隣にくっついてきて威嚇する。
その日以来史帆はいちにんしょうの隣から離れることはなく、隙あらばキスをしようとしてくる。
これはこれで少し問題なのであった。
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