《加藤》
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人たらし、上手く人の心を掴み引き寄せる、よくいちにんしょうが言われる言葉。
自分自身自覚がないからどうしようもない、のだけれど週に1度多い時で2回彼女が拗ねる。
「ねえ、なまえこの間の撮影の時に貰ったお菓子あるよ!」
『本当!アレ美味しかったよね!撮影楽し過ぎてずっと笑ってたもんなぁ~』
「なまえ本当にずっと爆笑してたよね、それ見てるとこっちが笑っちゃうから」
『あれはあやが笑わせてきたのが発端じゃーん』
楽屋にいると肩を叩かれて話しかけられそのままケータリングの所まで行く。
この間、といっても何週間も前にあやと同じ撮影の時沢山の差し入れを用意してもらった中で一番お気に入りのお菓子があるというので取りに行く。
『これ!美味しかったからまた食べたかったんだよね〜』
「あ、3つもとるの」
『自分用と史帆用と2人で食べる用』
「最後の絶対要らないじゃん」
『いや、いるから、なんなら2人で食べる用が1番だから、教えてくれてありがとうあや』
そう言いそそくさと楽屋に戻ろうとする。
「なまえさん、あの」
『あ、こさかな~どうしたの』
「明日撮影一緒ですよね、良かったら撮影前にご飯とかどうかなって…」
『あ〜、明日か!楽しみだったんだ〜、でも朝イチ仕事入っちゃってて、撮影の休憩中とかご飯は無理でも飲み物とか!』
「え、むしろいいんですか!」
『だって可愛い後輩だよ〜!あ、talkでこさかなとデートなう、しよーっと』
「それは、流石にっ!」
『冗談冗談、あ、このお菓子美味しいからおすすめ!まだ沢山あったからこさかなも食べてみて、またね!』
頭を撫でて通りすがろうとした時手を不意に握られてこさかなの口にちゅっとつけられる。
「約束、休憩の時デートやからね」
『うん、約束ね、楽しみにしてる』
そそくさと楽屋の定位置に戻ろうとすればいちにんしょうが座る位置に史帆が寝ていた。
あー、また不貞腐れてる。
『史帆、しほりーにょ』
「なに」
『お菓子美味しいやつもってきたんだけど』
「いらない、寝てるの!邪魔しないで」
『えぇ、いちにんしょうに構って貰えなくて拗ねてる史帆ちゃんに見えるんですけど?』
「別に拗ねてない…」
ようやく起こした体の隙間に入り座り込みそのまま後ろからだき抱える。
腰に手を回してぽんぽんと一定間隔で宥める。
『どうしたの』
「…何も無いよ」
『ヤキモチ妬いちゃったの?』
「妬いてない」
『嘘見え見え~、どんな史帆も大好きだよっていつも言ってるじゃん?』
「……最近ペア撮影多くない?ししとはまだないのに、他の子ずるい…」
『確かに色んなメンバーと撮ること多いかも、史帆とのスケジュール合わないのかな〜』
「また来週おたけと撮影あるし…ししは…」
『これ!食べよ!』
「いらないよ!」
『美味しいよ、絶対史帆好きだと思う』
「…食べたくない」
『コレね食べた瞬間史帆思い出して、あやについこれ史帆好きだと思うから持って帰りたい!って言ったら爆笑されたの』
「…」
個包装の袋を破いてひと口食べる。
食べかけを史帆の口元に持っていく。
「いらないって…」
『いちにんしょうの食べかけだよ』
「食べる…」
素直に食べたのが可愛くて頭を撫でる。
「ん、これ美味し、もっと欲しい」
『でしょ!絶対好きだと思った〜』
『ペア撮影は仕事だから目を瞑ってくれてるのもわかるよ、でも、いちにんしょうはずっと史帆のこと考えてるよ』
「うん…」
『そんなに心配することないよ』
「だってぇ…」
いきなり起き上がり正面から座り抱きついてくる。
いちにんしょうの首元に顔を埋めて
「誰にもとられたくないんだもん、ししのだもん…」と呟く。
そんな分かりきったことを言われどう反応すればいいのかもはや分からない。
「ずるい…なまえはししの事だけ夢中にさせればいいのに…」
『えぇ〜どういうこと?いちにんしょうは史帆にだけ夢中だけど』
「違う!他の子を惑わせてるのが嫌なの!」
『そんな…惑わせてるって…』
「無自覚…明日こさかなとデートするんでしょ…」
『ぁはは、聞いてたの、ただ飲み物買いに行こうねって話だよ』
「今日、泊まりに行く…から…」
『沢山愛してあげる』
「ん…お菓子もっと食べたい」
『仕方ないなあ、いちにんしょうの分もあげよう、あとでもっかい持ってこよ』
「なまえ…ごめんね」
袋をあけて中身を渡すと今度はしょんぼりしている。
『そんな史帆も好きだよ、不安になったらいつでも言って』
「そうやって甘やかすのも好き…大好き…このお菓子美味しい…」
『ふふ、でしょ〜!口の横についてるよ』
そう言って軽くキスをすれば顔を真っ赤にしていく史帆。