encounter<加藤>
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電子音で目が覚めたいちにんしょうは携帯を確認すると菜緒からメッセージが来ていた
時刻は13時半
既読を付ければ直ぐにかかってくる着信
『もしもし』
「その声は寝起きやんな、今日バイトやろ?これからご飯行こうや」
『いいけど…』
「じゃ、いつものファミレスで待ってるわはよ来てや」
言いたいことだけ言ってすぐ切るのはどうにかならないものか。
学校近くの行きつけのファミレスに向かった。
───
「おはよう、意外に早かってんな」
『呼びつけといて上からかよ、で、何かあった?』
「菜緒はなんもあらへんけどなまえは何かあったんちゃうかな~と思って」
肘をつきながらのこのニヤつき顔。
嫌な予感しかしない。
『なんの事?』
「昨日送っていったんやろ?」
「例のコンビニ美女」
『…分かってたのか』
「どうだった?告白した?お持ち帰りした?」
『何もしてないし、そもそも加藤さんはいちにんしょうだって気付いてなかったよ』
「あれ、そうなん?」
『そうだよ、あ、すみませんアイスコーヒー1つ』
通りすがりの店員さんに注文してため息をつけば菜緒が不思議そうにこちらを見る
「でも、一緒に帰ったわけやん、何もなかったん?」
『…まあ、なくはなかったけど…』
────
『家どの辺ですか?』
「そこ、曲がるとコンビニがあるんですけど、少し先に行ったところのアパートです」
『本当に近いんですね…』
曲がったところにあるコンビニは紛れもなくいちにんしょうのバイト先で言おうかどうか考えていると声をかけられる
「みょうじさんってお姉さんとかいます?」
『え?』
「よくそこのコンビニ行くんですけど、みょうじさんに似てる店員さんがいて、もしかして姉妹とかなのかなぁって…」
『あー、それ、いちにんしょうです』
「…!そうなんですか…しし、いや私、なんか凄い失礼な事言いましたよね、ごめんなさい」
『いえ、いつもご利用ありがとうございます』
さっき以上に顔を真っ赤にして頭を下げる加藤さんが面白くて無意識に手が頭に触れる
「え、」
『うわぁっ、ごめん!』
慌てて手を引くと加藤さんは俯きながら「大丈夫です、嫌じゃないので」と呟いた
それから二人の間には沈黙が続き加藤さんは家の前で立ち止まる
「ここなので、ありがとうございましたわざわざ」
『いえいえ、では、また』
「あの、またコンビニ行きますっ」
真っ直ぐな目で言われて驚きながらも
『はいお待ちしてます』
と笑顔で返せばふわっとしたなんとも愛らしい笑顔でまたね、と手を振って家に入っていった。
───
あらかた菜緒に話せば「なんや、おもんないな」と悪態つかれ
「で、連絡とってんの?」と聞かれそういえば交換してないことを今、思い出す。