encounter<加藤>
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「なまえ…起きて、なまえ…」
誰かに呼ばれてる、なんか凄いいい匂いするし、何してたんだっけ…あ、史帆の家に来てて…
『うわっ!』と勢いよく起き上がる。
『あ、寝てた…?』
「びっくりした…熟睡って感じだったよ~」
「ご飯出来たから一緒に食べよ」
と立ち上がる史帆にごめん、と言おうと口を開けばかわりにおなかがぐうーっと鳴った。
「お腹すいたよね」とオムライスをいちにんしょうの目の前に用意してくれる。
『めっちゃ美味しそう…』と思わず声に出ると「本当?!結構上手くいったから嬉しい~」と目を細めて笑う。
「仕上げはコレだよ~」
『ケチャップ?』
「何書いてほしい?」
『リクエスト制なんだ、えっと…どうしよう』
「としちゃん何でもかけるよ!」
『気になる人……』
「え、」
『いや、違う違う!えー、とね』
寝惚けてるのか変なことを口走ってしまって慌てて否定すれば
「ししの気になってる人はね、」とオムライスに何かをかき始めた。
“どんかん”
「これはヒント」
『ヒント…?』
「ししのこと、気になる?」
『あ、うん、史帆って美人だし告白されて気になる人がいるって噂を聞いて』
「美人とか照れる、嬉しい」
『いちにんしょうと最近一緒にいたし、その、大丈夫かなって』
「ししはなまえが好きで一緒にいたいからいるんだよ」
だから、大丈夫と真っ直ぐ見つめられる。
顔が少しずつ赤くなり「恥ずかし」と顔を抑える。
思わず自惚れそうになってしまった自分も恥ずかしくて『いただきます!』と誤魔化すようにオムライスを食べる。
オムライスは美味しくて終始美味しい!と言いながら食べていた。
作ってくれたから、と後片付けは無理矢理任せてもらった。
ダラダラとお喋りをしていれば結構いい時間で
『暗くなってきたしそろそろ帰ろうかな』
と立ち上がろうとすると史帆に裾を掴まれた。
『どうしたの』
「あのさ、さっきの」
『さっき?』
「気になる人」
『鈍感ってやつ?』
「そう、なまえはそういう人いないの」
『いたら史帆とこんなに会ってないよ』
俯いていた史帆が顔を上げて少し嬉しそうにしている。
『なんでそんな嬉しそうなんだよ』
「ししに時間使ってくれてるの嬉しくて」
『史帆がその気になる人と上手くいったらこうやって遊ぶこともなくなるのかな』
「…上手くいかないと思うよ、全然意識してもらえてないし」
『え、こんな美人で面白いのに?見る目ないねその人』
「どうしたら意識されるかな」
『鈍感な人なら好きって言わないとわかんないんじゃない?』
少しムッとして「公園まで送るよ」と言われたけど流石に暗いから『1人で帰れるよ』と玄関でお開きになった。
扉が閉まる瞬間史帆が何か言った気がしたけどいちにんしょうの耳にはうまく入ってこなかった。