《上村》
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アイドルグループの3期生として加入してから有難い事に沢山のお仕事を頂けた。
それを毎日こなしながら学業も両立するのは子供にとってのいちにんしょうには少し辛いことでもあった。
ただ、同い年で同じ3期生であるひなのがいたから頑張れていた。
いちにんしょうよりもきっと忙しくて大変なはずなのに会うと必ず笑ってくれる。
そんな彼女はいちにんしょうにとってかけがえない存在だった。
『もう台本なんて覚えられないよー!』
「まあまあ、みょうじなら出来るって大丈夫だよ」
『そんな無責任な事言わないでよー!このあとダンスレッスンでしょ!?いちにんしょう来月テストだよ!?勉強してないよ!?』
「それは、日頃から勉強してくれ」
『ノートのコピーだけで勉強なんて出来るかあ〜!もうやだ…いちにんしょうには無理なんだ…』
演技の練習やらダンスレッスンやらで追われたいちにんしょうは言いたい放題マネージャーさんに当たり散らす。
悪いとは思っていてもどうしてもこういう時子供みたいな態度をとってしまう。
「はぁ…そろそろ上村乗ってくるから詰めて」
『ひなの!?今日一緒なんだ〜、頑張ろうっと』
「単純だな…まあ、やる気出してくれてよかったよ」
『ひなのの隣行きたいから場所交換して!!』
マネージャーさんを跨ぐように移動しようとすると「まだ止まってないし危ないからやめなさい!」と本気で怒られてしまう。
「おはようございます」
『あ、ひなの〜おはよう〜』
「なまえ!なんか久しぶりだね」
『ずっとドラマの撮影でメンバーに会えてないんだ〜…』
「なまえも忙しいもんね」
『でも今ひなのに会えて元気もらった!』
「ふふ、それならよかった、私もなまえに会えて嬉しい」
『本当!やった〜』
スタジオに着くまでそれぞれの仕事のこと、最近の面白い事を話しているとすぐに時間がきてしまう。
ダンスレッスンでは新曲の振り入れでひなのとはシンメなのでお互い確認しながら体に染み込ませていく。
流石に連日仕事のスケジュールがきたのか体がついていかなくて合わせることがうまく合わせることが出来ない。
これは自分の実力不足だ、もっと頑張らなきゃと休憩をはさんでもらってグッと下を向いて耐える。
ふと隣を見るとひなのが心配そうにいちにんしょうを見る。
『…ひなの』
「大丈夫だよ、なまえなら大丈夫」
『ひなのにそう言われると安心する』
「私だけじゃない、先輩もみんなそう思ってるよ」
どうしようもない気持ちになって思わずひなのに抱きつくいちにんしょうがいる。
『いちにんしょうね、ひなのがいるから頑張れてるんだよ』
「…!なまえの近くにはいつも私がいてあげる…」
『本当…!?嬉しい、もっと頑張る…!』
ひなのから抱きしめ返されてそんな嬉しい事を言われて思わずくるくると回ってはしゃいでしまう。
次第に手を繋いでくるくると回って2人で笑い合う。
「あれは、無自覚だよね」
「ひなのは気付いたみたいだけどね、珍しく顔赤い」
「にしても、可愛い最年少組…」
「なまえも早く自分の気持ちに気付けばいいね」
「あの感じだとまだ先になるんじゃないかな」
「可愛すぎるから動画回そ」
少し離れたところでくみさんととしさんがにやにやしてこっちを見る理由にいちにんしょうが気付くのはずっとまだ先の事だった。
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