encounter<加藤>
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“来週末のバイト予定入ってて休み貰ってる”
送信するとすぐに了解!と可愛いスタンプが返ってくる。
直接会った時に言えばよかったかもと思ったが早い方がいいか、と毎週のように会ってる事が当たり前のようで嬉しさを感じる。
「じゃあ来週末は誘っても来れんねや」
『そう、中学の知り合いと遊ぶ』
「その子可愛い?」
『…可愛いんじゃないかな』
「なんなんその反応」
写真見せてや、とせがまれ仕方なく中学の同級生の愛萌との写真を見せる
「なまえ」
『なに』
「その日菜緒も行ってええ?てか行きたい、紹介して」
『は?何言ってんの』
「めっちゃ可愛いやん、ええやろ、うちらの仲やん」
『いやいや、急過ぎるって、どうした』
急に暴走する菜緒を落ち着かせると「一目惚れ」と遊び歩いてた奴の台詞とは思えないくらいサラッと話した。
『一応聞くけどさ、あんま期待しないで』
「なまえならやってくれると信じてんで」といちにんしょうの肩を叩いて菜緒は教室に向かう。
愛萌に会いたいって言ってる人がいると言えばノリよく“嬉しい!なまえの友達ならいい人だよね、楽しみ~♡”と返ってきて来週末は寝れないんだろうなと覚悟を決めた。
『いらっしゃいませ』
「今日はししの家でのまない?」
『…いいんですか』
「最近肌寒くなってきたし、いつものとこで待ってるね」
『あ、うん、ありがとうございました』
バイトが終わって待たせないように直ぐに着替えていつもの公園まで走る。
『おまたせ』
「お疲れ様、いつも走ってきてくれるね」
『待たせてるから悪いかなって』
「ししはなまえを待つこの時間も好きだよ」
ニコッとしていちにんしょうの手を握る。
『ちょっと、ごめん』と1回手を離し着ていたパーカーを史帆にかける。
「え、なんで?」
『手が冷たいから寒かったのかと』
「なまえが冷えちゃうよ」
『走ったから丁度いいよ、待たせたのいちにんしょうだし』
「ありがと…」
もしかしてキモかったかなと思ったけど嬉しそうに腕を掴んでる姿を見て、こんな顔されたら勘違いするよなと考えていればすぐに家に着く。
いつものように他愛もない話をしているといつもの解散する時間になっていた。
『そろそろ帰るよ』と片付けようとすると肩に頭をぐりぐりとする史帆。
『どうした、酔ってる?』
「酔ってない」
『もう遅いし、そのまま寝るといいよ』
「帰るの…?」
『え、そうだね?』
「帰らないで」
『史帆…?』
ちゃんと史帆に向き合って顔を覗くと真っ赤になっていて
『水飲む?』
「のまない」
こんな事初めてだったしどうしたらと戸惑っていると史帆が小さい声で何かを言っていた
『ん?なに、聞こえない』
「…き」
『…?』
「好き…」
突然の告白に頭がショートする。
好き?史帆が誰を?いちにんしょうを?
耳まで真っ赤で涙目になってこちらを見つめている。
『誰、を?』
「ししはなまえが好き…」
『なんで、そんな急に』
「急じゃない、ずっと好きだった、でも気付いてくれないから」
「なまえはししのことどう思ってるの」
『酔い過ぎだよ、今日はもう寝よ、ね?』
そのまま頭を撫でて家を出る。
外は少し肌寒くなっていてパーカーの存在を思い出したが取りに戻る選択肢なんてなくてそのまま歩いた。