diffusion<加藤>
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楽屋の扉を開けて彼女がいないことを確認。
隅の方の席に荷物を置きソファに座って一息つく。
次に開くドアの音によって自由の時間も一瞬で終わりを告げる。
「なまえ!いた!」
露骨に嫌な顔をする。
「そんな顔しないでよ!としちゃんに会えて嬉しいでしょ!」
『いえ、全く。』
「ツンデレなんだから~」
会った瞬間から既にうるさい。
そして暑苦しいから抱きつかないでほしい。
何が良くていちにんしょうに絡んでくるのか本当に分からないが結成してからずっとこの感じだ。
慣れというのも怖いものでどんなに話しかけられていても流しながら携帯を弄ったり本を読めるようになった。
「ねえ、聞いてる?」
『きいてるきいてる』
「じゃあ、いいってこと?」
『うん、いいよ…ってなにが?』
やばい。
史帆はニヤリと口を歪ませて「言質とっちゃった〜」と録音中の携帯を見せる。
『ま、まって、何の話か教えてそれから考える…!』
「もう遅いでーす、次の休み一日ししとデートね」
『…ん?そんなこと?』
「そんなことって言わないで!」
『デートって、遊びに行くだけじゃん、普通に行くけど』
「デート!としちゃんは!なまえとデートしたいの!」
『わかった、わかったから、デートね』
「もう!寝る!」と不機嫌そうにしながらも口元は緩んでいて当然のようにいちにんしょうの膝に頭を乗せる。
うるさくされるよりマシか、と頭を撫でると「ふふ…」と笑い声が溢れている。
数分もすればすぐに寝息に変わって、メンバーに冷やかされる。
「あ、としさん寝てる~写真撮っていいですか?」
『ダメに決まってるだろ、あっちいけ!』
「え〜冷たい〜、せっかく美男美女を収めたかったのに…」
『美男美女ってなんだよ、史帆は美女だけど…うるせえからあっちいって』
近付いてきた美穂に手で追い払うと膝でもぞもぞと動く史帆がまた「へへ」と声を漏らす。
『ん、起きたの』
「えへへ〜なまえに美女って言われた〜」
寝起きでいつもよりへにょへにょで喋りだす。
『史帆は美人さんだよ』
「んふふ、嬉しい」
『まだ、時間あるから寝てれば』
「寝ない、けどもう少しこのまま、いいでしょ?」
少し眉を八の字にして可愛く見つめられる。
完全にヤってるじゃん。
周りを見渡して誰もこちらを見ていない事を確認してそっと顔を降ろす。
ほんの一瞬触れてすぐ顔を上げて携帯をいじる。
「え、え!?」と耳まで赤くした彼女が可笑しくて
『なに、どうしたの』
「今、だって、ここ楽屋…!」
『したくなったから仕方ない』
「なまえのデレ期だ…」
『デレとかじゃない、嫌ならもうしないけど』
「やじゃない!もっとしたい!」
『もうしませーん』
いちにんしょうまで恥ずかしくなって史帆の頭を乱暴に撫でると少し離れたところにいた愛萌と目が合ってスマホを揺らしウインクされる。
慌てて確認に行けばがっつり撮られていてメンバーに拡散され数週間弄られたのは言うまでもない。
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