終電間際のキス<小坂>
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仕事でミスをした後輩のフォローで残業確定、そして金曜、明日は休み、となれば飲みに行かない選択肢はない。
仲のいい後輩小坂に早速連絡を入れる。
“今終わった、飲み行くぞー!”
すると会社の廊下からピコンと機械音。
そして、ドアから覗き込んで文句を一言。
「先輩この間もなおのこと誘ったじゃないですか!」
『だってなおと飲むのが好きなんだもん〜』
「未成年と飲んで何が楽しいんですか…」
なおは違う部署でも他とは違う可愛さに一目惚れして食事、という名の飲み会に誘っている。
未成年といいつつあと数ヵ月後には20歳、もちろん飲ませないけど。
嫌々と文句言いながらもいちにんしょうの誘いは断らない。
他の人の飲み会は断ってるくせに、そういう所も期待してもいいのかな、と自惚れさせる。
「あ、いつものとこ予約しときましたよ」
『本当!?天才!流石いちにんしょうの嫁だ!』
「もう酔ってんですか…?今日は送りませんからね!」
『えぇ〜優しく介抱してよ〜』
いつもいちにんしょうが酔い潰れた時家まで送ってくれる。
そして、ちゃっかり自分も泊まって朝にはご飯を作ってくれる。
だらだらと歩きながらいつもの行きつけの居酒屋に向かう。
「ちょ、なまえさん飲み過ぎ、もうやめときって!」
『まだまだ〜!もう一軒行こ!』
「行かん!帰ろうや、終電なくなんで!」
『いいじゃーん、タクシー代出すから〜』
「そういう問題ちゃう!」
『それじゃ一緒にホテル行く?』
軽い冗談だった、お酒も入ってたし、きっと、上手くかわしてくれるって思った。
なのに、何故そんなに顔を赤くするのか。
素面のくせに、こっちまで熱が移る。
『なぁに、赤くしてんの〜可愛いんだから〜』
「うるさいわ!もう一軒行くんやろ!はよ行こや!」
二軒目もあっという間に時間が過ぎる。
好きな子といると何故こんなにも時が経つのが早いのか。
終電のギリギリまで飲み改札でなおが立ち止まる。
「あの、なまえさん…」
『なにしてんの!帰れなくなっちゃうよ!』
手を引こうとすると頑なに動かない。
いや、もう終電来ちゃってるし!走ってる人もいるし!
『なお?どうした…』
キスをされていた。
程よく酔っていて、好きな子からキスをされて理性が保てるわけがない。
繋いだ手を強く引いて、腰に手を回し僅かに開いた唇から舌を絡ませる。
公衆の面前で何をやってるとかそんな事考える余裕もない。
「なまえさん、あの、す、きで」
『いちにんしょうも好きだった』
「終電、ごめんなさい…」
『ホテル、一緒に行ってくれるんだよね?』
手を引いてあげれば顔を赤くしてついてくる。
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