2022
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『え、仕事なの…!?』
「ぇ、うん、なまえも仕事って言ってなかった?」
『それは、そうだけど…夕方以降は入れないでってお願いしてた…』
なんという失態
彼女の誕生日に彼女と過ごせないなんて…
「ごめん、その…」
『仕事なら仕方ないよね…!』
彼女はいつだってファン思いで、いちにんしょうはそれを受け入れられるほど大人にはなれなくて。
一生追いつくことがないこの年の差にやきもきしてしまう。
「仕事、終わったらすぐ帰るっ、だから…」
「としちゃーん!としちゃん次だよ〜」
「!今行く…!なまえ、あの!」
『うん、いちにんしょうは大丈夫だから撮影頑張って!』
「っ…うん…ありがとう」
少し寂しそうな顔をして背中を向けて部屋を出た彼女。
仕方ない、そう言い聞かせても顔には出てしまう、そういう所がまだ子供なんだと自分が嫌になる。
そして、そのまま来てしまった誕生日当日。。
『何も出来てない…』
「え?なんの話?」
『史帆の誕生日だよ…!』
「ぁあ、でも連絡はしたんでしょ?」
『したけど…』
項垂れるいちにんしょうに呆れたような返事をする京子
なんて奴だ…
「今日16時とかに終わりでしょ?家行けばいいんじゃない?」
『…史帆は夜まで仕事だもん』
「鍵貰ってないの?」
『貰ってない』
「マジか」
少し驚いた後にでも…とかおかしいな…とか呟き出した。
『…え、なに?』
「いや、なんでもないわ」
『なんでもなくないだろ!なに!?』
「えぇ…こわ…」
『こわくない!なにか隠してる!』
「この間史帆がそろそろあげてもいいよね?重くないよね?って言ってたから鍵あげたんだと思ってたんだよ」
『は、なにそれ、全然知らない』
「だからさ、私の勘違いだったんだなと思って」
『そんな事全然言ってなかっ…あ!』
あの時だ、少し寂しそうにした撮影日に何か言いかけてた…
もしかしたら鍵をくれようとしてたのかもしれない。
急いで仕事を終わらせてマネージャーに史帆の場所を聞く。
『おつかれさま…!』
「ぇ…!?なまえ!?なんで!?」
『移動って聞いて…!走ってきた…そのっ…!』
「こんな寒いのに汗かいて…風邪ひいちゃうよ、どうしたの?何かあった?」
『あの時、貰えなかったから…!』
「へ?」
『鍵…!いちにんしょうにくれようとしてたでしょ!』
「えっ、と、まあ」
『帰ってきたらちゃんとお祝いしたいっ、好きな人の大切な日だから、だから…待ってたいっ』
「いいの…?」
『いちにんしょうが待ちたい、もちろん迷惑じゃなければ…』
ポケットを探り手のひらに握らせてくれた鍵を見つめると史帆に優しく抱きつかれる。
『っ…ありがとう、鍵』
「こちらこそだよ、わざわざありがとう、としちゃんなまえのそういう所大好きだ」
『…今そういうこと言うのずるい』
「本当の事だもん」
『ぁ、誕生日おめでとう、ご飯用意して待ってる』
次の仕事に遅れる、とマネージャーに急かされお互いにぎゅっとハグを交わす
「終わったら連絡する」
『うん、頑張ってっ…大好き』
「へへ、としちゃんも大好き、帰ったら一緒にケーキ食べようね」
なんて会話をしていちにんしょうは史帆の家に向かう。
早く帰ってこないかな、なんて着いて早々考えてしまうのは史帆の事が好きすぎるからだと思う。
「ただいま〜」
「ありゃ、寝てる…だから返信なかったのかあ~」
「ふふ、鍵握って寝てる…」
史帆の声…
『ん…ぁ、』
「あ起きた?おはよ」
『っ!ごめん、つい寝ちゃって…』
「大丈夫だよ、お疲れ様」
『史帆も、おつかれ』
「ね、もう、ししたちだけの時間でいいんだよね?」
いちにんしょうの腕を組み手を絡ませ少し上目遣い。
可愛い、この顔に弱いのわかってて煽ってくるあたり本当に…
『そうやって、すぐ煽る…』
「煽ってないよ?」
『いや、もう可愛すぎるから…』
そう言って空いてる手で抱き寄せると嬉しそうに目を細める。
「ししを可愛いって言ってくれるのなまえくらいだよ」
『いやいやそんな事ないでしょ、誰がどう見ても可愛いから』
「嬉しい…」
『…いちにんしょう、史帆より年下だし子供ぽいし、頼りないかもだけど、でもずっと好きなのは変わらないから』
『これからもよろしくお願いします…』
準備しておいた誕生日プレゼントを差し出す。
喜んでもらえるか分からないけど、ペアのリング
「ぇ、え、これ…いいの?」
『気に入らなかったら返品する、何か他に欲しいものとか…!』
「ううん、これ、これがいい…ありがとう」
大事そうに両手で受け取って大粒の涙を我慢しながら笑ってくれる史帆はやっぱり可愛くて綺麗で
『着けさせて?』といいゆっくり左手をとり、指輪を通す。
『可愛い』
「うん、ありがとう、本当に」
『改めて、誕生日おめでとう』
「今までで最高の誕生日になった」
『ふふ、よかった』
安心した途端ぐうぅとお腹が鳴る。
「ふふ、お腹すいたよね、このお寿司もなまえが準備したの?」
『料理には自信がないから、ちょっといいお寿司用意してみた』
「嬉しい〜、幸せすぎる…」
『ケーキもあるよ、でも食べすぎないようにね』
2人で手を合わせていただきますをして食後にはケーキを食べ、少し遅めの夕飯を終えた。
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