キミのコトだから<飛鳥>
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小学生の頃奈々未が連れてきた友達の中にあなたがいた。
高校生なのに大人っぽくて皆が勉強している時、こっそりお菓子を持って私のところに来て「いちにんしょうは進学しないから」と宿題を教えてくれた。
中学に上がって暫くした時、私は一人暮らしを始めたというなまえの家に宿題を教えてもらうという理由をつけて遊びにいくようになった。
『飛鳥ちゃんさぁ、いちにんしょうもこう見えて忙しいんですよ』
「全然そうは見えないけど」
『奈々未に教えてもらったらいいじゃん』
「あの人教え方下手なんだもん」
『中学の勉強とかわかんないよ~』
「教えてあげようか?」
『保体なら実技で教えられるよ!』
「さいってー」
私はローテーブルで宿題、なまえはデスクに座って仕事をする。
なまえは高校卒業してすぐに小説家としてデビューした。
高校在学時から何個か賞を貰っていると奈々未から聞いた。
なまえに直接どんな名前でやっているのか聞いたことがあったけど教えてもらえなかった。
シンと静まり返る部屋の中でなまえの携帯がなる。
『もうこんな時間か。』と椅子を引いて立ち上がると私の前にしゃがむ。
『送りますよ、お嬢さん』
「帰るの面倒くさいんだけど」
『おんぶしてあげるから』
「子供扱いすんな」
『飛鳥ちゃんは十分子供だよ~、ほら準備して遅くなるとあなたのお姉ちゃんに怒られるんだから』
早く早く!と急かしてくるから仕方なく広げたノートや教科書を鞄に詰める。
送るといっても徒歩8分くらいで、まだ17時半を過ぎたばかりなのでそんなに暗くはない。
『じゃあ、ちゃんと歯磨きしてトイレ行って寝るんだよ』
「だから子供扱いすんな!」
『はは、じゃあまた明日ね』
「うん、ありがと・・・」
私の頭に手をぽんっと乗せて優しい笑顔で玄関に入るまで手を降ってくれる。
ドアを閉めて「ただいま」と声をかけると奈々未がリビングから出てくる。
「あ、おかえり飛鳥、またなまえのとこ?」
「うん、そう」
「そっか、手洗っておいで、ご飯できてるよ」
そう言ってまたリビングに戻っていく。
また明日ね。
当然のように言われたその台詞が嬉しくて口元がにやける。
明日も行っていいんだ。
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